クルマ好きの心をくすぐる加速感!レクサス「IS500 F SPORT Performance」は俊敏で立派なスポーツセダン
&GP / 2023年1月23日 22時0分
![クルマ好きの心をくすぐる加速感!レクサス「IS500 F SPORT Performance」は俊敏で立派なスポーツセダン](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_502538_0-small.jpg)
クルマ好きの心をくすぐる加速感!レクサス「IS500 F SPORT Performance」は俊敏で立派なスポーツセダン
パワフルなセダンは、欧州、特にドイツやイギリスでいまも多く、バリエーションは豊富。日本で気を吐いているのは、レクサス。2022年8月に日本導入されたレクサス「IS500 F SPORT Performance」は、日本代表選手といっていい出来です。
全長4760mmの4ドアボディに、5リッターV型8気筒エンジン搭載。354kW(481ps)の最高出力を持ち、後輪を駆動します。
日本では2リッター、2.5リッター、3.5リッターというラインナップで展開されてきたIS。2020年暮れにマイナーチェンジを受けました。
■米国発売モデルを日本仕様にチューニング
ハブにボルトでホイールを固定する、欧州式の機構を採用するなど、足回りをしっかりと見直して、操縦性の向上をはかっています。
ISは、結果、とても好ましいクルマになっていて、ステアリングホイールを切ったときの動きは、俊敏。立派なスポーツセダンって感じです。
日本のラインナップに加わったIS500 F SPORT Performanceは、米国で発売されていた5リッターモデルをベースに、日本仕様に仕立て直したモデル。
「米国では21年に発売しましたが、今回、日本の路面に合うようにチューニングし直しました」
開発を担当したレクサスインターナショナルの前澤伸アシスタントチーフエンジニアはそう語ります。AVS(アクティブサスペンション)やEPS(電子制御パワーステアリング)に専用チューニングを施したそうです。
リアにも「パフォーマンスダンパー」を追加しています。走行中の車体の変形や不快なノイズ・振動を効果的に吸収する新技術、とはこのパーツを開発したヤマハ発動機による説明。
かつてISには5リッターV8搭載のIS Fという人気車種がありました。今回は「F」がつきません。
「今回は最初からFをつけるつもりはありませんでした。大人の方に余裕を持って楽しんでもらえるモデルにしたいと考えました」
なるほど、実際に走りはそんな印象です。ぐいぐいという感じで力が出てきて、大きなトルクを車体がしっかり受け止めてくれています。
最大トルクは535Nmもあるので、どんな速度域でも、アクセルペダルを軽く踏むだけで、さっと加速に移ります。いわゆるトルクに乗って走っている感じ。
一方、最大トルクの発生回転数は4800rpmと高め。アクセルペダルを踏み込んでいくと、どんどんトルクが積み増されていくような加速感は、クルマ好きの心をくすぐるものです。
V8エンジンはV6よりも50kg以上重いので、それでもなおハンドリングの良さを追求したエンジニアリングには苦労もあったはず。
4気筒のような小さめのエンジンの車両に比肩するほどシャープなハンドリングではないですが、逆に、上記のようにぶっといトルク感をうまく味わわせてくれる設定が魅力的なのです。
■適度に備わったスポーツ性
見かけも、適度にスポーティ。低くかまえたフロントノーズに、ブラックで仕上げられたグリルとエアインテークがすごみを感じさせます。
19インチリム径のホイールに組み合わされた幅広タイヤ(フロント235/40、リア265/35)も迫力です。
リアでは、かつてのIS Fを思わせる“2階建て”のテールカッターが計4本突き出ているのが目を惹きます。
試乗車は「チタニウムカーバイトグレー」なる、エレガントさとスポーティさが両立した車体色。
トランクリッド後端に備わった、ツヤのあるピアノブラック塗装スポイラーが、小さいけれど目を惹きます。ちょっと大人っぽい、いい感じ。
内装は、セダンのいいところがきちんと味わえます。乗り降りしやすさを考慮した着座位置。ドライバーズシートからの視界の良さ。
後部座席も、足元と頭上ともに空間的な余裕があります。ホイールベースが2800mmもあるだけあって、広い後席はもてなしスペースになっています。
専用のスポーツシートは、サイドサポートが張り出しているし、腰が落ち着きます。
ウルトラスエードという、ちょっとレースカー的な素材で、適度なスポーツ性がちゃんと備わっています。
計器盤はトレンドのマルチモニターでなく、あくまで回転計と速度計メインで、割り切りのよさを感じさせるもの。
車体の設計年次が新しければフル液晶ってこともありえたかもしれません。でもこのクルマには、アナログメーターが似合っているように思えます。
ダッシュボード全体の設計も同様。古いっていう人もいらっしゃいます、とレクサスインターナショナルの技術者はいいますが、逆に物理的なスイッチが並んでいるのはぜいたくです。
いまのクルマの多くはタッチスクリーン式のモニターを採用しています。一見いい感じなのですが、使い勝手や信頼性の点からいえば、やっぱりアナログでしょう。
当初「First Edition」がまず登場。2022年8月に500台限定の抽選を受けていました。
「あっというまに募集枠が埋まって、しかも冷やかしの応募がほとんどなくて、当選した方がみなさん、契約を結んでくださったのは嬉しい驚きでした」、前出の前澤氏はそう語ってくれました。
IS500 F SPORT Performanceの価格は850万円。モノグレードです。オプションは、「オレンジブレーキキャリパー」「ムーンルーフ」「“マークレビンソン”プレミアムサラウンドサウンドシステム」ぐらいです。
【Specifications】
トヨタ レクサス IS500 F SPORT Performance
全長×全幅×全高:4760x1840x1435mm
ホイールベース:2800mm
車重:1720kg
エンジン:4968ccV型8気筒 後輪駆動
最高出力:354kW@7100rpm
最大トルク:535Nm@4800rpm
燃費:9.0km/l(WLTC)
価格:850万円
>> トヨタ レクサス IS
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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