【ゴルフ トゥーラン Rライン試乗】日本車とは違う!これがVW流スポーティミニバンの仕立て方
&GP / 2016年8月12日 18時30分
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【ゴルフ トゥーラン Rライン試乗】日本車とは違う!これがVW流スポーティミニバンの仕立て方
フォルクスワーゲンの7人乗りミニバン「ゴルフ トゥーラン」に、スポーティなモデルが追加…、正確にいうと、スポーティなルックスをまとったモデルが追加されました。
その名も「ゴルフ トゥーラン TSI Rライン」。内外にフォルクスワーゲンのスポーティグレード「Rライン」ならではの専用パーツが多数おごられた、トップ・オブ・トゥーランです。
トゥーランは“クルマ界のメートル原器”たる「ゴルフ」のコンポーネンツを活用した、3列のシートを持つ7人乗りのミニバン。2015年に12年ぶり(!)のフルモデルチェンジを果たし、2世代目となりました。今年2016年の初頭から、日本での販売が始まっています。
ベースとなったゴルフと同様“MQB”と呼ばれる新しいプラットフォームを採用。ハンドリング性能や軽量化に加え、安全面においても大きく進化しました。
そうした基本性能の向上に加え、レーンキープアシストシステム“Lane Assist”、急制動や極端な挙動を検知するとシートベルトのテンションを高めて窓を閉める“プロアクティブ・オキュバント・プロテクション”、衝突が予想される場合、最終的に自動ブレーキをかけてくれるプリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”といった、安全装備の充実も見逃せません。
新型トゥーランは、初代よりホイールベースが110mmも長くなり、室内がグッと広くなりました。今回ドライブしたRラインの車体寸法は全長4540×全幅1830×全高1660mmですから、ライバルと目されるBMW「2シリーズ グランドツアラー」といい勝負。一方、トヨタ「ノア」「ヴォクシー」といった和製ミニバンと比較すると、短く、広く、そして低い、スポーティなフォルムが特徴です。
ゴルフ トゥーラン TSI Rラインは、トゥーランの松竹梅の“松”に当たるグレード「ハイライン」を元に、Rライン専用パーツを装着してスポーティさを強調したモデルです。とはいえ、優等生のフォルクスワーゲンが手掛けたクルマですから“オラついた”ところのない、キリッとした姿に収まっています。ファミリーユースに対応した高い実用性を持ちながら、所帯染みた雰囲気がないのがいいところ。ちょっとぜいたくなビジネス用ピープルムーバーとしても使えそうです。
1.4リッターの直4ターボ(150馬力/25.5kg-m)と、“DSG”ことデュアルクラッチ式7ATのスペックは、ハイラインから変更はありません。価格はハイラインにプラス17万5000円の、397万4000円となります。
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■内外装にスポーティなRライン専用パーツが盛りだくさん
ここからは、少し細かくトゥーラン Rラインを見ていきましょう。
まず、フロントとリアバンパーがRライン専用デザインとなり、ブラックアウトされたサイドスカートが付きます。フロントバンパー下部やサイドのエアインテークにはクロームのバーが付加され、ググッと華やかな印象に。グリルと左右のフロントドアには、Rラインのエンブレムが輝きます。ドアを開ければ、サイドシルにRライン専用ドアシルプレートが貼られるので、乗り込むたびに、ムフフ…とうれしく感じるわけです。
おっと、先走りました。スポーティルックなクルマは、後ろ姿も大事。ゴルフ トゥーランのRラインには、黒いディフューザーから2本出しのクロームデュアルエグゾーストパイプが飛び出し、存在感を主張します。
標準のタイヤサイズは、ハイラインと同じ218/55R17。オプションで225/45R18を履くこともできます。こちらはRライン専用の18インチアルミホイールに装着することになるので、選ばない手はないでしょう!(アダプティブシャシーコントロール“DCC”とのセットオプション)。
室内に目を転じると、シートはRライン専用のファブリックシート。クールな触感で、バックレストには「R」の文字が入ります。やや硬めの座り心地ですが、ロングツーリングには「このくらいの方がかえって疲れにくい」ことは、フォルクスワーゲン乗りなら常識(!?)です。
ステアリングホイールは、革巻きの3本スポークタイプ。足元のペダル類はアルミ調となります(滑りにくいよう表面にはラバーが貼られます)。
2列目シートは独立式で、フロントシートと遜色ないつくりのイスが3つ並びます。チャイルドシートが組み込まれたトゥーラン自慢の“インテグレーテッドチャイルドシート”は装備されません。前後に最大200mmスライドし、背もたれを前方に倒すことも可能。必要十分なアレンジを確保しています。
サードシートは、基本、子供用ですね。緊急用と割り切って、普段は折り畳んで使った方がいいかもしれません。倒すとシートの背面が、フロアとキレイに“ツライチ”になるので、ラゲッジスペースとしての使い勝手は上々です。
ホールド性の高い“R”なシートに座ると、黒基調のインテリアが目の前に広がります。走り始めると、室内の印象に違わない、締まった乗り心地が印象的。1.4リッターの直噴ターボは、わずか1500回転で25.5kg-mの最大トルクを発生します。だから、出足から力強い!
トゥーラン Rラインのステアリングホイールを握っていて楽しいのは、ドライバーの運転操作にキチンとクルマが反応していくれるから。エンジンは、“デッドリースムーズ”ではなく、スロットルを開ければそれなりに音が高まりますし、乗り心地も「ソフトに安楽」ではなく、鋭い尖りは丸めつつ、それなりに凹凸を伝えます。
適度に運転している実感を与えてくれるドライブフィール。極度にだらけた姿勢を許さないシート。ゴルフ トゥーラン TSI Rラインは、総じて乗員を甘やかさないミニバンですね。内も外も、走っても、キリッとしている。仕事用としてはもちろん、お子さんの教育にもいいかも(!?)しれません。
<SPECIFICATIONS>
☆TSI Rライン
ボディサイズ:L4540×W1830×H1670mm
車重:1560kg
駆動方式:FF
エンジン:1394cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:7速AT(デュアルクラッチ式)
最高出力:150馬力/5000〜6000回転
最大トルク:25.5kg-m/1500〜3500回転
価格:397万4000円
(文&写真/ダン・アオキ)
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