評論家&ライターがクオリティに唸ったデジタルガジェット6選【GoodsPress AWARD 2022】
&GP / 2023年1月18日 20時0分
評論家&ライターがクオリティに唸ったデジタルガジェット6選【GoodsPress AWARD 2022】
【GoodsPress AWARD 2022】
機能、デザインはもちろん、革新性、コストパフォーマンスなど、さまざまなアプローチで我々を刺激したアイテムを表彰する年末恒例「GoodsPress AWARD」。各ジャンルの識者が厳選した“2022年の顔”をぜひチェック。
幅広いジャンルで魅力的な製品が次々に登場した2022年。AV評論家の折原一也氏とITライターの井上晃氏に、デジタルガジェットをノミネートしてもらった。
※2022年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号32-33ページの記事をもとに構成しています
* * *
昨今注目しているポイントは、スピーカーの復権。外見はクラシカルなのに、その実、最新技術が詰まっているスマートスピーカー化が進んでいるのだ。JBLの「4305P」は、その最たる例だといえよう。一方、テレビにプラスαするだけで手軽に音質アップが図れることで人気だったサウンドバーにも、高級オーディオメーカーなどが続々参入。競争が激化しており、音質も年々進化しているのが面白い。その代表が、B&Wの「Panorama 3」だ。かなりの高額だが、持ち前の音質に加え、臨場感ある立体音響は、サウンドバーとは思えないほどのクオリティ。そして立体音響といえば、アップルの「AirPods Pro」。空間オーディオの可能性への期待を込めて受賞とした。
AVライター 折原一也さん
PC系出版社の編集職を経て独立。オーディオ・ビジュアル専門誌やWeb媒体、商品情報誌などで、トレンド解説や商品レビューなど多彩な記事を執筆している。2009年よりVGP(ビジュアルグランプリ)の審査員も務めている
【PC・デジタル家電部門 ガジェット&周辺機器】
【伝統&革新賞】
1. 伝統的なモニタースピーカーが現代版に進化
サウンド面はJBLモニター直系で、迫力ある低音とリスニング的な解像感を両立。憧れのJBLモニタースピーカーを手頃なサイズでそろえられるミニチュアモ デルとしても、人気を集めた一台です
JBL
「4305P」(22万円 ※ペア)
JBLのスタジオモニターシリーズ初となる、コンパクト・アクティブモニタースピーカー。左右のスピーカー接続はワイヤレス対応で、Wi-Fiによる音楽リスニング、PC接続のほか、豊富な入力端子による幅広い機器との互換性までをカバーするユニークな一台。
▲JBL伝統のHDI(High Definition Imaging)によるXウェーブガイド・ホーン技術を搭載
▲スタジオ用途からWi-Fiによる音楽リスニングまでカバーする豊富な端子類
【臨場感満点賞】
2. 名門ブランドの立体音響対応サウンドバー
音質チューニングは「800 Series Diamond」を手掛ける音響エンジニアリングチームというだけあって、空間表現に優れるサウンドはB&W直系。憧れのB&Wサウンドとしては、この価格でも安いという声もあります
B&W
「Panorama 3」(12万9800円)
オーディオ愛好家の選ぶ至高の英国スピーカーブランド・Bowers & Wilkins(B&W)によるサウンドバー。一本バーの本体に、全13基のユニット、10chのスピーカーを搭載。ドルビーアトモス対応の空間オーディオ再現にも対応しているハイエンドモデルだ。
▲本体上部の左右には、50mmのユニットによるイネーブルドスピーカーを搭載
▲入力端子はHDMI eARC前提と極めてシンプル。アプリでWi-Fi接続でき、設置後の設定は不要
【パーソナライズ賞】
3. パーソナライズ化×空間オーディオが最強!
