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ガジェット視点で2024年を先取り予測。覚えておきたいデジタル系注目トピックス5選

&GP / 2023年12月31日 6時0分

ガジェット視点で2024年を先取り予測。覚えておきたいデジタル系注目トピックス5選

ガジェット視点で2024年を先取り予測。覚えておきたいデジタル系注目トピックス5選

【&GPゆく年くる年ー2024年先取り情報】

2023年を駆け抜けた皆さんの目の前には、もう「2024年」が両手を広げて待っています。本稿では、トレンドの移り変わりが速い「IT・ガジェット」のジャンルにおいて、どんな変化が起こっていくのかを大胆予想。今から注目しておきたいトピックスとして、5つの話題をピックアップして紹介しましょう。

 

1.「Apple Vision Pro」の登場でMR製品が話題に

複合現実(MR)用のヘッドセットの本命とも言えるAppleの「Apple Vision Pro」が発売されます。本製品は、23年6月に開催されたWWDC23にて発表されていた製品で、24年の早いタイミングに米国で、同年後半にその他の国でも販売開始となる予定。

Apple Vision Pro ▲「Apple Vision Pro」

複合現実とは、要するに現実空間の映像の中にVRのコンテンツが重なった状態で表示される技術・体験のこと。ヘッドセットを装着した状態で、カメラで取り込んだ部屋の映像を見ながら、そこに仮想のコンテンツを重ねていくような体験が整うわけです。

23年には既に「Meta Quest 3」がこのジャンルの主力製品として登場していて、例えば、部屋の空間のなかで、シューティングゲームの映像が混ざってきたりします。また、ピアノの鍵盤に映像としてピアノロール(弾く位置と長さを示す棒状の表示)が重なるようなコンテンツを使えば、楽譜が読めなくても多少ピアノ弾きを楽しめるでしょう。

一方、Appleは、Apple Vision Proについては、単なるXRデバイスではなく、「空間コンピュータ」としてのブランディングが強調されており、ゲームやエンターテインメントに特化したMRヘッドセットという側面だけでなく、PCの延長上にある体験への期待も併せ持ちます。

機能面としては、視線や指の動きで機器を操作できてコントローラーが不要であったり、装着している人の表情が、周囲の人から確認できるよう外側にもモニターが備わっているなどがユニーク。また、「iPhone 15 Pro」シリーズでも撮影できる「空間ビデオ」のビューワーとしての役割も兼ねるので、動画クリエーターやアーリーアダプターの方ならば、ぜひ注目しておきたいところ。

ただしその価格は、相場にもよりますが、日本円で50万円前後になる見込み。まだまだ一家に一台はなかなか現実的ではないでしょう。選択肢が出揃ったところで、これまで様子見だったけれども改めて「Meta Quest 3」(7万8000円〜)が欲しくなった、という人も増えるかもしれませんね。

 

2.「Qi2」対応製品が増えてくるかも

ワイヤレス充電に関しては、現状、Wireless Power Consortium(WPC)の定める「Qi(チー)」という規格が普及しています。2023年には、その次世代規格である「Qi2(チー・ツー)」が発表され、すでに対応製品が登場してきています。24年には、こうしたQi2対応製品の数がさらに増えていき、一般化することでしょう。

▲例えば、エレコムは23年9月の時点で、「Qi2(チー・ツー)」対応製品の年内発売を目指していることを発表していた。写真は同内容を発表したプレスリリースにおけるイメージ画像(画像出典:エレコム プレスリリース)

Qi2は、Appleの「MagSafe(マグセーフ)」をベースにしたワイヤレス充電の新規格です。磁力で製品を固定することで、ワイヤレス充電の効率が良いポイントをずらさずに利用できるというメリットがあります。また、フラットなデザインではない製品でもワイヤレス充電取り入れやすくなります。

例えば、AnkerのMagGoシリーズでは、Qi2対応製品がすでに登場しているなど、充電に関する周辺機器では対応がすでに進んできている印象です。

一方、Q2をサポートしているスマートフォンとしては、現状だとAppleの「iPhone 15」シリーズに限られています(——と筆者は認識しています)。もちろん、将来的にAndroidスマートフォンや、スマートフォン以外の周辺機器などでもQi2に対応する機種が徐々に登場してくる可能性は高いので、今後の動向に注目しておきましょう。

 

3.「iPhone 15 Pro」向けのゲーム周辺機器が充実するか

iPhoneのトレンドとして、23年秋に発売された「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」では、「A17 Pro」チップが搭載されました。これによって、上記の2機種では、iOS向けに移植されたAAAタイトルのゲームアプリをプレイできるようになりました。さらにUSB Type-C 3.2 Gen 2の対応もあり、有線接続でモニターに出力すれば、大画面でのプレイも可能に。

