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iPhoneからの乗り換えもアリ!? スケルトンスマホの2世代目「Nothing Phone(2)」を使ってみた

&GP / 2023年7月17日 19時0分

iPhoneからの乗り換えもアリ!? スケルトンスマホの2世代目「Nothing Phone(2)」を使ってみた

iPhoneからの乗り換えもアリ!? スケルトンスマホの2世代目「Nothing Phone(2)」を使ってみた

イギリス・ロンドンに拠点を置く新進のデジタル機器メーカー、Nothing Technologyが、2世代目のスマートフォン「Nothing Phone(2)」を発表しました。日本では7月25日に発売されます。メモリとストレージの容量が異なる3モデルが用意され、価格は8GB+128GBが7万9800円、12GB+256GBが9万9800円、12GB+512GBが10万9800円となっています。発売に先駆けて使ってみる機会を得たので、実際の使用感を交えて紹介します。

 

■最大の特徴 “光る背面パネル” が進化

Nothing Phone(2)は、昨年リリースされた話題となった「Nothing Phone(1)」の後継モデル。背面がスケルトン調で、そこに仕込まれたライトが光る斬新なデザインはそのまま継承されています。

▲6.7インチの有機ELディスプレイを搭載。ベゼルが細く、フロントカメラは中央に配置したシンメトリーのデザインも魅力

▲背面には白色LEDが搭載され、着信時や充電時などに光る

▲手前がPhone(2)、後方がPhone(1)。Phone(2)はエッジが曲面のカーブガラスを採用し、手に馴染みやすくなった

されど、前モデルと並べて比べてみると、LEDライトの配置は微妙に変わっています。より細かいセグメントに分かれ、より多くの点滅パターンを表示できるようになっています。

▲左がPhone(1)、右がPhone(2)。LEDのセグメントが変更され、光り方のバリエーションが増えた

あらかじめ20種類の着信音がプリセットされていて、音によって点滅パターンが異なります。個別の連絡先を設定して、マナーモードにしていて裏向きにしていても、光だけで誰からの着信かがわかる趣向。それだけでも十分に役立つのですが、Phone(2)には、新たに「Glyph Composer」というアプリが追加されました。

▲背面ライトの機能は「Glyph Interface」と呼び、設定画面でカスタマイズ可能。連絡先によって着信音を変えて、ライトの点滅パターンを変えることも可能

 

■音と光を自分でカスタマイズ

「Glyph Composer」はオリジナルの着信音を作成できるアプリ。音に連動して光り方も変わります。ドレミ音階のキーボードではなく、ドラムパッドのような画面をタップして作曲する仕組み。音楽センスが問われるかと思いきや、遊んでいる感覚でいい感じのメロディーができたりしました。

▲新機能「Glyph Composer」で自分好みの着信音を作成可能。普段マナーモードで使う人は、メロディーではなく点滅パターンを優先して作曲するのがおすすめ

背面のライトは他の用途にも使えます。充電時には充電の進捗がわかります。タイマーを設定して、時間の経過が直感的にわかる機能も追加されました。特定のアプリや連絡先からの通知だけがわかる「Essential通知」という機能も追加。スマホの画面が見えないように裏向きに置いても、大切な情報だけはキャッチできるというわけです。

▲充電の進捗もライトだけでわかる

▲タイマーの設定画面

▲タイマー設定時はこの部分だけ点灯し、時間経過につれて光る部分が短くなり、時間に達すると音が鳴って点滅する

▲音量調整時に光る機能や、特定のアプリの通知を設定できる「Essential通知」も追加された

さらに、サードパーティーのアプリにも対応。筆者はまだ試していませんが、例えば「Uber Eats」で注文した際に、商品の到達状況がライトでわかるそう。今後、対応アプリが増えることも期待できるでしょう。

 

■使う楽しさが増す新しいホーム画面

Nothing Phoneは、Androidをベースにした「Nothing OS」という独自OSを採用。一般的なAndroid端末とは異なる画面デザインや操作性にカスタマイズされているわけです。Phone(2)では、OSのバーションが「Nothing OS 2.0」になり、画面のかっこよさも格段に向上しています。

▲左がPhone(1)、右がPhone(2)

▲一部のプリインアプリの画面デザインもスタイリッシュ

まず、ホーム画面のアイコンをモノクロで表示できるようになりました。プリセットされているアプリではGoogleの「デバイスを探す」アプリを除いて、全てがモノクロに。自分で追加したアプリのアイコンのほとんどは本来の色で表示されますが、「Twitter」「LinkdIn」などモノクロ化するアプリもありました。

