機種変前に知っておきたい!iPhone 6sとiPhone 7はココが違う!
&GP / 2016年9月22日 12時0分
機種変前に知っておきたい!iPhone 6sとiPhone 7はココが違う!
いよいよ発売されたiPhone 7/7 Plus。今回は「6」から「7」へと数字が変わるモデルチェンジです。iPhone 6以前の機種を使っていて、いわゆる “2年縛り” が解けている人には、絶好の買い替えタイミングと言っていいでしょう。
しかし、iPhone 6sを使っている人は、気になりつつも「果たして買い替える価値はあるのか?」「次のモデルを待つべきか?」と迷っているのではないでしょうか? 4.7インチ画面のiPhone 6sを使っている人の場合は、検討する機種はiPhone 7だと思います。ですが、防水やおサイフケータイに対応したことを除けば、さほど大きな進化はないように感じているのではないでしょうか。
というわけで、発売日にiPhone 7を購入した筆者が、iPhone 6sとの違いをレビューしたいと思います。買い替えを迷っている人の参考になれば幸いです。
[関連記事]iPhone 7にすべき人、iOS10にアップデートでOKな人の見分け方
■異なる部分が必要かどうかが機種変する決断ポイント!
【ココが違う 1】防水・防塵に対応!
iPhone 7は「IP67」の防水・防塵性能を備えています。これは、うっかりドボンと水没させても、すみやかに処置すれば大丈夫なレベルです。アウトドアで使うことが多い人や、水を扱う仕事をしている人には、安心度が高まったといえるでしょう。
しかし、従来のiPhoneがものすごく水に弱かったというわけではありません。iPhoneは世界中で多くの人が使っている端末です。雨が多い地域でも、湿度が高い地域でも問題なく使われています。国際標準の規格はクリアしていないものの、「スマホの中ではかなり丈夫」と言っていいでしょう。普段から濡らさないように気を付けていれば、「IP67」というお墨付きは必要ないかもしれません。
水回りでも安心して使えるが、水滴にも反応するので、濡れた状態では操作しづらい
なお、防水防塵機能により密閉性が高まったためか「iPhone 7は使っていると熱くなる」という声もちらほらと聞かれます。筆者は、メールやSNSを中心に使い、ときどき動画を見たり、ゲームをしたりという標準的ユーザーですが、今のところ、気になる発熱には遭遇していません。
【ココが違う 2】おサイフケータイが使える!
iPhone 6から搭載されていた「Apple Pay」が日本でも使えるようになります。これは、日本で「おサイフケータイ」として普及しているFeliCaに対応したためです。
具体的なサービス例としては「Suica」が使えるようになります。対応するクレジットカードからSuicaにチャージもできます。「iD」や「QuicPay」などの電子マネーも使えます。
実際にサービス開始となるのは10月以降ですが、iPhoneでおサイフケータイ機能が使えないことに不便を感じていた人は、ようやくその不便が解消されそうです。
ただし、従来ケータイやAndroidスマートフォンの「おサイフケータイ」で利用できる全てのサービスが対応するわけではありません。Appleは「おサイフケータイ」という名称を使っていませんし、端末にFeliCaマークも付いていません。自分が使いたいサービスが、これまでと同じように使えるのか否か、今後発表される情報にも注意が必要です。
Apple Payに対応するクレジットカードなどはAppleのWebサイトで確認できる
【ココが違う 3】ホームボタンが変わった!
iPhone 7に触れて最初に驚いたのがホームボタンの感触です。従来のようにカチッとは押せません。iPhone 7のホームボタンは、押しても凹まず圧力を感知する “感圧式” になっています。ただし、物理キーを押した場合に似たレスポンスを感じられるようになっています。
左がiPhone 6s、右がiPhone 7。ホームボタンの形状は同じだが、感圧式になった
防水を実現するために密閉性を向上させる必要があり、それゆえの変更でしょうが、今のところ、違和感なく操作できている人と、しっくりこないという人に分かれるようです。筆者は後者で、ホームボタンを押したつもりが、Siriが起動してしまうという誤操作をしがちです。
ホームボタンの感度は3段階から選んで設定可能
使っていくうちに慣れるとは思いますが、まずは、実機に触れてみることをおすすめます。
【ココが違う 4】スピーカーがステレオになった!
iPhone 6sでは、本体の右下にシングルスピーカーが搭載されていましたが、iPhone 7では、ディスプレイの上の受話レシーバーもスピーカーとして使うステレオ仕様になりました。「Apple Music」で音楽を聴いたり、「YouTube」の動画を見たりするときに、より迫力のあるサウンドで楽しめます。
左がiPhone 6s、右がiPhone 7。どちらも右側の穴がスピーカー。iPhone 7の左側の穴は、スピーカーではなく「気圧調整口」らしい。もう一つのスピーカーは受話口が兼ねている
内蔵スピーカーの音量は大きくなりましたが、音質にはさほど期待しないほうがいいかもしれません。音量を上げ過ぎると、シャカシャカとした高音が耳障りに感じたり……ということも。なので、音質にこだわるのであれば、従来通り、ヘッドフォンを使うべきです。
【ココが違う 5】イヤフォンジャックがなくなった!
iPhone 7にはイヤフォンを挿す穴がありません。同梱のステレオイヤフォンは、Lightningコネクタに挿して使います。
Lightningコネクタに挿せるイヤフォンを同梱。充電しながら音楽を聴くことはできなくなった
つまり、これまで市販のヘッドフォンで音楽を聴いていた人は、同梱のアダプタでLightningコネクタに変換する必要が生じます。
ただし、Bluetoothヘッドフォンを使うのであれば、この仕様変更は気にする必要はないでしょう。10月下旬から、高音質のワイヤレスヘッドセットとして使えて、Siriも使える「AirPods」も発売される予定です。
充電ケースに入れて持ち歩けば、最大24時間の連続使用が可能だそう
【ココが違う 6】ディスプレイの表現力が向上!