つまり、iPhone 15 Proシリーズは、ゲーミングPCや家庭用ゲームコンソール機を代替するポテンシャルを秘めているわけです。もちろん、いきなりiPhoneがゲームハード市場で覇権を取るような事態はありえないでしょうが、長期的な目線で見ると、ゲームチェンジャーになるかもしれない変化だと思います。一人のユーザーとしても、今後、iOS向けに移植されるゲームが増えていくかもしれないという期待は高まります。

そんな背景をもとに、2024年以降は「iPhone 15 Proをポータブルゲーム機のようなスタイルで使えるゲーム用コントローラー」や、「モニター接続するときに便利なドッキングステーション」のような周辺機器が徐々に充実してくるのでは、と予想——。

Backbone Oneモバイルゲーミングコントローラ(USB-C) ▲オンラインのApple Storeで提供されている「Backbone Oneモバイルゲーミングコントローラ(USB-C)」

特に、前者については、既にオンラインのApple Storeで、「Backbone One mobileゲーミングコントローラー(USB-C)」(1万9800円)が販売されていますし、Android向けに用意されたUSB-C対応のコントローラーも市場に多く存在します。ですので、「24年には、多くのサードパーティ製スマホ向けゲームコントローラーが、iPhone 15シリーズへの対応・最適化を謳うだろう」と表現した方が適切かもしれません。

 

4.「生成AI」がさらに面白くなりそう

2022年から2023年にかけては、OpenAIの「ChatGPT」や、Adobeの「Adobe Firefly」などを筆頭に、さまざまな生成AIが話題になりました。AIに関するトレンドはすでに「マルチモーダル」(=テキストや画像、音楽などを複合的に処理するAI)へと移りつつあり、2024年にはその傾向がさらに顕著になると思われます。

おそらく、その象徴的な存在になると思われるのが、Googleが12月に発表した「Gemini(ジェミニ)」。すでにご覧になった方も多いと思いますが、その動作イメージを伝える動画は衝撃的でした。

Geminiイメージ画像 「Gemini」(画像出展:Google Japan Blog)

例えば、カメラに映した楽器の落書きに対して、マッチするサウンドを再生したり、紙コップに隠して位置をシャッフルしたボールの位置を当てたり——。AIが柔軟に応答していく様子には、AIのある未来の生活を具体的にイメージできた方も多かったことでしょう(※まだご覧になっていない方は一度視聴しておくことを勧めます)。

この「Gemini」は、最も高性能な「Ultra」、幅広いタスクに対応する「Pro」、スマートフォンなどのデバイスで展開される「Nano」——という3つのサイズで展開される予定。動画で紹介されたような驚異的な体験が、誰しも体験できる時代がすぐくるわけではないでしょうが、今後の発展・普及には期待が高まります。

 

5.「Auracast」対応のワイヤレスイヤホンが出てくる?

手元のイヤホンで、公共の場の放送を聴くという機会が増えるかもしれません。これは、Bluetooth LE(Low Energy)のオーディオ規格「LE Audio」における「Auracast(オーラキャスト)」という機能が話題に上がってきたから。23年には同機能が展示会で説明されている機会も増えていきていた印象があったので、2024年には徐々に対応製品が増えていくだろうと思われます。

Auracast Experience ▲10月に幕張メッセで開催された「CEATEC 2023」では、「Auracast 」を体験できるブース出展「Auracast Experience」が催された

なお、関連用語が複雑で、検索したときに全体像が掴みづらいと思うのですが、技術的にはこれまで「Broadcast Audio(Audio Sharing)」と呼ばれていたものであって、その名称を商標としてブランド化したのが「Auracast(オーラキャスト)」である——という関係になることを覚えておくと、幾分かマシになると思います。

さて、これがどんな機能かというと、「多数のワイヤレスイヤホンに向けて、音声を送信できる技術」となります。つまり、公共施設において、自分の持っているワイヤレスイヤホンを接続して、必要な音声を視聴できるというイメージ。美術館で音声解説を聴いたり、ジムで流れているテレビの音声を聴いたり、講演会で翻訳音声を聴いたり——。これまで音声端末や、翻訳機のレシーバーなどが必要だった場面で、手持ちのAuracastイヤホンが使える(あるいは配布される音声端末やレシーバーがスタイリッシュになる)という時代が近づいているのかもしれません。

まだまだ具体的なイメージが掴みづらいテーマではありますが、今後国内でどんなユースケースが出てくるのか楽しみにしておきたいトピックです。

*  *  *

24年にこれらのトピックスがどこまで話題になるかは分かりませんが、それぞれについて注目しておき、派生するニュースも含めて楽しく眺めてもらえれば幸いです。

>> 【&GPゆく年くる年ー2024年先取り情報】

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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