個性派モデル続出の中でも話題性抜群のROG初ポータブルゲーミングPC【GoodsPress Award 2023】
&GP / 2024年1月4日 20時0分
個性派モデル続出の中でも話題性抜群のROG初ポータブルゲーミングPC【GoodsPress Award 2023】
【GoodsPress Award 2023】
2023年のノートPC市場では、ブランドごとに個性の確立された製品が目立った。ゲーム用途、クリエイティブ用途、日常用途――のように、これらの製品の仕様からは、想定する用途がはっきりとイメージできる。結果、大賞を受賞したのは意外な製品に。
* * *
2023年の国内PC市場は苦戦を強いられた反面、個性の際立つ機種も次々と登場した。モバイル用途という括りでどうしても無視できなかったのが「ポータブルゲーミングPC」の存在だ。統計的データこそまだないものの、23年に入ってからは明らかに市場へ露出する商品数が増加。なかでもASUS「ROG ALLY(エイライ)」には話題性があった。
純粋なノートPCとしては、メーカーごとに戦略が分かれていて並列での評価は難しい。そこで、各ブランドの良さを伸ばした製品を評価した。
たとえば、Appleはnmプロセスの「M3」チップを導入し、クリエイティブ用途の期待値を順当に底上げしたし、LGは15・6型の大画面モデルで約990gという軽さを両立させた。また、NECの「LAVIE N14」や、VAIOの「SX 14」は、一見地味な正統進化モデルだが、コストパフォーマンスや、モバイル関連機能の充実さを鑑みつつ、有力な検討候補になるモデルだった。
ITライター/井上 晃さん
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットなどを軸に、ICT機器やガジェット、クリエイティブツールなどを幅広く取材。雑誌やWebメディアにて記事監修などを手がける
GoodsPress AWARD 2023
ーノートPCー
<大賞>
■ROG初のポータブルゲーミング機
ASUS
「ROG Ally」(8万9800円~)
PC市場が需要の底にある中、22~23年にはハンドヘルド型のゲーミングPCの話題が大いに増えました。なかでも同機はROGブランドの安心感も相まって存在感を発揮。話題性やバッテリー関連機能などを評価しました
7型フルHD・120Hz画面を備えたポータブルゲーミングPC。別売のACアダプターを介してモニターに出力すれば、据え置き型のPCとしても使える。6月には上位のRyzen Z1 Extreme搭載モデルが、9月に廉価のRyzen Z1搭載モデルが発売された。
▲使用角度によらずしっかり排熱できる「アンチグラビティヒートパイプ」を搭載。本体背面にはブランドロゴやボタンなども配置
▲白を基調にしたカラーが爽やか。アナログスティックには、LEDライティング機能を搭載する。人間工学に基づく形状も特徴だ
<究極テクノロジー賞>
■Intelベース版からの買い替えで訴求
アップル
「MacBook Pro」(24万8800円~)
3nmプロセスで製造された「M3」世代のチップを新搭載。クリエイティブな用途以外についても、ゲーミング等も意識したであろうグラフィックス関連の機能追加に注目です
11月に「M3」シリーズを搭載した14型/16型の2サイズが発売。従前の13型は廃止された。最上位の「M3 Max」を搭載したモデルでは、過去の「M1 Max」搭載モデルと比べて最大2.5倍高速になったとされる。
▲「M3 Pro」と「M3 Max」を搭載するMacBook Proでは、新色の「スペースブラック」も登場した
▲チップのバリエーションは、いまのところ「M3/M3 Pro/M3 Max」の3種類。GPU関連の強化に注目だ
<超薄型なのにタフネス賞>
■大画面×薄型軽量を追求した一台
LG
「LG gram SuperSlim 15Z90RT-MA53J」(25万8000円~)
15.6型のノートPCでありながら、1kgを下回る軽さに驚愕。それでいてMILスペックの耐久テストもクリアしており、大画面を軽やかに携行したい人には強く響く一台です
9月に発売された薄型軽量の15.6型モデルで、第13世代のインテルCore i5-1340Pプロセッサーを搭載。バッテリー持ちは最大13時間。充電アダプタにも小型・軽量なデザインが意識されている。
▲薄さ10.99mm、約990gの薄型軽量ボディがユニーク。ポートはThunderbolt 4x2とUSB 3.2 Gen2を搭載
▲有機ELディスプレイの色域は、DCI-P3を100%カバー。応答速度も0.2msで、動画視聴やゲームにも◎
<定番中の定番賞>
■「これでよい」の定番として
NEC
「LAVIE N1475/GAシリーズ」(10万6480円~)
10万円強から手が届く選択肢としてバランス感が魅力。フルHDカメラの搭載、Web会議での音響調整機能などを備えるのがポイント。アスペクト比16:9のモデルも選べます
8月に夏モデルとして発表された5機種のうちの14.0型モデルで、第12世代インテル Coreプロセッサーを搭載。ポート類はUSB Type-C/Type-A、HDMI、SDカードスロット、3.5mmイヤホンジャックなど豊富。
▲Web会議を想定したYAMAHAミーティング機能を搭載。通話時の雑音を低減し、クリアな会話が行いやすい
▲キー表面はやや窪んだ形状。見やすい印字スピーカーはキーボード面のディスプレイ付近に配置されている
<使い勝手バツグン賞>
■マイナーチェンジでも堅実に進化
VAIO
「VAIO SX14」(21万7800円)
バッテリー節約機能やWebカメラ関連機能の充実など、イマドキな用途の進化を評価。アスペクト比16:10への未対応は惜しいものの、後に発表された「S13」が対応しました
6月に第13世代インテルCoreプロセッサーに刷新して発売された14.0型ワイドモデル。数量限定の特別仕様モデルなども用意された。オプションでタッチ操作対応ディスプレイを選べばペン入力にも対応可能だ。
▲従来世代と同じく、電源ボタン一体型の指紋センサーを搭載。人感センサーによる離着席の検知機能も備える
▲キートップ中央は0.3mmほど皿形状に窪み、キーストロークは1.5mm。UV硬化塗装による防汚性も兼ね備える
▲Webカメラは約207万画素でフルHD対応。新たにノイズ除去技術が導入されたほか、美肌効果機能も追加された
※2023年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号32-33ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/井上晃 撮影/湯浅立志(Y2)>
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