薄くて軽くてお手頃価格。「motorola razr 40」は折りたたみスマホの新定番になるか?
&GP / 2023年11月22日 6時0分
薄くて軽くてお手頃価格。「motorola razr 40」は折りたたみスマホの新定番になるか?
モトローラ・モビリティ・ジャパンが、折りたたみスマホ「motorola razr 40」の日本発売を発表しました。直販のSIMフリーモデルは11月22日発売で、市場想定価格は12万5800円。国内のMVNO事業者ではIIJmioが独占販売し、通常価格は11万2000円。12月8日にはソフトバンク向けの「motorola razr 40s」も発売予定で、そちらは通常価格が12万1680円と予告されています。折りたたみスマホの中では、比較的お手頃な価格となっています。
▲SIMフリーモデルのカラバリはセージグリーンとバニラクリームの2色。ソフトバンクモデルは限定カラーのサマーライラックも選べる。なお、ハードウエアの仕様は両モデル共通
▲筆者はモトローラ・モビリティ・ジャパンからお借りしたセージグリーンを使ってみた
■隙間なくコンパクトに折りたためる
motorola razr 40は、今年8月に発売されたmotorola razr 40 ultraの下位モデル。razr 40 ultraは約3.6インチのアウトディスプレイを搭載し、折りたたんだ状態でも多彩な用途に使えることが特徴。一方、新たにリリースされた標準モデルのrazr 40は約1.5インチの小さなアウトディスプレイを搭載。小さいながらも、現在時刻、通知、天気、スケジュールなどを確認でき、「お気に入り」に登録した人に電話をかけたり、音楽プレーヤーやボイスレコーダーを操作したりすることも可能。小さいので表示される情報に制約はありますが、近くにいる人から見えにくいことは利点とも言えます。ガラケーを使っていた世代は、その使い勝手に懐かしさを感じるかもしれません。
▲アウトディスプレイを下にスワイプするとクイック設定パネルが表示。上にスワイプすると通知を確認できる
▲左右にスワイプすると「パネル」という、さまざまな機能を呼び出せる
▲パネルは「設定」でカスタマイズ可能
razr 40はオープン時の厚さは約7.35mm(最薄部)で、折りたたみ時は約15.8mm。ディスプレイがヒンジの内部でしずく型に折り曲がる構造で、ほぼ隙間なく折りたたむことができ、開いたときに折り目が気にならないことも特徴。
▲開いた状態での厚さはわずか7.35mm。ディスプレイの折り目はほとんど気にならない
▲隙間なく折りたためることが特徴。右側面に指紋センサーを兼ねた電源ボタンと音量ボタンを搭載。重さは約188.6g
▲左側面にはSIMスロットを搭載。eSIMを追加でき、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)で使える
折りたたみ時は表面・背面ともヴィーガンレザー仕上げで、手に馴染みやすく、指紋がつきにくいことが特徴。サイドフレームはアルミで、ヒンジにはステンレスとアルミの合金が使われています。
▲カバーパネルはヴィーガンレザー仕上げ
▲ヒンジ部にはステンレスとアルミの合金を使用
▲底部にUSB Type-Cポート。内部スピーカーは2つ搭載し、ステレオサウンドを再生できる
開いて使うメインディスプレイは6.9インチの有機EL。一般的なスマホよりも広い画面でウェブや動画を見やすいことが利点。リフレッシュレートは最大144Hzなのでゲームを楽しむにも適しています。
▲6.9インチのメインディスプレイの解像度は2640×1080で、視認性は良好
▲リフレッシュレートは最大144Hz。画質は細かく調整可能
■自由なスタイルで撮影できるカメラは暗所撮影にも強い
アウトカメラはメイン(約6400万画素/F値1.7)+超広角(約1300万画素/F値2.2)の2眼で、折りたたんだ状態でも開いた状態でも撮影できます。本体を持つ手を2回ひねるとカメラが起動するモトローラの独自機能も健在。半分まで開いて、本体を立てた状態で撮影できることもメリット。その際は画面の上半分にプレビュー、下半分に操作パネルが表示される「フレックスビュースタイル」で使えます。
▲メイン(広角)+超広角のデュアルレンズカメラを搭載。閉じた状態でも起動して、自撮りができる。ポートレートモード、動画への切り替えも可能
