簡単組み立てで話題のあのコットがワイド&耐荷重100kgになって大柄な人も満足!
&GP / 2023年10月14日 19時0分
簡単組み立てで話題のあのコットがワイド&耐荷重100kgになって大柄な人も満足!
【アウトドア銘品図鑑】
かつては力の弱い人が四苦八苦しながら組み立てなくてはならず、長らく覇権を取れずにいたコットですが、2010年代にレバーで脚を取り付ける軽量コットが誕生するやいなや瞬く間に取り入れるキャンパーが続出しました。とくに冬キャンプに取り入れると地面の冷たさ感じずにすむと感激必至。
現在もフレームの取り付けにレバーを使う構造が主流で、これがめちゃ楽なのですが、取り外しの際に急にくずれたような感じになってビクッとするのも事実。
これをなんとかしようと立ち上がったのが、キャプテンスタッグの「トレッカー イージーライトコット」。
ライバルたちとは異なるシステムのため初めて使うと戸惑いますが、慣れると超簡単だと評判のアレです。
2023年にはワイド&ロングサイズの「トレッカー イージーライトコット<ワイド>」(3万3000円)が登場し、その人気は止まることを知りません。サンプルを取り寄せ、その使用感を試してみました。
■幅も長さも10cm増えたのに重量は3kg以下
先行モデル「トレッカー イージーライトコット」からどう変わったのでしょうか。
まずおさらいですが、「トレッカー イージーライトコット」の収納サイズは15×15×53cmで重量2.6kg。組み立てサイズは64×182×H15cm。耐荷重は80kgです。
▲収納サイズ15×15×63cm、2.9kg
「トレッカー イージーライトコット」はサーマレスト「Zライト」(収納サイズ13×14×51cm)と似たサイズ感でしたが、ワイドと名付けられたプロダクトはさすがに幅が伸びた分だけ収納サイズも長くなっています。
とはいえ重量は300gアップに抑えられているのは優秀。
基本セットは「トレッカー イージーライトコット」と同じで、本体フレーム、脚フレーム、シート生地のみ。シート生地はオールブラックで、一部に小さなロゴが記されているシンプルなデザインです。
フレームもシート生地もブラックカラーがベースですが、脚フレームにはシルバーのパーツが使われています。これが「トレッカー イージーライトコット」シリーズの核です。
シート生地のスリーブは片側が閉じているので、そこに本体フレームを2本通してから脚フレームを取り付けます。
2本の本体フレーム間をつなぐ、シート生地と並行に伸びる部分は、ブラックとシルバーの2本のパイプで構成されています。
じつはシルバーのパイプは樹脂製ジョイントパーツの“受け”に引っかかっているだけで、少し下に押してから横に動かすと外れる仕組み。
シルバーのパイプがフリーになると、連動して脚フレームの両側(地面に対して垂直に立つ部分)の角度が変わるので、無理なく本体フレームに脚を引っかけられるんです。
あとはシルバーのパイプをもとの位置に戻すだけ。
撤収は反対の手順です。
レバー式のフレームは解除の仕方に戸惑いますが、こちらは同様にシルバーのパイプを軽く下に押し込むようにして開放するだけ。華奢に見えるパイプですが、恐れることはありませんし、説明書がなくても迷いません。
シート生地を地面に広げて組み立て・撤収するのがデフォルトなので、急に崩れ去るような怖さもなし。このイージーさがウケているんですね。
脚フレームは「トレッカー イージーライトコット」同様の4本。
バランスよく取り付けられていてしっかり体重を支えてくれます。
▲使用サイズ74×195×H15cm
10cmワイドになったおかげでずいぶんくつろげます。
世の中には幅80cm以上のコットもありますが、シェルターやテントに3台、4台並べた場合の圧迫感を考えると「トレッカー イージーライトコット<ワイド>」の幅74cmが現実的と言えます。
■抜群のハリで腰痛持ちにやさしい寝心地
特筆すべきはこのハリ。
腰が落ち込むなんてことはなく、この寝心地が好きな人は多いはず。ポリエステル素材なのでナイロンよりも伸びにくいのも好印象です。寝返りを打つ際のギシギシ音だって小さく、まず気になりません。
高さは15cmでテントの外で使う場合も芝生サイトなら問題なく使えます。ただ、手入れが滞った草地サイトの場合は埋もれるかも。
また、仕方ありませんが石が多い、地面の凹凸が深い場合はガタつきます。
「トレッカー イージーライトコット」との違いはサイズだけではありません。「トレッカー イージーライトコット<ワイド>」は耐荷重が100kgに!
「トレッカー イージーライトコット」より一気に20kg分もタフになり、大柄な人も安心して眠れるようになりました。これはうれしい進化です。
シート生地を広げて組み立てるので、シートの上で作業しないと生地が汚れてしまう心配あり。コットを横向き(地面に立てるようにする)にして作業すればシート生地は汚れませんが、指でシルバーのパイプを操作するには余計な力が必要です。
結局のところ、ローコットはテント内で使うものなので、テント内で組み立てることを想定しているのでしょう。
「トレッカー イージーライトコット<ワイド>」は高さを変えられないし、特別軽量というわけでもありません。
極めてシンプルに、“簡単組み立て・撤収”と“心地よいハリ”にこだわったコット。ごちゃごちゃした能書きは不要、むしろそれだけで勝負できるんだと再認識させてくれたプロダクトです。
>> キャプテンスタッグ
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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