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折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」は期待以上に便利! Google純正アプリは大画面に最適化

&GP / 2023年6月27日 6時0分

折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」は期待以上に便利! Google純正アプリは大画面に最適化

折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」は期待以上に便利! Google純正アプリは大画面に最適化

グーグル初の折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」の予約受付が始りました。Googleストアでは7月下旬発売で、価格は25万3000円。ドコモ、au、ソフトバンクも取り扱い、発売日と価格はそれぞれ下記のように案内されています。

<ドコモ>
7月下旬以降発売
25万2890円(「いつでもカエドキプログラム」利用時の実質負担金は14万9930円)

<au>
7月下旬発売
28万6080円(「スマホトクするプログラム」利用時の実質負担金は15万4620円)

<ソフトバンク>
7月31日発売
28万7280円(「新トクするサポート」利用時の実質負担金は14万3640円)

発売まで、もう少し待たなければなりませんが、筆者はグーグルから端末を借り、一足早く使ってみる機会を得ました。率直な使用感をお伝えします。

 

■手にしただけで所有欲をくすぐられるかも…

Pixel Foldは折りたたんだ状態では5.8インチ、開くと7.6インチの広いディスプレイを利用できます。

▲折りたたみ時は5.8インチのディスプレイで、フツーのスマホのように使える

▲開くと7.6インチの大画面ディスプレイが現れる

閉じた状態は、やや幅太のスマホといった印象。それでも横幅は79.5mmに抑えられているので、片手でしっかりつかめます。ちなみに、Pixelシリーズで最も画面が大きい「Google Pixel 7 Pro」の横幅は76.6mmで、「iPhone 14 Pro Max」は77.6mmなので、それらよりも若干幅広い程度です。

▲左が6.1インチ画面のGoogle Pixel 7aで、右がGoogle Pixel Fold。閉じた状態の大きさは標準的なスマホと大差はない

閉じた状態で使う外側のディスプレイは「Corning Gorilla Glass Victus」という強化ガラスで保護されています。

背面にも同じガラスを使いつつ、マット仕上げでサラサラとした手触り。なお、フレームやカメラバーにはアルミニウムを用い、光沢仕上げになっています。

▲背面パネルにも「Corning Gorilla Glass Victus」を使い、指紋が付着しにくいマットな仕上げになっている。カラバリは、この「Obsidian」と白系の「Porcelain」から選べる

ヒンジはステンレス製で鏡面仕上げ。しっとりと手に馴染む感覚があり、されど指紋が付きにくい、高級感が感じられる仕上がりです。重さは283gあり、スマホとしては重いのですが、ハイエンドの重厚感として好意的に捉えることができます。

▲ステンレス スチールのヒンジは美しさと堅牢性を兼ね備える

右側面に電源ボタンと音量ボタンを配置。電源ボタンには指紋センサーが搭載されています。前面カメラによる顔認証も可能で、顔認証のほうがスピーディにロック解除できます。

▲右側面の電源ボタンと音量ボタンは、折りたたみ時も開いた時も同じように使える

上部にはスピーカーとマイク。下部にもスピーカーとマイクがあり、SIMスロットとUSBケーブルの接続口を備えています。

▲上部にはスピーカーとマイクを搭載。内蔵スピーカーはステレオで、音質も満足できるレベル

▲下部にスピーカーとマイク、さらにSIMスロットとUSB Type-Cポートを搭載

▲nanoSIMは1枚しか装着できないが、eSIMを追加して、2回線を併用することも可能

 

■閉じた状態ではフツーのスマホとして使える

Pixel Foldは普段は折りたたんで持ち歩き、基本的な操作もこのスタイルで行うことになるでしょう。折りたたみ時のサイズは139.7×79.5×12.1mm。一般的なスマホよりは大きく、世代によってはPDA(携帯情報端末)を思い出すかもしれません。