▲このように途中まで開いで「フレックスビュースタイル」で撮影することも可能。自動な角度で固定できるので、好きなアングルで撮影できる
メインカメラは4つの画素を結合させて高感度で撮影できる仕組みで、夜景も明るく写りました。なお、64メガピクセルのままで記録するハイレゾ撮影もできるようになっています。
▲超広角で撮影
▲メイン(広角)で撮影
▲デジタルズームは最大8倍
▲「ナイトビジョン」というモードで撮影。なお、デフォルトの「写真」モードのままでも、かなり明るく写った
▲室内で料理を撮影した作例。暗めの場所での撮影にも強い印象
ちなみに上位モデルのrazr 40 ultraのアウトカメラは、メイン(約1200万画素/F値1.5)+超広角(約1300万画素/F値2.2)。メインカメラの有効画素数はrazr 40のほうが多いが、明るさではrazr 40 ultraが勝ります。筆者はrazr 40 ultraも使ってみたことがありますが、両者のカメラ性能・画質にはほとんど差はないように感じました。なおrazr 40 ultraのインカメラは、razr 40と同じ約3200万画素/F値2.4です。
■上位モデルのrazr 40 ultraに勝る部分も…
上位モデルとの大きな違いは、おサイフケータイへの対応の有無。razr 40 ultraはNFCを搭載しているものの、FeliCaは非対応でおサイフケータイを使えないのが弱点でした。razr 40はFeliCaを搭載し、Suica、PASMO、iD、QUICPayなど、主要な電子マネーサービスに対応する見通しとのこと。razr40は下位モデルながら、大きなアドバンテージも持っているわけです。
▲上位モデルのmotorola razr 40 ultraは約3.6インチのアウトディスプレイを搭載していることがアドバンテージ
▲標準モデルのmotorola razr 40はおサイフケータイを使えることが強み
razr 40 ultraのプロセッサーはSnapdragon 8+ Gen 1(最大3.2GHz)でしたが、razr 40はワンランク下のSnapdragon 7 Gen 1(最大2.4GHz)に抑えられています。基本性能では、razr 40 ultraはハイエンド、razr 40がミドルハイと言えますが、普段使いにはrazr 40の性能でも十分以上。なお、メモリ(RAM+ROM)はどちらも8GB+256GBで、外部メモリには対応していません。
▲「Geekbench 6」というアプリでベンチマークを測定してみた。左がrazr 40 ultra、右がrazr 40のスコア。パフォーマンスを最重視するならrazr 40 ultraを選ぶのが得策だが、普段使いにはrazr 40で十分
バッテリー容量はrazr 40 ultraが3800mAhであるに対して、razr 40は4200mAh。アウトディスプレイが小さいこともあり、電池持ちはrazr 40に軍配が上がりそうです。30Wの急速充電や5Wのワイヤレス充電にも対応しています。
▲電池持ちを長くしたり、充電時のバッテリーへの負荷を軽減して、寿命を長くしたりする機能は、Androidスマホとして標準的
防水・防塵性能はrazr 40 ultraと同じIP52。一般的なスマホと比べると防水性能は低めで “生活防水” という水準ですが、雨に濡れたり、濡れた手で操作したりしても支障はないでしょう。
■初めての折りたたみスマホに最適
motorola razr 40は、先に発売されたハイエンドのmotorola razr 40 ultraの標準モデルという位置付けですが、おサイフケータイに対応していたり、バッテリー容量が多かったり、むしろ「こっちのほうが使い勝手がよさそう」と思える部分も。小窓のようなアウトディスプレイも、プライバシーを守るという視点ではメリットになります。しかも、価格は3万円ほどお手頃(モトローラ公式オンラインで購入する場合)。motorola razr 40は、初めて折りたたみスマホを使ってみたい人に、非常に魅力的な選択肢となりそうです。
>> モトローラ
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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