近未来を感じさせる外観だけじゃない!BMWの新世代ピュアEV「ビジョン・ノイエクラッセX」は注目すべき斬新機能が満載
&GP / 2024年3月31日 17時0分
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近未来を感じさせる外観だけじゃない!BMWの新世代ピュアEV「ビジョン・ノイエクラッセX」は注目すべき斬新機能が満載
BMWが最新の「ビジョン・ノイエクラッセX(エックス)」を2024年3月に公開しました。新世代のピュアEVで、外観もさることながら、デジタライゼーションなど、注目すべき斬新さ満載です。
私がビジョン・ノイエクラッセXの実車をじっくり見たのは、24年2月。ポルトガルでジャーナリスト向けに公開されたときです。そのときは取材に関して厳戒態勢で、自分のiPhoneなどでの撮影NG。モデルは、開発者が案内してくれてはじめて、いろいろ触ったり確認することができたのでした。
■ボディ面に突起やへこみを入れない“フラッシュサーフェス処理”
車名にある「X(エックス)」は、BMWのSAV(スポーツアクティビティビークル)のXシリーズに由来。コンパクトなX1から、余裕あるサイズのX7まで、フルラインナップによってグローバルに高い人気を得ています。
ビジョン・ノイエクラッセXで印象的なのは、フラッシュサーフェス処理といって、ボディ面に出来るだけ突起やへこみ、あるいはキャラクターラインを入れないデザイン。かたまり感を強調しています。同時に、大型化してLEDで輪郭が輝くキドニーグリルが眼をひきます。
これまで一般的にSUVといえば、力強さとかアグレッシブさとかをデザインで表現するのが一般的でした。なにしろ、おおもとをたどれば、ジープから派生しているわけですから。
興味深いのは、ビジョン・ノイエクラッセXのデザイン担当者が「最近のクルマは大きく、いかつくなりすぎている」という消費者の声を重視した、と現場で話してくれたこと。そのため、親しみやすさも意識し、車内は採光のよさを考慮したそうです。
室内は、金属など硬いものが目立たないデザインです。ダッシュボード半分はネットのような素材で覆われていて、その下で照明が灯ったり、オーディオのサウンドが流れ出たりします。
「これみよがしの、操作が複雑なインフォテイメントシステムは不要」と、今回の最新「iDrive(アイドライブ)」を担当したデザイナーは言っていました。なるほどです。
■デジタライゼーションに力を入れるBMWならではのインテリアに注目
ビジョン・ノイエクラッセXではインテリアも大きな注目点。デジタライゼーション技術に力を入れているBMWだけあって、凝ってます。ひとつは、ウィジェットを使いアプリを呼び出しやすくしたモニター。
パノラマビジョンといって、ウインドシールドのほぼ端から端までにモニターを設置。必要な情報はそこから読み取れるようになっています。そこに車速も表示されるため、従来のようにドライバー正面に計器盤を置く必要はなくなりました(ヘッドアップディスプレイは装備されます)。
BMWではドライバー正面の計器盤を廃してしまい、それを観る必要がなくなったため、同時にステアリングホイールのデザインも大胆に変更。なんと、スポークが12時と6時の方向です(通常は3時と9時)。
ステアリングホイールのスポークを90度ずつズラしたことで、握った手の指を使ういくつかの操作がやりやすくなっています。親指を使ってのサウンドコントロールなど、新しい機能も使えるようになっています。
バッテリーはおそらく円筒形のリチウムイオン式を床下に並べるでしょうが、容量は未発表。モーターについても未発表です。BMWのオリバー・ツィプセ取締役会会長によると「第一弾は2025年に発表して、その後24カ月のうちに6台の異なるノイエクラッセを発表します」とのことです。
ツィプセ会長は「2030年には販売台数の半数がピュアEVになればいい」と言いつつ、「(ガソリン、ディーゼル、水素といった燃料やハイブリッドを含めて)あらゆるドライブトレインの開発の手をゆるめるつもりはありません」とします。
「私たちはピュアEVの開発をおろそかにはしません。ノイエクラッセこそ、もっともBMWらしいBMWになるでしょう」。印象的な言葉を残しています。
<文・写真/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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