“アメリカン”じゃなくて“クルーザー”!「レブル」「エリミネーター」で人気のクルーザーモデル4車種を試乗比較
&GP / 2023年8月13日 7時0分
“アメリカン”じゃなくて“クルーザー”!「レブル」「エリミネーター」で人気のクルーザーモデル4車種を試乗比較
「レブル250」の大ヒットからバイク市場での注目度が高まっている“クルーザー”というジャンル。今年にはカワサキから「エリミネーター」が発売され、ジャンルとしての人気もさらに高まっています。過去には“アメリカン”と呼ばれ、ハーレーダビッドソンが代名詞的な存在となっていた時代もありましたが、現在は車種やスタイルの選択肢が増え、多くのライダーに親しまれる存在となりました。
クルーザーの大きな魅力はツーリングの快適性。ゆったりとしたライディングポジションで長距離を走っても疲れが少なく、景色を見ながら乗るのに最適のカテゴリーと言えます。シート高が低く、足付き性が良いので小柄な人でも乗りやすいことでも選ばれています。現行モデルは“アメリカン”と呼ばれていた時代に比べ、ライダーのファッションも限定されなくなっているのも、人気の理由でしょう。
このジャンルを盛り上げる立役者となったホンダの「レブル250」から、カワサキ「エリミネーター」、そのライバルとなりそうなロイヤルエンフィールドの「メテオ350」、そして大型の「スーパーメテオ650」を試乗したうえで比較してみました。
■5年連続販売台数首位のホンダ「レブル250」
2017年に登場し、2018年から2022年まで5年連続で250ccクラスで販売台数トップを記録している人気モデル。登場時には、それほど注目度の高いモデルではありませんでしたが、SNSを通した口コミで人気が高まり、今ではこのマシンに乗りたいがために免許を取得するという人もいるくらいの人気モデルに成長しました。
▲Sエディション
支持を集めている理由は、シリーズモデル以外に似たものがないスタイルと、690mmというシート高の低さ。そして、シンプルな車体構成ながら、乗ってみるとバンク角も深くワインディングも積極的に楽しめる性能を秘めていることでしょう。また、登場時は税抜きで49万8000円と50万円を切る設定とされていたのも、若いライダーに支持された理由でしょうか。
2019年からはABSを装備したことなどによって価格は上昇し、現行モデルは61万500円となっていますが人気は健在。ビキニカウルやフォークブーツなどを装備した「Sエディション」(64万9000円)も人気です。車検のない250ccクラスでクルーザーモデルを選ぼうとすると、ライバルのいない状況が続いています。
■400ccクラスに登場した新星・カワサキ「エリミネーター」
今年4月に発売され、早くも人気モデルとなっているのがカワサキの「エリミネーター」。過去に存在した同名のモデル(当時はクルーザーではなく、ドラッグレーサースタイルのモデルでした)を復活させたカタチですが、過去モデルほど押し出しの強いスタイルではなく、シンプルな仕上がりとなっています。
エンジンは同社のスポーツマシン「Ninja 400」と同じ2気筒で、最高出力は48PS。実際に乗ってみると400ccらしい力強い加速感が味わえ、高速巡航も余裕を持ってこなせます。バンク角も深く、車体を倒し込む操作も軽快なので、ワインディングでもかなりのペースを維持できるのが魅力でしょう。
「エリミネーター」のスタンダードモデルは75万9000円。ビキニカウルやフォークブーツ、前後カメラ付きのドライブレコーダーなどを標準装備する「エリミネーター SE」は85万8000円となっています。シート高は735mmで、このクラスとしては足付き性はかなり良い方です。
■空冷単気筒エンジンのロイヤルエンフィールド「メテオ350」
輸入モデルになりますが、400ccクラスの選択肢となるのがロイヤルエンフィールドの「メテオ350」。近年、人気が高まっている空冷単気筒のエンジンを搭載しているのが特徴で、ホンダの「GB350」のライバルとしても知られています。
最高出力は20.2PSと、同じクラスの「エリミネーター」とはかなりの差。排気量の小さい「レブル250」の26PSと比べても見劣りする数値ですが、トルクフルな特性なので単気筒らしい鼓動感を感じながら走るのが気持ちいいマシンです。シート高は765mmと、今回紹介するモデルの中では高めですが、1901年創業という歴史を感じさせるクラシカルなデザインに惹かれる人は多いでしょう。
税込みで71万600円〜(カラーにより異なる)という価格も魅力のひとつ。大型のウィンドスクリーンなどツーリング向けの装備を備えた「Supernova」と呼ばれるグレードは、74万3600円となっています。
■空冷2気筒エンジンを積むロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」
ロイヤルエンフィールドの最新モデルが、648ccの空冷2気筒エンジンを搭載したクルーザー「スーパーメテオ650」です。今回紹介するモデルの中では、唯一大型二輪免許が必要となりますが、今年のモーターサイクルショーでお披露目された注目度の高いマシンで、クラシカルなデザインと余裕のある動力性能が魅力です。
最高出力は47PSと、クラシカルな見た目ながら十分なもの。実際に乗ってみたところ、排気音は空冷エンジンらしいパルス感のあるものですが、回転フィーリングは非常に滑らかで、知らなければ水冷エンジンかと思ってしまうスムーズさ。高速道路でも余裕のある巡航が可能で、バンク角も確保されているためワインディングもハイペースで走れます。
大型クラスに属するだけあり、価格は97万9000円〜とほかのモデルに比べると高価になりますが、フロントフォークが倒立式のショーワ製SFF-BPと装備も豪華。1000ccクラスのクルーザーと比べるとかなり買いやすい価格となっているので、余裕をもってツーリングを楽しみたいライダーには注目の選択肢でしょう。
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
【関連記事】
◆カワサキ「エリミネーター」は気軽に乗れる親しみやすさとバイクを操る奥深さを感じられるマシンでした
◆ハンターカブ、クロスカブ110、スーパーカブ110はどう違う?どれがお得?
◆ロイヤルエンフィールドの空冷単気筒350ccモデル「メテオ」「クラシック」「ハンター」はどう違う?
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