BMWの王道セダン・5シリーズのピュアEV「i5」はクーペライクなプロポーションのインフォテイメント車!
&GP / 2023年10月21日 21時0分
BMWの王道セダン・5シリーズのピュアEV「i5」はクーペライクなプロポーションのインフォテイメント車!
BMWといえば、SUVのXシリーズとか、ミニバンのように使える2シリーズも日本では人気です。でも、王道はやっぱりセダン。
ドイツをはじめ欧州では売れ行き好調の5シリーズが、2023年にフルモデルチェンジ。日本でも7月に発売されました。
5シリーズの大きな特徴が、ドライブトレインの多様化。ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッド(PHV)、それにピュアEVと揃います(日本にはPHVは導入されません)。
皮切りは、ピュアEVの「i5」。続いてエンジン車が発売されます。このi5に、2023年9月終わり、ポルトガルのリスボンで試乗しました。
■サイズは先代より少し大きくクーペライクに
▲Mのオプションパッケージを選ぶとグリルのなかがブラックアウト
▲Mのオプションパッケージのリアビュー
i5には、後輪駆動の「i5 eDrive40」と、ツインモーターによる全輪駆動でよりスポーティな走りが好きな人向けの「i5 M60 xDrive」が用意されます。
感心するのは、先に触れたとおり4種類のドライブトレインといい、EVバージョンのバリエーションといい、数多くを用意できるBMWの開発能力と、展開能力です。
新しい5シリーズは、全長は97mm延長して5060mmに、全幅は32mm拡大して1900mmに、そして全高は36mm上がって1515mm(M60のみ1505mm)と、先代より大きくなっています。
▲グリルは大型化して夜間は輪郭がイルミネーションで光ります
その理由は、i5のために床下にプリズム型のリチウムイオンバッテリーを収納したので、車高が上がったため。
車高だけ上がってしまうと、いわゆるクロスオーバー車型になるので、セダンの流麗なスタイルこそ5シリーズに肝要とするBMWでは、美しいバランスを取るため、全長と全幅もそれなりに拡大したのです。
真横からみると、ボンネットは長めでリアは短め。BMWのデザイナーMにいわせると「クーペライク(クーペ的)」なプロポーションになっています。
同時に、ピラーは細く見えるようにデザインされ、それでエレガントな印象をかもしだしています。先代はザ・セダンという車型でしたが、8代目になる新型5シリーズは、見た目からして斬新です。
▲ウインドウグラフィクスはBMW伝統の輪郭を継承
■ドライビング以外を楽しむ車内デジタル技術の進化!
▲ダッシュボードにはイルミネーションバーがそなわり色が変化
▲写真は欧州仕様で日本仕様も独自のアプリを搭載予定
もうひとつ斬新なのは、車内のデジタル技術。車内のイルミネーションが、ドライブモードによって変わったり、いってみれば小技の効かせかたも上手なんですが、それ以上に、インフォテイメントの充実ぶりに力点が置かれています。
12.3インチモニターと14.9インチモニターを1枚の薄い板状に組み合わせた「カーブドディスプレイ」で画面を開くと、アプリのアイコンがずらりと並んでいます。
見たのが欧州だったので、ブンデスリーガ(ドイツ・サッカー)のビデオ専門のアプリもあれば、ゲームもいろいろ。
最大5人までが同時に使えるので、同乗者が自分のスマートデバイスでもって、対戦型ゲームを楽しむこともできるのです。
「ドライビング以外でも楽しめます」とはBMWの開発者の弁。これを試したのは、リスボンにBMWが設立したソフトウェア開発会社「クリティカルテックワークス」社内でした。
もっともっとアプリを充実させることで、BMWは楽しい、というイメージを若い世代にも持ってもらいたい、とユーザー・インタラクション担当者は語ってくれました。
日本法人であるBMWジャパンでも、日本で売る5シリーズには、日本で楽しめるコンテンツを順次増やしていきたいとしています。
▲i5 eDrive40(上写真)とi5 M50 xDrive(下写真)のダッシュボード
■エンジン車ユーザーが抵抗感なく乗り換えられる加速感
▲ボディサイズはひとまわり大きくなった新型5シリーズ。リアコンビネーションランプの形状にも先代のイメージが残る
肝腎の走りですが、BMW的という印象だったのに、私は感心しました。このところ、BMWが手がけているピュアEV、「i7」や「XM」でも感じていたことです。
EV的なフィーリングよりも、エンジン車のユーザーが抵抗感なく乗り換えて。そして「お、いいなあ」と思えるようなフィーリングを重視しているのだろうと思います。
アクセルペダルを踏んだとたんに、どんっと加速するというより、踏み始めは多少ゆっくりとぐーっとトルクが盛り上がっていく感じの加速感。これがなかなか気持ちよいのです。
もちろんスポーツモードを選べば、ものすごいと表現したくなるような加速感だし、オプションで「スポーツブースト」と「ローンチコントロール」を装着すれば、一押しでドンッと強大なトルクが発生します。これはEVならでは。
セダンという伝統的なかたちでありながら、 新しい時代ならではの技術を ふんだんに盛り込んだのが、i5なのであります。 価格は「i5 eDrive 40」(ExellenceとM Sportともに)が1045万3000円。「i5 M60
xDrive」が1622万8000円となっています。
▲スポーツブーストのレバーはオプション
▲シートはビーガンレザーと本革とオプションで選択可能
【Specifications】
i5 eDrive 40
全長×全幅×全高:5060×1900×1515mm
ホイールベース:2995mm
動力:モーター×1
駆動:後輪駆動
最高出力:250kW(最大)
最大トルク:430Nm(最大)
バッテリー総電力量:83.9kWh
一充電走行距離:500km(WLTC)
価格:1045.3万円
i5 M60 xDrive
全長×全幅×全高:5060×1900×1505mm
ホイールベース:2995mm
動力:モーター×2
駆動:全輪駆動
最高出力:442kW(最大)
最大トルク:820Nm(最大)
バッテリー総電力量:81.2kWh
一充電走行距離:455km(WLTC)
価格:1622.8万円
>> BMW i5
<文/小川フミオ、写真/BMW>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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