ハイエンドからエントリー向けまでラインナップが充実したスマホ&タブレット【GoodsPress AWARD 2022】
&GP / 2023年1月11日 20時0分
ハイエンドからエントリー向けまでラインナップが充実したスマホ&タブレット【GoodsPress AWARD 2022】
【GoodsPress AWARD 2022】
機能、デザインはもちろん、革新性、コストパフォーマンスなど、さまざまなアプローチで我々を刺激したアイテムを表彰する年末恒例「GoodsPress AWARD」。各ジャンルの識者が厳選した“2022年の顔”をぜひチェック。
2022年にはさまざまなスマートフォンやタブレットが登場。スマートフォンはメーカーごとの個性がぐっと伸び、タブレットはAndroid勢からも存在感のある機種が発売された一年だったといえるだろう。ここでは特に印象的だった6製品を選定した。
※2022年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号22-23ページの記事をもとに構成しています
* * *
2022年のスマートフォンで異彩を放っていたのが「Xperia 1 IV」だ。例えば、楽曲録音時は残響(リバーブ)やノイズが入っていない“デッド”な音の記録を目的に、スタジオを使用することが多い。しかし、同機の「Music Pro」アプリを使えばAI技術でどこでもデッドな音を再現できるという、スマホの新しい使い方を提案した。PixelシリーズのようなオンデバイスAIを活用した汎用的な方向性とは異なるが、まさに“好きを極める”をうたうブランドとして高く評価したい。
一方、AQUOSシリーズは「R7」が従来機種の弱点を堅実に克服し、使い勝手のよい機種として洗練された点に注目だ。また、普及価格帯の「sense7」は、1インチでこそないものの、一般的なハイエンドモデル並みの大型センサーを搭載してカメラ性能が大幅に向上。エントリー帯のブランドに対し、上手く付加価値を高めてきたといえる。
Androidタブレットには、NECから希少な12型製品が登場した。OPPOは日本市場で同社初のタブレットを展開。エンタメ用途なら要注目だ。iPad一強だった市場に多様性が生まれつつある。
ITライター 井上晃さん
スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器をベースにしながら、最新ガジェットやデジタルサービスを幅広く網羅するIT系ライター。雑誌やWebメディアを中心に、レビューやコラムも寄稿している
【PC・デジタル家電部門 スマホ&タブレット】
【先進技術賞】
■決してカメラ一辺倒ではない上位スマホの方向性を示した
望遠カメラやMusic Proだけでなく、旗艦機種ながらも3.5mmのヘッドフォンジャックを備えるなど、ソニーらしいオーディオ面での差別化には要注目。ゲーム実況配信需要に応える機能やゲーミングギアとのセットも尖ります
ソニー
「Xperia 1 IV」(実勢価格:17万4900円前後〜)
2022年6月に発売されたXperiaのフラグシップモデル。同年9月には仕様が若干異なるオープンマーケット版も提供された。6.5型21:9の有機ELディスプレイを装備。リフレッシュレートは最大120Hz駆動に対応する。背面カメラには超広角、広角、望遠(それぞれ約1220万画素)と3D iToFセンサーを搭載。キャリア版は5Gでミリ波にも対応する。
▲望遠カメラには85-125mm相当の光学望遠ズームレンズを搭載。HDR連写撮影も可能だ
▲「Videography Pro」アプリでは、前ぼけ・後ろぼけを切り替えて動画撮影できる。トラッキングや瞳AFにも対応
【こだわり賞】
■独自路線のカメラを堅実に伸ばした個性際立つ一台
1型センサーを改良し、従来機の課題とされたAF性能を改善。近距離撮影もしやすくなっています。スマートフォンでありながら、コンパクトデジタルカメラのような感覚での撮影にこだわる人なら、深く楽しめる一台です
シャープ
「AQUOS R7」(実勢価格:19万8000円前後)
2022年7月に発売された6.6型のフラグシップモデル。背面カメラには、新型の1インチセンサーと、ライカカメラ社と共同開発したズミクロンレンズを搭載。ディスプレイには1-240Hzで駆動する「Pro IGZO OLED」を採用している。5G通信はミリ波帯にも対応。
