スマホも値上がりした2022年発売の“買って損なし” 高コスパスマホ5選
&GP / 2022年12月29日 7時0分
スマホも値上がりした2022年発売の“買って損なし” 高コスパスマホ5選
【2022年人気アイテム総まとめ】
スマホは性能や価格帯によって「ローエンド」「ミドルレンジ」「ハイエンド」に分けられます。しかし、すでに多くの人がスマホを使い、“初心者” が少なくなっていることからローエンドは減少傾向に。一方、スペック競争の結果、高値になったハイエンドモデルも敬遠されがちです。その結果、ここ数年ミドルレンジが市場の主役となり、シェアを拡大しています。
2022年は製造コストの上昇や円安の影響で、スマホの端末価格も値上がりする傾向が見られました。そのため、比較的安く売れるミドルレンジに注力するメーカーが多かったようです。
そこで、2022年に発売された3〜7万円台のミドルレンジモデルの中から、筆者がコスパが高いと評価する5機種を選んでみました。いずれも2022年12月現在販売中なので、購入コストを抑えて高い満足感を得たい人は参考にしてください。
1. 持ちやすいサイズ感にハイエンド並みの機能を搭載
グーグル
「Google Pixel 6a」(5万3900円/SIMフリーモデル)
▲廉価版ながら高性能プロセッサーを搭載した「Google Pixel 6a」
グーグルは10月にPixelシリーズの最新モデル「Google Pixel 7/7 Pro」をリリースしましたが、コスパを重視するなら7月に発売された「Google Pixel 6a」をおすすめします。
Pixel 6aは、昨年10月に発売された「Google Pixel 6」の廉価版という位置付け。しかし、どちらも「Google Tensor」という同じプロセッサーを搭載していて、基本性能に大差はありません。Pixel 6aでも、Pixelならではの「リアルタイム翻訳」を使えて、写真に写り込んだ不要なものを消す「消しゴムマジック」も利用できます。
▲コンパクトで片手でも操作しやすいことも魅力。画面も自由にカスタマイズできる
カメラのスペックは、Pixel 6よりも控えめですが、広角(12.2メガピクセル)+超広角(12メガピクセル)のデュアルカメラを搭載し、十分キレイに撮れます。
▲左がPixel 6aで、右がPixel 6。カメラバーが出っ張っていないことも利点
Pixel 6aは画面サイズが6.1インチで、重さは178g。比較的コンパクトで片手でも操作しやすいことも利点。ちなみに、Pixel 6の画面サイズは6.4インチで、重さは207g。最新モデルのPixel 7は6.3インチで197g。持ちやすさを重視する人には最適なPixelと言えるでしょう。
2. ハイエンドモデル級の高性能カメラを搭載
シャープ
「AQUOS sense7」(5万4450円/SIMフリーモデル)
▲ミドルレンジながら高性能なカメラを搭載する「AQUOS sense7」
AQUOS senseシリーズは「出せば必ずヒットする」と言っても過言ではない売れ筋モデル。11月に発売された最新の「AQUOS sense7」は、ドコモ、au、楽天モバイル、UQモバイルが取り扱い、SIMフリーモデルも発売されています。さらに、台湾でも発売されたとのこと。
約6.1インチの有機ELディスプレイを搭載し、横幅は約70mm、重さは約158g。最近のAndroidスマホの中では小さめで、扱いやすいサイズ感。アルミを用いたボディはリッチな質感で、指紋が付着しにくいことも特徴。多くの人が求める機能はもれなく備えていて、マスクを着けたままでも顔認証でロックを解除できるなど、今時のアップデートも施されています。
▲サイドに指紋センサーも搭載
そして最大の優位性はカメラ。標準(5030万画素)+広角(800万画素)のデュアルレンズカメラを搭載し、標準カメラには1/1.55インチの大型センサーを搭載。全画素を使用する像面位相差オートフォーカスを採用し、上位モデルの「AQUOS R7」の技術を応用したナイトモードを搭載するなど、ハイエンドモデル並みのカメラ性能を備えています。
▲カメラの進化をアピールするように、標準カメラを中央に配置するデザインに刷新
スピーカーがモノラル、リフレッシュレートが60Hzなど、ミドルレンジ相応のところもありますが、性能が横並びの印象があるミドルレンジの中で、ワンランク上の満足感が得られること請け合いです。
3. 3万円台でおサイフケータイ&防水・防塵を実現
モトローラ・モビリティ
「moto g52j 5G」(3万9800円)
▲おサイフケータイに対応した「moto g52j 5G」
モトローラのスマホは、従来からコスパの高さに定評がありましたが、おサイフケータイと防水に対応していないことを理由に敬遠していた人もいるようです。
