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トラッカースタイルが胸アツ!実は街乗りも快適なインディアン「FTR」

&GP / 2023年2月26日 7時0分

トラッカースタイルが胸アツ!実は街乗りも快適なインディアン「FTR」

トラッカースタイルが胸アツ!実は街乗りも快適なインディアン「FTR」

1990年代後半から2000年代頃に巻き起こった“トラッカーブーム”。アメリカで人気ダートトラック(フラットトラック)レースを走るマシンを思わせるカスタムを施した「TW200」や「FTR」がストリートにあふれていました。

当時の盛り上がりを知る人は、トラッカースタイルの現行車が少ないことに寂しさを感じているかもしれません。そんな人におすすめしたいのがインディアンモーターサイクルの「FTR」。本場アメリカ生まれのトラッカースタイルに仕上がったストリートマシンです。

 

■フラットトラックレーサーのスタイルを再現

インディアンモーターサイクルは、かつてはハーレーダビッドソンと並び称されるほどの存在感を持っていたアメリカンブランド。1950年代に一度は生産を停止していましたが、2010年代になって復活し、近年はアメリカらしいマッスル感のあるモデルを意欲的にリリースしています。

「FTR」のデザインは、まさに正統派のトラッカースタイル。“フラットトラックレーサー”の頭文字を表す車名からも、その出自が感じられます。本場アメリカのフラットトラックレースでは、鉄フレームにVツインエンジンを搭載したマシンが活躍していますが、そのスタイルを忠実に再現。それもそのはず、「FTR」は実際のフラットトラックレースでも優勝経験のあるレーシングマシン「FTR750」をベースに開発されているのです。

タンクやシートの形状はオーセンティックなトラッカースタイルですが、フレームはパイプを複雑に組み合わせた鋼管トレリスタイプ。搭載されるエンジンは1203ccのVツインですが、水冷となっており123PSを発揮します。

マフラーは迫力ある2本出し。しかも純正でアクラポビッチ製となっていて、カスタムマシンのような雰囲気です。

トラッカースタイルですが、足回りは前後17インチホイールを採用し(以前はフロント19、リア18インチのモデルもありました)、ロード向けのタイヤを装着。フロントにはフルアジャスタブルの倒立フォークが装備されていて、ブレーキもブレンボ製とロード向けのセットアップです。

リアのサスペンションは、本体を寝かせたピギーバッグタイプ。もちろんフルアジャスタブルとなっています。

ライトはコンパクトなLEDで、トラッカーらしく幅広のハンドルとの組み合わせが、かつてのカスタムマシンを思わせます。ライトが薄型になっている点も、トラッカースタイルを際立たせています。

 

■トラッカーらしい軽快感のあるハンドリング

シート高は780mmありますが、またがってみると車体が予想外にスリムなこともあって、足つき性に不安はありません。車重も219kgと1200ccクラスのマシンとしては、あまり重くないことも効いているようです。

エンジンをかけるとVツインらしい歯切れの良い排気音が耳に届きますが、大排気量の2気筒にも関わらず不快な振動は感じられません。クラッチをつないで走り出してもパワーの出方が穏やかで非常に扱いやすい。レーサーをベースとした1200ccのバイクという素性から想像される過激さやピーキーさはなく、アップライトなライディングポジションもあって街乗りも快適にこなせるマシンに仕上がっています。

足回りの路面追従性も高く、ハイグリップな17インチタイヤを履いていることもあり、タイヤがしっかり路面を捉えていることが感じられます。左右にバンクさせる操作も軽快で、タイトなコーナーや細かい切り返しでも重さを感じることはありません。排気量こそ大きいですが、よくできたストリートバイクという印象です。

ただ、走行モードを「スポーツ」に切り替えると、印象は一変します。排気音はさらに迫力を増し、アクセル操作に対するレスポンスも敏感に。そして少し大きめにアクセルを開けると、大排気量のVツインらしい弾けるようなトルク感で路面を蹴飛ばし、車体が一気に加速します。クローズドコースでないとおいそれとアクセルを全開にできないような過激さ。これが、このマシンの本領なのだと感じるとともに、極太のリアタイヤを履いている理由がわかった気がしました。

とはいえ、素直な操作性と足回りの安心感は変わらず。特にブレンボ製のキャリパーとマスターシリンダーを採用したブレーキのコントロール性が秀逸なので、安心して速度をコントロールできます。

トラッカースタイルのデザインと扱いやすい特性を活かして街乗りを楽しみ、たまに走行モードを「スポーツ」に入れて過激な本性を味わう。贅沢な二面性を楽しめるマシンといえます。ツーリングに出かけてもアップライトな乗車姿勢で長時間のライドも苦にならなそう。トラッカーブームの頃にバイクに乗り始めた人には、ぜひ味わってほしい1台です。ネックは200万円を軽く超える価格くらいでしょうか…。

<SPEC>
サイズ:2223×830×1295mm
車両重量:219kg
エンジン:1203cc水冷V型2気筒
最高出力:123PS
最大トルク:118Nm
価格:248万8000円

>> インディアン「FTR」

 

<取材・文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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