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海外旅行で使うWi-Fiはどれが便利? SIMフリー端末とレンタルWi-Fiを比較してみた

&GP / 2016年10月30日 12時0分

海外旅行で使うWi-Fiはどれが便利? SIMフリー端末とレンタルWi-Fiを比較してみた

海外旅行で使うWi-Fiはどれが便利? SIMフリー端末とレンタルWi-Fiを比較してみた

現地情報の検索やGoogle Map、メールにLINEにSNS……。海外旅行をより快適にするためには、スマホやタブレットが欠かせないものになりました。

現地でインターネット回線につなげるにはいろいろな方法がありますが、

①契約している携帯電話会社の国際ローミングを使う
②現地のホテルやカフェ、空港で無料(または有料)のWi-Fiを使う
③Wi-Fi機器(ルーター)をレンタルする

以上が、よく知られている一般的な方法でしょうか。

仕事柄、海外出張の多い筆者がこれまで主に利用していたのは③です。理由は“低コストで、常につながるから”。

①は1日あたりの料金が高いのと、その携帯電話またはスマホ1台だけしかつながらないのがネック。PCやタブレットもインターネットにつなげたい場合、やはりWi-Fiがあると便利です。②もよく利用しますが、場所が限られてしまうのが残念なところ。

そんな中、知り合いから「海外では、SIMフリーのWi-Fi機器が安くて便利だよ」という情報を聞いて……。

 

■SIMフリーWi-Fi機器に初めて挑戦!

P7304820-1 「NETGEAR/AirCard LTE対応 SIMフリー モバイルホットスポット(モバイルルーター)AC785」(左)と、レンタルWi-Fi(右)

ちょうど出張でインドネシアへ行くことになったので、噂のSIMフリーWi-Fi機器を試してみることに。ハワイや韓国、台湾など日本人観光客向けのサービスが整った国とは異なり、わからないことも多そう…。検証するにはもってこいの国ですね。

今回用意したのは「NETGEAR Wi-Fiモバイルルーター」(↑写真左)。これがいわゆるSIMフリーWi-Fi機器。現地でプリペイドSIMカードを購入して、これにセットすればインターネットに接続できるそうです。Amazonで1万円ちょっとで買えました。

一方、写真右はWi-Fiレンタル会社から借りてきたモバイルルーター。事前にネットで申し込み、羽田空港で受け取ってきました。1週間のレンタルで料金は5,900円(保証金を付けると+3,500円)でした。

 

■現地でプリペイドSIMカードを買ってみた

インドネシアへ到着後、プリペイドSIMカードを買えるところを探しました。

空港で購入するのが一番簡単なのですが(国際空港ならほぼ売っています)、この日マカッサル空港に到着したのが深夜0時。携帯電話ショップを見つけることができなかったので、翌日街中で探すことにしました。

携帯電話の写真が描かれた看板が目印。ちょっと怪しい雰囲気…… 携帯電話の写真が描かれた看板が目印。ちょっと怪しい雰囲気……

翌朝、市場で見つけたのがこちらの店。露店のようなあまりに簡単な店構えに、本当にここで買えるの? 偽物じゃない?? と、入るのに勇気がいりましたが……。ごめんください〜

ショーケースにはプリペイドSIMカードがずらり ショーケースにはプリペイドSIMカードがずらり

壁には料金が書かれた紙が貼られている 壁には料金が書かれた紙が貼られている

店に入ると、いろんな会社のプリペイドSIMカードが並べられていました。
壁に貼られた紙を見ると、

A社:2GB、85,000ルピア(約680円)
B社:3GB、63,000ルピア(約500円)

と、メーカーによって料金はバラバラ。おそらくですが、この国では販売店ごとの料金も違うのでしょう。空港で買うと、もう少し高いという話も聞きました。

インドネシア語ができない筆者は、簡単な英語で注文を。

私「Wi-Fi機器用のプリペイドSIMカードください」

店員さん「携帯電話じゃないの?」

私「はい、携帯じゃなくてこれで使いたい」(Wi-Fi機器を見せる)

店員さん「マイクロサイズだね?」

私「はい」

SIMカードには「マイクロSIM」や「ナノSIM」など異なるサイズがあるので注意が必要です。Wi-Fi機器の実物を見せて注文するのが、間違いないと思います。

Telekomsel社のプリペイドSIMカード「sim PATI」 Telekomsel社のプリペイドSIMカード「sim PATI」(SIMカード部分は取り外された状態)

今回は最低限つながればいいと思ったので、2GBで約680円のSIMカードを購入。種類の多さにどれを選べばいいのかわからなかったのですが、現地在住の方に「Telekomsel社はインドネシアの大手キャリア」と教えていただき、Telekomsel社のものを選びました。このSIMカードの有効期限は30日間です。

 

■SIMカードの初期設定は店員さんにおまかせ

さて、お目当てのプリペイドSIMカードは無事に買えましたが、慣れない筆者はこの時点でちんぷんかんぷん……。SIMカードのパッケージにはインドネシア語しか書かれておらず(英語もない!)、これを設定するのは至難の業。 店のお兄さんに泣きついて、「セッティングもプリーズ……」!