画面サイズ(4.7インチ)と解像度(1334×750ドット)に変更はありませんが、「広色域」に対応し、最大輝度も500cd/m2から625cd/m2へと向上しました。つまり、表現できる色の領域や明るさが広がったということ。というわけで、画面の明るさを最大にし、同じ画像を表示させて比べてみました。
左がiPhone 6s、右がiPhone 7
「マップ」の画面を比較してみたところ、明るく見えたのはiPhone 6sでしたが、よく見ると、iPhone 7のほうが細い道を示す線までくっきりと見えて、視認性は向上しているようです。次に、同じ写真を表示させてみました。
左がiPhone 6s、右がiPhone 7
やはり、iPhone 6sのほうが明るく白っぽく見えます。砂浜や海面の色の濃淡など細かい部分に目を向けると、iPhone 7の表現力が優っているように感じました。
【ココが違う 7】カメラの撮影画質が向上!
iPhone 7の背面カメラは、iPhone 6sと同じ12メガピクセルですが、Appleの仕様表には「新しい12MPカメラ」と記されています。レンズ構成が5枚から6枚へと変わり、F値も2.2から1.8へと明るくなりました。静止画、動画ともに光学式手ぶれ補正に対応し、静止画は「広色域」にも対応しています。
左がiPhone 6s、右がiPhone 7。レンズ部の口径が大きくなり、出っ張りも増した
カメラの進化を実感すべく、撮り比べてみました。正直に言えば、撮った写真を画面に表示して見る限りは、さほど大きな変化は感じませんでした。iPhoneのカメラって、そもそもキレイに撮れますからね。ですが、パソコンに取り込んだ画像データを同じディスプレイで比べると、その違いが明らかに。iPhone 7のほうが明るく撮れ、白い物はきっちりと白く、赤や緑もiPhone 6sよりも鮮やかに撮れる印象です。
iPhone 6sで撮影した写真。十分にキレイに撮れるが、白い部分はややくすむ
iPhone 7で撮影した写真。手持ちでもブレにくく、従来よりも明るく撮れた
ちなみにフロントカメラは5メガピクセルから7メガピクセルに向上し、自動手ぶれ補正にも対応しました。自撮りが好きな人も満足できるはずです。
【ココが違う 8】シャッター音が大きくなった
すでにネットでも話題になっているので、ご存知の人が多いでしょうが、写真やスクリーンショットを撮る際のシャッター音はかなり大きい。そもそもiPhoneのシャッター音は、他のスマホに比べると大きめでしたが、iPhone 7はシャッター音も “ステレオ化” した感じです。
iPhone 6sでは、音を出したくない場合に、下部のスピーカーを指で塞いでシャッター音を軽減することができましたが、iPhone 7では2か所を塞ぐ必要があり、塞いだとしても、かなり音が漏れます。今のところ、アクセシビリティの「AssistiveTouch」に「消音」を割り当てて、シャッター音を消すという裏技が広まっていますが、そもそもシャッター音を消すためだけの機能ではないので、この裏技がいつまで使えるかがわかりません。今後のOSアップデートで変更になる可能性もなきにしもあらずです。
「一般」→「アクセシビリティ」→「AssistiveTouch」をオンにして、アイコンを1個にして、それに「消音」を設定する裏技が流行中
このシャッター音は、ぜひ店頭で実機で確かめてみてください。個人的には、静かなレストランなどで使うのは控えたいなぁと思うレベル。ですが、「これくらいの音、全然気にならない」と思う人もいるかもしれません。
【ココが違う 9】ちょっぴり軽くなった!
最新のA10チップを搭載し、大幅な機能強化が図られたiPhone 7。従来モデルよりも重くなったのでは? と思いがちですが、じつはiPhone 6sよりも5g軽くなっています。わずか5gですから、ユーザーが明確に実感できるほどではありませんが、いままでのホールド感や操作感を維持したい人には安心です。反面、サイズが同じで、重さもほとんど変わらないので「機種変更した気がしない」と感じる人もいるかもしれません。
【ココが違う 10】ちょっぴり安くなった!
iPhone 7は、最安の32GBモデル(SIMフリー版)でも7万2800円(税別)です。多くの人にとっては慎重に検討したい買い物ではないかと思います。ですが、iPhone 6sよりは、かなりお買い得な価格設定になっています。
昨年9月に発売されたiPhone 6sのSIMフリー版は、発売当初は以下の価格設定でした。
16GB:8万6800円(税別)
32GB:9万8800円(税別)
128GB:11万800円(税別)
iPhone 7のSIMフリー版の価格は、下記の通りです。
32GB:7万2800円(税別)
128GB:8万3800円(税別)
256GB:9万4800円(税別)
円高・ドル安の恩恵もあり、同じ128GBモデルを比べると、2万7000円も安くなっています。価格面でもiPhone 7は “買い” と言えそうです。
ちなみに、販売が継続されるiPhone 6sの現在の価格は、
32GB:6万1800円(税別)
128GB:7万2800円(税別)
初めてiPhoneを買う人で、防水やおサイフケータイを必要としないのであれば、iPhone 6sを選択するのもアリですよ!
apple「iPhone 7」>> http://www.apple.com/jp/iphone-7/
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(取材・文/村元正剛)
むらもとまさかた/ITライター
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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