【試してみた】Facebookでも楽しめる360°カメラの選び方
&GP / 2016年9月16日 11時0分
【試してみた】Facebookでも楽しめる360°カメラの選び方
近頃、FacebookやYouTubeで、360°全天球映像をよく見かけるようになりました。指で画面をスワイプしたり、端末を傾けたりして、上から下までくるくるっと視点を変えられるのは面白いですよね。
実はこうした写真・動画は3~5万円台のカメラがあれば簡単に撮影できます。今回はSNS投稿に対応した一般向けモデルとして「THETA S」「insta360 nano」「Gear 360」の3機種をピックアップ。撮影方法&画質にフォーカスして、特徴を比較してみました。
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■使いやすさはピカイチ!「THETA S」
リコーが2015年に発売した全天球カメラ「THETA S」は、同シリーズの上位モデルです。2014年11月に発売された「THETA m15」の後継機にあたります。
電源を入れ、本体のシャッターボタンを押すだけで撮影できる手軽さが魅力。スマホから遠隔でシャッター操作も行えます。
RICOH THETA S、実勢価格は4万2800円(税込・9/15執筆時点、以下同)
シャッターボタンを押すだけで素早く撮影可能。片手で握れるサイズ感も好印象
スマホ(iPhone、Android)にダイレクトに接続。ライブビューでカメラの画像を確認して撮影できる
撮影した映像はスマホ(iOS、Android両対応)から確認します。
まずは、本体のWi-Fiスイッチをオンにし、スマホの設定からTHETAのアクセスポイントに接続。その後、専用アプリを起動すれば、カメラ内に保存されているデータをスマホに移せるという具合です。
編集用のアプリも用意されているので、フィルター適用やスタンプ・文字の挿入も容易に行えます。
「RICOH THETA S」>> https://theta360.com/ja/about/theta/s.html
■煩雑なWi-Fi接続がいらない「insta360 nano」
2機種目は、中国のShenzhen Arashi Vision Co.,Ltd.という企業が開発した「insta360 nano」です。国内では、2016年夏に登場し、「サンコーレアモノショップ」などで取り扱っています。
Insta360 nano、2万6800 円。ロゴマークのボタンが電源とシャッターボタンを兼ねる
LightningプラグでiPhoneと接続する。給電はされないので注意
専用アプリを起動すると、iPhoneの画面が上下逆さまになる。カメラの映像を確認しながら撮影可能。今回紹介する3機種中、唯一カメラ三脚が使えない
特徴は、LightningプラグでiPhoneに直接挿入して利用すること。煩雑なWi-FiやBluetoothの接続設定が不要なため、撮りたいときにすぐに撮影できます。iPhoneに接続し、専用アプリを起動するだけで準備完了。Androidには対応していません。また、遠隔操作にも非対応です。
カメラのみでも撮影は可能。本体のスイッチを短く1度押すと静止画、2度押すと動画を撮影します。撮影したデータはiPhone接続時に確認できます。
サンコーレアモノショップ「insta360 nano」>> http://www.thanko.jp/shopdetail/000000002654/
■三脚が付属している「Gear 360」
3機種目はサムスン電子が2016年7月に発売した「Gear 360」。カメラ本体が球状になっていて、大きさはテニスボールくらい。3脚が付属しており、これを折りたたむと手持ちで撮影できます。
Gear 360、4万5041円。三脚が同梱されている
本体上部のボタンを押すとタイマー撮影のカウントダウンが始まる
三脚をたたむと手持ちで撮影できる
Galaxyのスマホとペアリングすれば、ライブビューで撮影できる
シャッターボタンは本体頂点についているため、ボタンを押すと数秒のカウントダウンがあり、タイマーでシャッターが切れる仕組みになっています。また、Galaxyシリーズのスマホとペアリングすることで、リモート操作も行えます。
PC用の編集ソフトも提供されています。Galaxyスマホを持っていない場合も、データをPC経由で編集したり共有できるというわけです。
■画質は「Gear 360」の圧勝
3機種で撮影した画像を比べてみました。今回は精細さの違いを見るために、事務所内の机に立てたGoodsPressの表紙を、1mぴったりの距離から撮影しています。なお、カメラの設定はオートモードを選択しました。
各カメラで撮影した画像をスマホ画面に表示し、キャプチャーしたもの。明るさやホワイトバランスではGear 360が秀でている
各画像に写るGoodsPress表紙を拡大すると、精細さの違いがよくわかります。
被写体部分を拡大したもの。精細さはGear 360>THETA S>insta360 nanoの順となった
■総合的な使いやすさは「THETA S」がややリードか
カメラ単独で撮影する場合、筆者が最も使いやすいと感じたのは「THETA S」でした。大きくて押しやすいシャッターボタンが付いているため、何十枚でもパシャパシャと撮影できました。独特のシャッター音がなるので、いつシャッター押せたのか分かりやすいこともポイントです。
機種のサイズはほとんど同じ。Gear 360のみ球状だ
「insta360 nano」では、単独利用でシャッターを押す際に、音が鳴りません。「いま押せたのかな?」と不安になることも。また、ボタンを押してから若干のタイムラグがあるのか、他の2機種に比べると写真がぶれやすいと感じました。iPhoneに挿して使った方が圧倒的に使いやすい。
「Gear 360」は、頂点を押すという構造上、素早い撮影に適していません。例えばここぞというときに写真を撮りたくても、「シャッターボタンを押す→カメラ構える→数秒待つ」という動作に時間がかかります。この点では「カメラを構える→ボタンを押す」だけの「THETA S」に分があります。また、球状のボディにも持ち運びしづらいというデメリットがあります。
ただし、カメラ三脚が同梱されていることと、ペアリングが容易にできることは好印象。机の上に置いて、スマホで確認しながらゆっくりベストショットを狙うには最適です。
<機種選びの参考ポイントまとめ>
●カメラ単独で撮影しやすいのは → THETA S
●iPhoneで確認しながら撮影するなら → insta360 nano
●Galaxyユーザーまたは精細な画像にこだわるなら → Gear 360
それぞれの機種で長所・短所はあります。想定する使用用途に照らし合わせて、気になる機種があればチェックしてみてください。
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(文/井上 晃)
いのうえあきら/ライター
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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