iPadのUSB-Cってどんな仕様だっけ? 新iPhoneのUSB-Cに見合うiPadをチェック|iPad Hacks
&GP / 2023年9月17日 19時0分
iPadのUSB-Cってどんな仕様だっけ? 新iPhoneのUSB-Cに見合うiPadをチェック|iPad Hacks
【iPad Hacks_49】
Appleが発表した「iPhone 15」では、新たにUSB-Cコネクタが採用されたものの、「iPhone 15」と「iPhone 15 Pro」ではデータ転送速度に大きな差があることが話題に。
そういえば、先行してUSB-Cコネクタを搭載していた「iPad」シリーズでは、USB-Cコネクタの仕様が、どのようになっていたのでしょうか?
本稿では改めてUSB-Cコネクタの概要をおさらいしたうえで、現行のiPadのラインナップについて、USB-Cコネクタの仕様をチェックしていきます。
■そもそもUSB-Cコネクタとは
「USB Type-C」は、iPhoneシリーズでこそ新搭載が話題になっていますが、決して新しい存在ではありません。そもそもは「USB 3.0 Promoter Group」が2014年に規格化した規格であり、2023年現在では、PCやタブレット、スマートフォンなど、多くの機器で一般的に採用されている端子です。コネクタの形状は、楕円形になっており、上下の向きを意識せずに抜き差しできることが特徴。なお、Appleでは、これを「USB-C」と表記しますが、先述した「USB Type-C」と同義です。
そして「USB」では、“お馴染み”といっても過言ではない注意点があります。それは、コネクタが形状が同じでも、規格の世代によってデータ転送速度や外部モニターへの映像出力機能の有無、給電時の出力などが異なるということ。特に、USB-Cとしてカバーしている規格の世代はかなり幅広く、名称も複雑。インテル社が開発した高速データ転送規格である「Thunderbolt(サンダーボルト)」も混在します。暗記しようとするのは現実的ではありません。
ちなみにデータ転送速度については、主に以下のような規格があります。
▲USB Type-Cの主要な規格と、最大のデータ転送速度
■iPhone 15/15 ProのUSB-Cの違い
話題のiPhone 15シリーズで搭載されたUSB-Cコネクタがどうなったか。
「iPhone 15/iPhone 15 Plus」は、UBS-Cを搭載したものの、仕様はUSB 2(USB 2.0)で、データ転送速度は最大480Mbpsでした。
従来のiPhoneシリーズで採用されていたLightningコネクタが、USB 2対応で最大480Mbpsだったたので、コネクタの形状は変われど、データ転送に関する使用感は変わり映えしません。
一方、「iPhone 15 Pro/Pro Max」は、USB 3(USB 3.2 Gen 2)を搭載し、データ転送速度は最大10Gbpsをサポートしました。データ転送速度がLightningコネクタの20倍にUPしたことになるので、iPhoneで撮影した動画のデータをMacやPCへ移動させやすくなっています。
▲iPhone 15シリーズのUSB-Cコネクタが対応する伝送速度の目安
■iPadシリーズのUSB-Cコネクタの仕様をチェック
さて、9月のApple EventではiPadシリーズの発表はありませんでしたが、改めてコネクタ周りの仕様についておさらいしていきましょう。
iPadシリーズも22年秋に発売された「iPad(第10世代)」がUSB-Cポートをサポートしたことで、一部併売されている旧世代モデルを除き、ラインナップのすべてがUSB-Cポートを搭載したモデルになっています。
各モデルが搭載するUSB-Cコネクタのデータ転送速度は、以下の通り。
・iPad(第10世代):USB 2.0(最大480Mbps)
・iPad mini(第6世代):USB 3.1 Gen 1(最大5Gbps)
・iPad Air(第5世代):USB 3.1 Gen 2(最大10Gbps)
・11インチiPad Pro(第4世代)/12.9インチiPad Pro(第6世代):Thunderbolt 3(最大40Gbps)、USB 4(最大40Gbps)、USB 3.1 Gen 2(最大10Gbps)
こうしてみると、iPhone 15/15 Plusと、iPad(第10世代)のデータ伝送速度が同等であることや、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxが、「M1」チップを搭載したiPad Airと同等であることなどが見えてきます。また、「M2」チップを搭載するiPad Proは、Thunderbolt 3やUSB 4をサポートしていて、 頭ひとつ抜きん出ていますね。
* * *
もし、iPhone 15で撮影した動画データをiPadで編集する場合、有線接続でのデータ転送を選択するならば、どのiPadでもデータ転送速度にそこまで差はないと言えそうです。むしろ多くの場合、AirDropを使った方が良いかもしれません。
▲iPadのUSB-Cコネクタが対応する伝送速度の主な目安
一方で、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxで撮影した動画を取り込むならば、iPad Air(またはiPad Pro)に、USB 3.1 Gen 2以降に対応したケーブルを使うことで、ポテンシャルを十分に活かせるだろうと予想できます。「iPhone 15 Proに合わせてiPadも検討するとしたら、まずiPad Airを」と覚えておきましょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X(Twitter)
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