選んだ理由は、ガジェットとしての面白さ。NetflixやDisney+など、サブスク動画サラウンド視聴を目当てに購入するのもオススメです
アップル
「AirPods Pro」(3万9800円)
3年ぶりにリニューアルされたAirPods Proの第2世代。最新のH2チップを内蔵し、前世代からノイズキャンセリング性能を最大2倍に強化。イヤホン単体の連続再生時間も、第1世代より伸びて6時間となった。
▲“パーソナライズされた空間オーディオ”に対応。Apple MusicやApple TV、Netflixなどのサブスク動画のサラウンドを強化
▲タッチコントロール機能も強化。軸部分の上下スワイプで音量調節も可能になった
■注目は製品デザインを刷新しているワコム
開発体制を変えながら、ここ数年で新製品のデザイン刷新を図るワコムに注目。2021年秋発売の「Wacom Cintiq Pro 16」に続き、'22年10月には120Hz駆動に対応の「Wacom Cintiq Pro 27」が発売された。プロフェッショナル向け機材で、一般ユーザーの手には届かない価格帯だが、将来的には120Hz駆動の製品が普及価格帯に降りてくる期待が高まる。
そのほか印象に残った製品としては、Ankerの「PowerHouse シリーズ」もある。モバイルバッテリーや充電器で浸透しているブランドだけに、ポータブル電源が欲しくなったときには有力候補になりやすいだろう。また、「GeePencil」もiPadシリーズ用のサードパーティ製品として完成度が高かった。
ITライター 井上晃さん
スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器をベースにしながら、最新ガジェットやデジタルサービスなど幅広く網羅するIT系ライター。雑誌やWebメディアを中心に、レビューやコラムを寄稿している
【バッテリー賞】
4. 長寿命でUSB-Cポートも搭載!一家に一台欲しいポータブル電源
武骨な製品が多いジャンルですが、スッキリしたデザインはAnkerならでは。安くはありませんが、豊富なポートや前面のライト、見やすい画面、耐衝撃性、寿命の長さ、5年保証の用意など、総合力で優れます
アンカー
「Anker 555 Portable Power Station(PowerHouse 1024Wh)」(実勢価格:14万9900円)
320,000mAhのポータブル電源で、合計最大出力は1364W。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、充放電サイクル3000回後にも80%容量を維持可能(一般的な製品の約6倍の寿命)。待機時消費電力が続くと出力をオフにする省電力モードを備える。USB-Cポートも豊富に搭載。
▲ACアダプターとUSB PD対応の100W以上のUSB急速充電器での同時充電なら約4.1時間での満充電が可能。別売りのソーラーパネルにも対応する
【アイデア賞】
5. iPadシリーズ向けのサード製ペンでは最優秀
筆圧感知機能の有無が気にならなければ、第2世代のApple Pencilとほぼ同じ体験が半額以下で実現できる製品。精緻なイラストを描くにはやや心許ないですが、手書きメモやコメント記入、簡単なお絵描きなどには狙い目です
Gloture
「GeePencil」(6050円)
第2世代Apple Pencil代わりに使えるスタイラスペン。類似製品では、有線での充電やボタンでの電源オン操作が必要なものも多いが、GeePencilはiPad側面に固定した状態でのワイヤレス充電が可能。付属のマグネット式充電ケーブルも便利だ。替えペン先や専用ケースも同梱。
▲iPadの側面に磁力で固定してペアリングや充電が行える仕様は、純正のApple Pencilと同様。携行しやすく充電管理も容易だ
▲ペン先の質感も純正のApple Pencilと似ている。スペアのペン先がひとつ同梱されているので、交換も可能
【創作道具賞】
6. ついに120Hz駆動に対応した究極仕様の液タブ
スタンドやVESA対応アームをそろえると55万円強の高額製品ですが、デジタルで描くための道具として憧れの一台。空間的に記憶しやすいExpressKeyや側面ネジ穴を活用したカスタマイズもよく考えられています
ワコム
「Wacom Cintiq Pro 27」(実勢価格:48万1800円 ※スタンド別売り)
26.9インチの大型液晶ペンタブレットで、アスペクト比は16:9。リフレッシュレートは120Hzに対応する。最大表示色は10億7000万色で、色域はDCI-P3が98%、Adobe RGBカバー率が99%、コントラスト比は1000:1。OS要件はWindows 10以降またはmacOS 10.15以降。
▲ショートカット操作を割り当てられる「ExpressKey」は、本体側面から背面にかけて配置。従来より立体的になった
▲本体側面には1/4インチのねじ穴を複数備えており、ペントレイやキーボード、資料を置ける拡張テーブルを装着可能
▲付属の「Wacom Pro Pen 3」は、パーツを組み合わせて使いやすくカスタマイズ可能。最も細くすれば、鉛筆デッサンのような書き方もできる
<文/折原一也 井上 晃>
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