6月にリリースされた「moto g52j 5G」は日本だけで販売されるモデルで、機種名にある「j」は「Japan」を意味します。ユーザー待望のおサイフケータイを搭載し、IP68相当の防水・防塵性能も備えています。
▲カラバリは2色
プロセッサーはミッドレンジ向けのSnapdragon 695。今年はこのチップを搭載するスマホが多く発売されましたが、同等のスペックを備えた他社の端末は軒並み4万円以上。moto g52j 5Gの3万9800円という価格は、モトローラの「どうしてもヒットさせたい」というギリギリの価格だと思われます。
6.8インチの大画面ディスプレイを搭載し、120Hzの高リフレッシュレートに対応しているので、ゲームや動画を楽しむにも問題なし。カメラは5000万画素をメインとするトリプルカメラ。5000mAhの大容量バッテリーを内蔵しているので電池持ちにも期待できます。ズバリ “買って損なし” と言える充実仕様。ただし、ボディは樹脂製で、質感はミドルレンジ相応という印象です。
▲画面の大きさはトップクラス。有機ELではなく液晶だが、視認性は上々
4. 見た目は変わらないが、中身は大きく進化
アップル
「iPhone SE(第3世代)」(6万2800円/SIMフリー64GBモデル)
▲カラバリは3色
9月に発売されたiPhone 14シリーズは、最も安いiPhone 14(128GB)でも11万9800円で、最も高いiPhone 14 Pro Max(1TB)は23万9800円(いずれもSIMフリーモデルの価格)。気軽には買いにくい、高価のものになってしまいました。そのため、機種変更のサイクルを延ばしたり、最新モデルはあきらめて中古品を購入する人も増えているようです。
▲横幅が67.3mmで、重さは144g
そんな中、比較的安い新機種として発売されたのが「iPhone SE(第3世代)」。デザインは2年前に発売された第2世代と同じで、ディスプレイは4.7インチ、そして指紋センサーを兼ねるホームボタンを搭載しています。要するに “昔ながらのiPhone” という風情ですが、ホームボタンがない新しいiPhoneより使いやすいと感じる人も少なくないはず。
▲指紋センサーを使えるのが便利
中身は第2世代から大幅にアップデートされています。チップはiPhone 13と同じ「A15 Bionic」。ちなみに、最新のiPhone 14には、GPUの性能を向上させた「A15 Bionic」が搭載されていますが、普段使いでのパフォーマンスは同等と考えていいでしょう。もちろん5Gに対応。バッテリー容量は公表されていませんが、バッテリー持続時間は前モデルよりも長くなっています。
カメラは第2世代と同じで12メガピクセルのシングルカメラ。明るい場所ではそこそこキレイに写りますが、暗い場所には弱いので、カメラ性能を重視する人には向かないかもしれません。
5. カッコイイだけではなく、フツーに使いやすい
Nothing Technology
「Nothing Phone(1)」(7万3800円/8GB+128GBモデル)
▲カラバリは2色
2022年に注目されたスマホの1台として挙げたいのが「Nothing Phone(1)」。イギリス・ロンドンに拠点を置くスタートアップが初めてのスマホとして7月にリリースし、日本では8月に発売されました。
Nothing Phone(1)の最大の特徴は背面パネルが光ること。背面パネルは透明のガラスで、400以上の部品を組み合わせたユニークなデザインが見える仕様。そこに900個ものLEDが搭載され、着信時には光り方のパターンで誰からの着信かがわかるようになっています。独自の壁紙、フォント、サウンド、ウィジェットなどをプリインし、この機種だけでの世界観を楽しめます。
▲光る背面パネルはサイレントモードにしていても着信がひと目でわかるので実用的
一見、デザインに特化した端末のようですが、基本性能もしっかりしていて、使いやすさにも配慮されています。プロセッサーにはミドルハイ向けの「Snapdoragon 778G+」を採用しているので、一般的なミドルレンジモデル以上にサクサクと操作できます。6.55インチの有機ELディスプレイは120Hz駆動に対応。広角(5000万画素)+超広角(5000万画素)のデュアルカメラにはソニー製の画像センサーを採用し、鮮明な画質で撮影できることも確認できました。
▲ディスプレイは美しく、タッチレスポンスも良好
発売当時の価格は6万3800円〜で、かなり割安感がありましたが、11月に値上げされて7万3800円〜になってしまったのは残念なところ。しかし、それでもなお、個性的なスマホを求める人にとっては、お買い得感のある端末と言えるでしょう。
<文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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