「ジャパンモビリティショー2023」は電気自動車のオンパレード!海外勢と日本勢その動向は
&GP / 2023年10月29日 18時0分
「ジャパンモビリティショー2023」は電気自動車のオンパレード!海外勢と日本勢その動向は
近未来のクルマが勢揃い。東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー2023」が、10月26日から台場の東京ビッグサイトで開催されました。
ひとことで特徴をいうと、電気自動車のオンパレード。日本の自動車メーカー各社に加え、海外メーカーもさまざまなEVを展示しました。
なかでも注目に値するのは、海外勢が発売間近のモデルをいろいろ持ち込んだことでした。
■BMW、メルセデス、BYD、海外勢の注目モデル
▼BMW
BMWは、「X2」シリーズを世界初公開したのをはじめ、25年量産化予定の新世代BEVセダン「ノイエクラッセ」(プロトタイプ)や、水素で走るフューエルセルの「iX5」を並べました。
▲世界初公開のBMW「X2」(BEVのiX2も展示された)
▲水素で走るFCVのBMW「iX5」
▼メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは、24年発表予定という新型Gクラスというべき「EQG」(プロトタイプ)を展示。Gクラスもついに電動化です。4輪にひとつ駆動用モーターを設けて、その場で(戦車や重機のように)360度ターンが出来る機構もそなえています。
▲ミュンヘンの「IAAモビリティ」でひと足先に公開されたEQGコンセプトは次世代Gクラス
▼BYD
BYDは、24年春に日本導入するBEV(バッテリー駆動のピュアEV)セダン「シール」を並べました。
▲BYDが力を入れるスポーティなBEVセダン「シール」
またBYDは、「電座 Denza」ブランドで発表したピュアEVのプレミアムミニバン「D9 EV」と、2000万円を超えるハイパーSUV「仰望 Yangwang」ブランドの「U8」も参考出品。
とくに注目されていたのが、前評判の高かった「U8」。走行距離1000キロという電池性能もさることながら、4輪を個別にモーターで制御することで、3輪でも速度を落とさず走れるし、片側の車輪を逆回転させることで、EQGと同様に、360度ターンが出来るのです。
しかも、というか、U8は2023年1月に発表されて、すでに発売開始されているのです。価格は2000万円ですが、押出しの強い個性的なデザインとともに、来場者からは”欲しい!”という声がけっこう聞こえてきていました。
▲BYDの高級ライン「電座」の「D9 EV」は参考出品
▲BYDが発売した究極ともいえる電動SUV「仰望 U8」
■負けていられない日本勢のEV攻勢
日本勢も、負けていられないとばかり、EVをどっと送り出しました。
▼トヨタ
トヨタは、BEVのSUV「FT-3e」とGRブランドのスポーツタイプ「FT-Se」。「電動化、知能化を牽引する」(トヨタ自動車ホームページ)とされるレクサスはファストバックセダン「LF-ZC」の「LF-ZL」を展示。
▲トヨタが出展したSUVタイプのBEVコンセプトモデル「FT-3e」
▲スポーツタイプのトヨタ「FT-Se」コンセプト
トヨタ自動車は2026年に新世代のBEVを展開するとしていて、とくに今回のレクサスLF-ZCは、そのうちの1台とされています。
走行距離1000キロを目指すリチウムイオン電池と、テスラが先鞭をつけた生産技術「ギガキャスト」を採用。ここから日本の乗用車の新しい時代が始まるのかもしれません。
▲レクサスが2026年発売をめざすBEV「LF-ZC」コンセプト
▲レクサスのBEVフラグシップコンセプトの「LF-ZL」
もう1台、これは売れそう、と思わせられたのが、トヨタ車体の「ヴァルファイア・スペーシャスラウンジ(コンセプト)」。ヴェルファイアをベースに、2列めにベース車にはないフルフラットシートを設けた仕様が設定されています。
▲フルフラットシートの仕様も選べる、トヨタ車体の「ヴァルファイア・スペーシャスラウンジ(コンセプト)」
▼マツダ
これが現実になったらほしい! と話題を呼んでいた1台が、マツダがお披露目したスポーツカー「アイコニックSP(コンセプト)」。絶対的に美しいボディは、前ヒンジで上にはね上がる、いわゆるディヒドラルドア採用。ドライブトレインは、ローターエンジンを充電用に使うシリーズハイブリッドとされています。
▲マツダのシリーズハイブリッドスポーツ「アイコニックSPコンセプト」は発売が待たれる
▼スバル
スバルのブースで話題を呼んでいたのは、世界初公開「エアモビリティコンセプト」。いわゆる空飛ぶクルマを研究しているスバル、今回はショー展示用で、飛ばないモデル。
社内には、ほぼ同じスケールで技術実証機として仕立てた機体があり、実際に飛行させているとのこと。
▲スバルは「スポーツモビリティコンセプト」、その頭上に「エアモビリティコンセプト」
▼日産
日産自動車は、次期GT-Rか、と話題を呼んでいる「ハイパーフォース」なるコンセプトモデルを展示。全固体電池という近未来の駆動用バッテリー搭載を謳うスポーツクーペです。
日産が発表した5台のコンセプトモデルは、エピックゲームスのオンラインゲーム「Fortnite」内のオリジナルコンテンツ、日産「Electrify The World」にも登場。同社の展示は、ゲームの世界とのコラボレーションに熱心なもようでした。
▲報道陣を前に公開された日産「ハイパーフォース」
今回、日本の自動車メーカーは、スタートアップとなにかしらの協業をしてほしい、と主催団体である日本自動車工業会から言われたとか。その結果が小さな電動バイクだったり、ゲーム会社だったりで、ARとVRの境があやふやなコンセプトもあって、時代を感じさせました。
▲ダイハツの軽オープン「OSANPO」は楽しいコンセプトモデル
▲ダイハツ「OSANPO」の室内はエアコンのファンまで”見える化”デザインがユニーク
▲ダイハツが展示した「ヴィジョン・コペン」は次世代スポーツのコンセプトで、1.3リッターエンジンはCN(カーボンニュートラル)燃料を使う
▲三菱自動車の「D:Xコンセプト」はオフロードも走るためプラグインハイブリッド想定で、欲しいの声多し
▲ホンダが持ちこんだ「プレリュード・コンセプト」
▲ホンダとSONYの「SONY HONDAモビリティ」による「アフィーラ」プロトタイプ
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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