▲外側ディスプレイは5.8インチで、解像度は2092×1080。一般的なスマホよりも横幅はあるが、基本的な操作は片手でこなせなくもない

アプリを起動したり、かかってきた電話に応対したり、Webをスクロールしたりといった操作は片手でこなせますが、文字入力はギリギリという感じ。基本的には両手で操作したほうがよさそうです。

▲端末を落とさないためにも両手で持って操作したほうがよさそう

 

■開くとタブレットに近い使用感に

大画面を利用するには、本を開くように両手で開きます。やや硬めで、180度に開ききらない途中の角度でも固定できます。

▲本のような感覚で開ける

▲このように少し開いて卓上に立てて使うことも可能

開いた状態のサイズは139.7×158.7×5.8mm。タブレットと呼ぶには小さいですが、“大画面の薄い板” という印象。内側ディスプレイは7.6インチの有機ELで、解像度は2208×1840。外側ディスプレイと同じく、リフレッシュレートは最大120Hz。ただし、折り曲がる仕様のため、Gorilla Glassなどの強化ガラスは使えず、「保護プラスチック層を組み込んだ超薄型ガラス」を使っているとのこと。閉じた状態よりは強度が弱まるので、うっかり落としてしまったり、固い物を挟んで閉じてしまったりしないように注意が必要ですね。

▲開くとタブレットに近い感覚で利用できる

 

■多くのアプリが大画面に最適化

やはり最大のメリットは、広い画面を使えることに尽きます。そもそもホーム画面に多くのアイコンやウィジェットを表示できることが利点。下方向にスワイプするとクイック設定と通知パネルを同時に表示され、右方向にスワイプして表示するGoogleのニュース画面も2列で見やすく表示されます。

▲広いホーム画面を有効に使える

▲クイック設定と通知パネルを同時に表示できる

▲「設定」画面は2つの階層が表示される

Google純正のアプリは、あらかじめ広い画面に最適化されています。たとえば「Gmail」は左に受信メール一覧を表示して、選択したメールが右に展開されます。「マップ」は平面地図とストリートビューを同時に表示することが可能。

▲「Gmail」の画面例

▲「マップ」の画面例

▲「フォト」の画面例

▲天気のウィジェットをタップすると、このような詳細な情報が表示される

筆者がよく使うアプリを「Playストア」からインストールしてみたところ、フルスクリーンで表示されるものもいくつかありました。たとえば「TikTok」は、縦画面の動画を再生しつつ、コメント欄も表示できます。「Spotify」も多くの情報が表示され、選曲をしやすく感じられました。

▲「TikTok」はコメント欄を展開しても、動画が隠れないのが◎

▲「Spotify」は楽曲の検索性が向上する印象

▲「Netflix」もフルスクリーン表示に対応

▲大画面で「Netflix」の映画を見る場合、映像が中央に表示され、下にメニューが表示される。ピンチ操作で映像をフルスクリーン表示にもできるが、その場合、映像の左右がトリミングされてしまう

なお、Pixel Foldの内側ディスプレイでの表示に最適化されていないアプリは、左右に黒い部分が表示されます。しかし、横開きではなく縦に開いたように向きを変えるとフルスクリーンに表示されました。

▲ちなみに、フルスクリーン表示に対応していないアプリは、このように表示される

▲しかし、端末を横向きにすると、このように通常のスマホ画面を横に広げたような表示になる

画面を分割して、ふたつのアプリを同時に使えることも利点。画面を分割する方法は複数ありますが、画面の下にタスクバーを表示させて、そこから使いたいアプリをドラッグするのが最も簡単だと思われます。

▲画面下から上方向に少しだけスワイプするとタスクバーが表示される。ここから使いたいアプリをドラッグすると、画面を分割できる

 