▲Phone(2)のホーム画面(左)とアプリ一覧画面(右)。ほとんどのアイコンをモノクロ表示にできる

▲「Playストア」からインストールしたアプリの多くは本来のカラー表示となる。ホーム画面のトップページはモノクロにして、カラーのアイコンは2ページ以降に表示するようにしたら、すっきりするだろう

豊富なウィジェットでホーム画面をカスタマイズできるのも魅力。細かく比較したわけではないですが、Nothing独自のウィジェットもバリエーションも増えたようで、モノクロ調のホーム画面を生かすカスタマイズを楽しめます。

▲Nothing独自のウィジェットで、ホーム画面を見栄えよくカスタマイズできる

 

■基本性能も着実にアップデート

パフォーマンスやカメラ、バッテリーライフなどの基本性能もPhone(1)からアップデートされています。

プロセッサーにはハイエンド向けの「Snapdragon 8+ Gen1」を採用。前モデルはミッドレンジ向けの「Snapdragon 778G+」で、それでもストレスなく操作できましたが、Phone(2)ではグラフィックに凝ったゲームやマルチタスク作業もスムーズに行えること請け合い。

▲「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定したところ、ハイエンド機らしい高スコアを記録した

リアカメラは、前モデルと同じメイン(50メガピクセル/F1.88)+超広角(50メガピクセル/F2.2)のデュアルカメラ。ただし、メインカメラのイメージセンサーがソニー製の「IMX766」から新しい「IMX890」に置き換わり、さらに、ソフトウェアの進化によって、画質の向上も図られているのこと。実際に撮影してみると、コントラストが強めで、鮮やかな色で写るように感じました。

▲超広角(0.6×)で撮影

▲メイン=広角(1×)で撮影

▲望遠カメラは搭載していないが最大10倍のデジタルズームが可能。これは2倍(2×)で撮った作例

▲ごちゃごちゃした状況もバランスのよいコントラストで写った

▲夜景は、かなり見栄えよく写る印象

▲被写体に近づくと、ナチュラルな背景ボケを得られる

動画は最大4K/60fpsで撮影可能。新たに、動く被写体に適した「Action Mode」が追加されました。筆者は1080pでの撮影しか試していませんが、静止画と同じように鮮やかな色で撮影できました。

▲動画撮影の設定画面。「HDR」と「モーションモード」に設定できるが、両モードは併用できない

フロントカメラは32メガピクセル/F2.45。前モデルの16メガピクセル/F2.45から進化し、画質の明るさが増した印象。背景をぼかしたり、肌のキメを補正したりもできるので、自撮りを楽しみたい人も満足できるでしょう。

バッテリー容量は、前モデルの4500mAhから4700mAhに微増。1日は余裕で使える容量で、筆者が試用した印象では、フツーの使い方なら2日は持つのではないかと感じました。前モデルよりも急速充電が速くなり、約55分でフル充電できるようになったことも魅力。ワイヤレス充電に対応し、Nothingのイヤホンなど、ワイヤレス充電に対応するデバイスに給電できる機能も備えています。

▲バッテリー寿命を長くする機能や、Qi対応の他のデバイスを充電できる「バッテリ共有」機能も搭載

セキュリティロックは指紋認証と顔認証に対応。内蔵スピーカーはステレオで、音質・音量ともに満足できるレベル。ただし、NFCは搭載していますが、おサイフケータイには非対応。防塵・防水の等級がIP54と低めであることには妥協する必要があります。

▲指紋センサーはディスプレイ内にある。認証はスピーディ

 

■iPhoneユーザーも検討の価値アリ

前モデルのNothing Phone(1)は、洗練されたデザインが支持されて、世界で80万台に達するヒットを記録したそう。Nothing Technologyによると「日本は上位5つのマーケットに入り、Phone(1)の購入者の50%以上がiPhoneからの乗り換えだった」とのこと。Phone(2)は、前モデルで評価されたデザインに磨きをかけて、パフォーマンスやカメラなどの基本性能を着実にバージョンアップさせた端末という印象です。Androidユーザーはもちろん、いまiPhoneを使っている人も、このデザインが気になるのであれば、お店で実機に触れてみることをおすすめします。

▲まだユーザーが少ないブランドなので、友人・知人から注目されること必至

▲カラバリはホワイトとグレーから選べる

>> Nothing

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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