▲像面位相差AFに対応し、撮影領域の全面でピントを合わせる。フォーカス速度がコントラストAFの約2倍になった
▲ズーム操作がスムーズにできる。写りが暗い場合は4720万画素のセンサーが明るさを優先する。8K動画撮影にも対応
【高コスパ賞】
■スタンダードモデルに大型センサーを搭載
廉価モデルだったのに徐々に高くなったイメージがあったsenseシリーズですが、本機ではわかりやすく付加価値を高め、エントリー帯のAQUOS wishとの差別化にも成功。ブランドとしての統一感も出てきました
シャープ
「AQUOS sense7」(実勢価格:4〜6万円前後)
11月発売のスタンダードモデル。手頃な価格ながらも、ハイエンドモデル並みのセンサーサイズを備えた背面カメラを搭載。像面位相差AFを採用し、AF性能が向上した。6.1型のフルHDディスプレイは、240Hz駆動でこそないが、10億色表示が可能。
▲背面カメラには、約5030万画素の標準レンズと約800万画素の超広角レンズ(画角120度)を搭載。標準カメラのセンサーサイズは1/1.55インチ
▲R7の高画質化技術を応用した新画質エンジン「ProPix4」により、ノイズの少ない、精細な質感を再現した撮影が可能
【トレンド賞】
■筐体デザインがより洗練されて得意のAI機能も一層強化
洗練された性能はもちろん評価すべきですが、Googleストアでの下取りやクーポンによる割引が大きかったことが、既存のPixelユーザーの買い替え需要の背中を押しました。2022年を象徴するスマートフォンだと思います
Google
「Google Pixel 7 Pro」(実勢価格:12万円前後〜)
2022年10月に発売されたPixelシリーズの上位モデル。ディスプレイは6.7型で、リフレッシュレートは120Hz。光学5倍の望遠カメラを搭載し、デジタルズームを交えて最大30倍撮影が可能だ。なお、120Hzや望遠カメラ非対応のPixel 7は4万円ほど安く提供されている。
▲筐体にはポリッシュ仕上げの100%リサイクルアルミニウムを採用。カメラバー(背面の凸部)とフレームは一体化したデザインとなっている
▲Pixel 7/7 Proは、Google フォトから「ボケ補正」機能を利用可能。手ブレでボケてしまった静止画をAI処理でシャープに整えられる
【タブレット賞】
■12インチ市場にさっそうと現れたAndroid派の期待の星
同シリーズではすでに11.5型のT11が5〜6万円前後で展開されていましたが、よりPCライクに扱いやすいサイズのT12が上位機種として登場。対応のデジタルペン2がワイヤレス充電対応になったことで、ペンの使い勝手も向上しています
NECパーソナルコンピュータ
「LAVIE Tab T1295/DAS」(実勢価格:12万780円前後)
2022年3月に発売された12.6型のAndroidタブレット。ディスプレイは有機ELで、解像度は2560x1600ピクセル。Dolby Atmos対応のクアッドスピーカーも備え、エンタメ用途でも活躍する。アプリウィンドウを自在に配置できる「プロダクティビティモード」をオンにすれば、PC風の操作も可能だ。
▲別売りのフルサイズキーボードとスタイラスペンを使えばPCライクに運用可能。側面にはJBL製クアッドスピーカーを搭載
▲別売りの「スタンドカバー付きキーボード」を利用できる
【エンタメ賞】
■自宅でゴロゴロしながら使える手頃なタブレット
SoCはSnapdragon 680で価格相応ですが、3万円台ながらもディスプレイは10億色対応で、Dolby Atmos対応のスピーカーも4基搭載。GPSやモバイル通信は非対応ですが、Wi-Fi接続下での動画視聴や軽いゲーミングには◎
OPPO
「OPPO Pad Air」(3万7800円)
2022年9月に発売された、日本ではOPPO初となるAndroidタブレット。ディスプレイは10.3型で、アスペクト比は5:3。IPS液晶を採用している。充電器やケーブルは同梱されない。背面カメラは約800万画素。前面カメラは約500万画素で、顔認証にも対応する。
▲OSはAndroid 12をベースにしたColorOS 12。2本指で画面中央をスワイプダウンすると画面を2分割できる機能も備える
▲SoCにはSnapdragon 680を搭載。RAMは4GB、ストレージは64GB。microSDXC(最大512GB)にも対応する
<取材・文/井上晃>
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