■高画質カメラは、固定して撮影できるのも便利

背面カメラは3眼。メイン(48メガピクセル/F値1.7)+超広角(10.8メガピクセル/F値2.2)+望遠(10.8メガピクセル/F値3.05)という構成。望遠は光学5倍で、超解像ズームは最大20倍で撮影できます。

▲背面カメラは、左から超広角、メイン(広角)、望遠の順に並ぶ

撮影画質は、従来のPixel譲りといった印象。風景も人物も食べ物も夜景もきれいに撮れるので、撮影が楽しくなること請け合いです。

▲超広角(0.6×)で撮影

▲メイン(1×)で撮影

▲2倍(2×)で撮影

▲5倍(5×)で撮影

▲20倍(20×)で撮影しても、かなり鮮明に写る

▲屋内で撮影。料理も美味しそうに撮れる

▲夜景モードは、鮮明かつエモーショナルな雰囲気に

折りたたみの形状を生かして、三脚がなくても固定して撮影できることも利点。「デスクトップモード」と呼び、上半分にプレビューが表示され、下半分が操作パネルになります。Pixel Foldのカメラには「長時間露光」モードもあるので、星空を撮影する際などに重宝しそうです。

▲途中まで開いた状態でカメラを起動すると、下半分に操作パネルが表示される

閉じた状態で使える前面カメラは9.5メガピクセル(F値2.2)、開いた状態で使う内側カメラは8メガピクセル(F値2.0)。ただし、Pixel Foldは開いた状態で背面カメラで自分撮りをすることが可能。前面カメラと内側カメラはビデオ通話用と捉えたほうがいいでしょう。

▲高画素の背面カメラで自撮りができることも利点

 

■パフォーマンスも電池持ちにも満足

プロセッサーは、Google Pixel 7シリーズやGoogle Pixel Tabletと同じ「Google Tensor G2」。RAMは12GB RAMで、ROMは256GB。筆者はまだ数日しか使っていませんが、今のところ、アプリの起動や切り替えでもたつくこともなく、快適に操作できています。

バッテリー容量は4821mAh(標準)で、標準的な使い方で24時間以上の連続駆動を見込めるとのこと。筆者が実際に使った範囲では「1日は余裕で持つが、2日持たせるのは厳しいかも」という印象でした。ワイヤレス充電にも対応しています。

▲「バッテリーセーバー」をオンにすると節電でき、「スーパーバッテリーセーバー」にすると最長72時間使い続けられる

 

■大画面と携帯性のどちらも求める人に

折りたたみスマホは先進的かつ多機能で、使いこなしが難しいと思う人もいるのでは。しかし、Google Pixel Foldは、折りたたみ時はフツーのスマホと同じように使えて、開いても、操作が難しくなるわけではなく、ただ画面が大きくなって、便利に使えます。動画を見たり、電子書籍を読んだりすることが多い人にはもってこいのデバイスです。

▲「YouTube」は、このように上半分に動画が表示される。8月中には、下半分に操作パネルが表示される、新しい「デスクトップモード」にアップデートされる予定

▲「Kindle」アプリも使ってみた。電子書籍との相性も良さそうだ

通訳機のように使えたり、受信したメッセージを自動で翻訳したりできる「リアルタイム翻訳」も使えます。Android 14がリリースされるタイミングで、外側のディスプレイと内側のディスプレイを同時に使う、デュアルスクリーンでの通訳モードが使えるようになる見通し。外国人と話す際に、Pixel Foldを開いて持てば、それぞれの言語に翻訳された文章が表示される仕掛けです。

▲Pixelシリーズの人気機能「リアルタイム翻訳」も搭載。次期アップデートでさらに便利になる予定

グーグル純正のスマホなので、OSがアップデートするたびに機能が追加され、使い勝手が進化することも期待できそうです。価格は高めですが、「画面は大きいほうがいいが、持ち歩くにはコンパクトなほうがいい」というジレンマを感じていた人は検討する価値アリ。実際に手にすると欲しくなること請け合いです。

>> Googleストア

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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