Apple vs Android勢の戦いがさらに激化したスマホ&タブレット【GoodsPress Award 2023】
&GP / 2024年1月1日 20時0分
Apple vs Android勢の戦いがさらに激化したスマホ&タブレット【GoodsPress Award 2023】
【GoodsPress Award 2023】
スマホ・タブレットを問わず、広い価格帯でデザインや機能が洗練化されてきた印象がある。特に、2023年はその傾向が顕著だったと言えよう。影響力の大きさや、尖った個性などを軸に、選抜した主要機種を振り返りたい。
* * *
2023年はハイエンド帯のスタンダードモデルがとても魅力的だった。4月のサムスン電子「galaxy S 23」に始まり、9月のApple「iPhone 15」や、10月のGoogle「Pixel 8」、ソニーの「Xperia 5 V」など、どれもデザイン・機能ともに成熟した印象がある。端末価格高騰傾向が続く昨今において、現実的に手を伸ばしやすい価格帯ということも追い風だった。
しかし、こうした魅力的な数々の機種を差し置き、大賞には「iPhone 15 Pro」を据えさせてもらった。国内のユーザー数が多いiPhoneにおいて、高速なデータ転送が可能なUSB Type–Cを備えた同機は、本来のポテンシャルを一気に開花したと言える。長期的な影響力は大きい。
また、Pixelでは廉価帯で昨年から躍進を続ける「a」シリーズが話題だったが、今回は上位の「Pixel 8」シリーズでOSアップデート期間が7年間になるという衝撃的な出来事を、より高く評価したい。
ITライター/井上晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスなど取材。Webメディアや雑誌に、記事を寄稿する。X(旧Twitter):@kira_e_noway
GoodsPress AWARD 2023
ースマホ&タブレットー
<大賞>
■「Pro」シリーズがついに成熟!
アップル
「iPhone 14 Pro/Pro Max」(15万9800円~/18万9800円~)
USB-C(USB 3.2 Gen 2)の採用もあって、撮影機材としてのポテンシャルがグッと向上。また、「A17 Pro」チップの搭載でAAAタイトルのゲームアプリが遊べるようになり、ゲーム機としての価値も高まりました
iPhone 15シリーズの上位モデル。従来の消音スイッチが廃止され、ショートカット機能を割り当てられる「アクションボタン」を新搭載した。データ伝送速度の速いUSB-Cポートを搭載したことで、外部SSDを接続しながらの動画撮影などにも対応している。
▲最上位のiPhone 15 Pro Maxについては、望遠カメラにテトラプリズムレンズを搭載し、5倍望遠をサポートしたことがトピック
▲素材にチタニウムを採用しつつ、世代ごとに増加傾向だった重量を一気に軽くしたことも◎。15Proは12 Proと 同等の187gに
<ずっと使える賞>
■「7年使えるスマホ」は魅力でしょ
Google
「Pixel 8」(11万2900円~)
OSアップデートが7年提供されるようになったことでオススメ度も倍増。集合写真で表情を選べたり、動画のノイズを低減できたり、と機械学習を活かした機能も秀逸です
10月に発売されたPixelシリーズのスタンダード機。6.2型のコンパクトなサイズ感に収まりつつ、パワフルなAI機能を使えるのが魅力。シリーズお馴染みのGoogle独自チップとしては、新世代の「Tensor G3」を搭載。
▲背面カメラは、広角(5000万画素)と超広角(1200万画素)の2眼構成。望遠やビデオ夜景モードは非搭載
▲魅力はやはりAI関連機能。既にシリーズでお馴染みのものから、今世代で新たに追加された機能まで色々使える
<作り込み秀逸賞>
■高解像度広角カメラ搭載のプレミアムコンパクトモデル
ソニー
「Xperia 5 V(XQ-DE44)」(13万9700円)
プレミアムコンパクトとしての良さはそのままに、ショート動画編集に特化した「Video Creator」なども搭載。練度を高めつつ、若者への訴求も狙う舵取りにワクワクします
10月に発売された「Xperia 5」系統の最新世代モデル。背面カメラは、広角+超広角の2眼構成になり、前世代にあった望遠は無くなったが、広角カメラは解像度が4800万画素に上がっている。外観も洗練された印象に。
▲広角カメラが4800万画素になったことで、解像度を下げることなく擬似的な望遠撮影が可能になっている
▲フラグシップの「Xperia 1 V」と同型のセンサーを搭載。シーンを問わず、高精細で自然な色合いの撮影が可能
<ミニマムデザイン賞>
■上半期の存在感がスゴかった一台
サムスン電子
「Galaxy S23」(13万6620円~ ※ドコモモデル)
ハイエンド帯でありながら、無駄を削ぎ落としたデザインが魅力的。また、バッテリー持ち時間が伸びるなど、地味でも堅実な改良がしっかり施されていたことが高評価でした
4月に発売された6.1型のハイエンド機。前世代ではインターネット使用時(LTE)の電池持ちが最大14時間しかなかったが、S23で最大20時間まで伸びている。なお、画面のピーク輝度も上がり、屋外での視認性も向上した。
▲Galaxy S23には、再生ガラスや、再生PETフィルム、天然染料など、環境に配慮した素材が使われている
▲背面カメラは上から順に、超広角(1200万画素)、広角カメラ(5000万画素)、3倍望遠(1000万画素)
■他にも注目すべき端末多数
ここまでに取り上げた端末に加え、ハイエンドスマートフォンではシャープの「AQUOS R8」や、Appleの「iPhone 15」も良い端末だ。特に、「AQUOS R8」は、高額になりすぎたフラグシップと差別化するよう、一部仕様を抑えつつもシリーズの魅力を残している点で、23年の市場傾向を反映した一台だったと言える。
また、ミッドレンジ帯は昨年ヒットした「Pixle 6a」の後継機「Pixle 7a」の存在感が大きい。先述したように「Pixle 8」の方が話題性が大きかったものの、こちらも実際に売れた機種として堅実に評価したい。
タブレットに関しては、安価で外観の整ったコストパフォーマンスの高いモデルが多数登場した印象がある。しかし、ここではそれらではなく、ユーザの体験をガラッと変え得る製品として、「Google Pixel Tablet」や「Galaxy Tab S9 Ultra」のような個性の尖った機種を評価した。
<技あり企画賞>
■非使用時も有効活用できて良い!
Google
「Google Pixel Tablet」(7万9800円)
スマートディスプレイ/スピーカー/タブレットなどの役割を兼ね、無駄なく使える工夫が◎。スピーカーホルダーは音の広がりこそやや惜しいものの、低音域がリッチだ
6月に発売された11型タブレット。同梱される充電スピーカーホルダーにセットすることで、デジタルフォトフレームやスマートスピーカーのような使い方もできる。「Tensor G2」を搭載し、消しゴムマジックなども対応。
▲別売のシリコン製保護ケース(1万2800円)は、装着したまま充電スピーカーホルダーにセットできる構造だ
▲画面サイズは10.95インチで、LCD(液晶)を採用。アスペクト比は16:10。セキュリティアップデートは5年保証
<ハイコスパ カメラスマホ賞>
■無理なく買えるカメラスマホ
シャープ
「AQUOS R8」(13万9700円 ※SIMフリーモデル)
最上位の「R8 pro」と差別化され、こちらは1インチセンサー搭載カメラではない分、価格を抑えた手に取りやすい端末に。物理的なレンズフィルターを使えるのが面白いです
8月に発売されたAQUOSシリーズのハイエンドモデル。背面カメラは標準(約5030万画素)+広角(約1300万画素)の2眼構成。米国国防総省が定める物資調達基準のMIL規格に準拠する耐衝撃性能なども備える。
▲1/1.55インチの大型イメージセンサーと、ライカカメラ社監修の「ヘクトール」レンズを搭載する
▲6.4型の画面は、1-240Hzの可変リフレッシュレートに対応。色合いを変えずにブルーライトが従来モデルより約50%低減された。新ブルーライトカットディスプレイ
▲従来機種(リラックスビュー時)
<カムバック賞>
■2年半ぶりの最強タフネスモデル
京セラ
「TORQUE G06」(9万8000円 ※auモデル)
京セラのコンシューマー端末撤退が発表されていたものの、2年半ぶりにTORQUE新モデルが登場し、希少なタフネスモデルの生存を確認。シリーズ初の3眼カメラにも注目です
10月にauで発売されたタフネススマホで、「高さ2mからのアスファルト面への落下想定」などを加えたシリーズ史上最多となる29項目の試験をクリアする。一方、筐体サイズは小型化し、約14gの軽量化も果たしている。
▲最近の機種では珍しい交換可能なバッテリーパックを採用。別売のバッテリーパックはau Online Shopで3608円
▲背面カメラは、右からメイン(約6400万画素)、ワイド(約1600万画素)、マクロ(約200万画素)
<完成度高すぎ賞>
■バランスよく底上げされた良機
Apple
「iPhone 15」(12万4800円~)
4800万画素カメラにより望遠カメラを備えたような体験が実現し、Proシリーズに憧れていたiPhoneユーザーにも訴求。磨りガラス調の背面の質感も良く、完成度は高いです
「iPhone 15」シリーズにおけるスタンダードなモデル。パンチホール型インカメラと画面上のUIが連動する「DynamicIsland」やUSB Type-Cを新採用。チップセットには「A16 Bionic」を搭載する。
▲Lightningを廃止し、USB Type-Cを採用。ただし、仕様は「USB2.0」でデータ転送速度は従来と変わっていない
▲Proシリーズだけの特徴だった「Dynamic Island」が搭載されたほか、画面輝度も最大2000ニトまで向上した
<ミッドレンジ賞>
■定番化したaシリーズの最新機
Google
「Pixel 7a」(6万9300円)
22~23年にかけPixel 6aと7aがミッドレンジ市場を席巻。90Hz画面や、6400万画素カメラ、夜景撮影、ワイヤレス充電、ドコモn79対応など、aシリーズ初の特徴も多めでした
廉価の「a」シリーズにおける23年モデルで、5月に発売された。チップセットには「Tensor G2」を搭載し、22年の上位モデルであるPixel 7シリーズと同等の各種AI関連機能を使用可能。
▲カメラはセンサーサイズが72%UP。「消しゴムマジック」や「ボケ補正」などPixelでお馴染みの機能も使える
▲Pixel 7/7Proなどと同じ「Google Tensor 2」を搭載。リアルタイム翻訳や文字起こしなどの性能も向上した
<クリエイティブ賞>
■Android端末の最上位
サムスン電子
「Galaxy Tab S9 Ultra」(20万9799円~)
クリエイティブなツールを使うとUI表示が幅を取るため、画面の広さは重要。14.6型の超大画面モデルが、今年は防水対応を果たし、安心して携行しやすくなりました
9月に発売された14.6型の巨大タブレットの23年モデルで、OSはAndroid 13。「S Pen」も付属する。「Galaxy Tab S」では初めてIP68の防水防塵に対応した。別売で、キーボードやカバー、上位のペンなども展開。
▲背面カメラは広角(1300万画素)+超広角(800万画素)。Dolby Atmos対応クアッドスピーカーは約20%大型化
▲寸法は、約208.5×326.4×5.5mmで、重量は約732g。軽くて強度の高いアーマーアルミニウムを採用する
※2023年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号24-27ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/井上晃 撮影/湯浅立志(Y2)>
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