店の携帯電話にSIMカードを入れて開通作業をしてくれた 店の携帯電話にSIMカードを入れて開通作業をしてくれた

初期設定が完了したSIMカードをWi-Fi機器に装着 初期設定が完了したSIMカードを筆者が持参したWi-Fi機器に装着

慣れたようすで店員さんが初期設定をしてくれました。最初に「Wi-Fi機器用か?」と確認されたのは、携帯電話用とはこの初期設定の方法が違うのかもしれません。

このプリペイドSIMカードは、SIMフリーの端末であればスマホやiPadなどのタブレットでも使えます。その場合は、この初期設定が終わった時点ですぐにインターネットに接続できるとのこと。

 

■専用アプリまたはPCからセットアップ

SIMフリーWi-Fi機器の場合は、初期設定が完了したら接続の設定が必要です。

スマホに専用アプリ「NETGEAR AirCardアプリ」を入れておくと設定が簡単とのことですが、日本でダウンロードしてくるのをうっかり忘れてしまい……(現地ホテルの無料Wi-Fiでは速度が遅くダウンロードできませんでした)。

ノートPCから「ホットスポットWeb管理ページ」を使って設定することにしました。ここではMacBook Airを使用。ウィンドウズからも設定可能です。

 

▼SIMカードを装着したモバイルルーターの電源を入れます。画面の表示にしたがって電源ボタンを長押しして再起動。

 

▼液晶ディスプレイにこのような表示がされました。

①契約プロバイダー名(SIMカードのTelekomsel社が表示されました)
②上段がWi-Fiネットワーク名、下段がWi-Fiパスワード
③Wi-Fiの通信状況。まだ未接続のため電波マークは黒(通信中は紫になる)
④データ使用量(まだ未接続のため0.00GBと表示)

 

▼PCからhttp://netgear.aircardにアクセスして、サインイン欄に初期パスワードを入力(モバイルルーター購入時に設定したパスワード)。 サインインしたら「設定」(左の欄)から>ネットワーク>APNを選択します。

1-1

▼説明書にはこの画面に「任意の名前、APN、ユーザー名、パスワードを入力」と書いてあったのですが、どうしてもそれでは上手くいかず……。最初から表示されていた「Default」を選択したら、スムーズに接続ができました。

2-1

▼ここからは通常のWi-Fi設定と同じです。PCのインターネット接続から、液晶ディスプレイに表示された「Wi-Fiネットワーク名」を選択。続けて液晶ディスプレイに表示された「Wi-Fiパスワード」を入力します。 すると、PC画面上では左の欄に「インターネットに接続されています」の文字。右上にはデータ使用量が表示されます。

32-1

▼モバイルルーターの液晶ディスプレイではWi-Fi電波マークが紫に変わり、通信していることがわかります。こちらでも「データ使用量」の確認が可能。

以上でセッティングは完了です。この設定自体にインターネット環境が必要なので、ホテルやカフェの無料Wi-Fiを利用するといいと思います。

購入したSIMカードが2GBだったので、すぐにデータ量が超えてしまうかな? と心配でしたが、普段のように検索をしたりGoogle Mapを使ったり、メールやLINEをしても2GB以内で1週間問題なく使えました。動画閲覧などはしていません。

 

■SIMフリー端末とレンタルWi-Fi、比較すると?

今回の例では、1週間の利用で

SIMフリーWi-Fi機器(2GB):約690円
レンタルWi-Fi(通常プラン1日250MB=7日1.75GB):5900円 ※保証金を付けると+3,500円

という結果になりました。

コスト面だけで見るとSIMフリーWi-Fi機器に軍配が上がりますが、実際に使ってみて感じた、それぞれのメリット/デメリットをまとめてみます。

 

●SIMフリーWi-Fi機器のメリット/デメリット

<メリット>
・国際ローミングやレンタルWi-Fiに比べて、とにかく安上がり。Wi-Fi機器さえ持っていれば、どこの国でも使える。
・プリペイド式なので、購入時に払った料金以上の請求がないので安心。

<デメリット>
・現地でプリペイドSIMカードを買うまではWi-Fiが使えない。時間のないときや、不便な場所では購入店を探すのが面倒になることも。
・プリペイドSIMカード購入や、接続の設定に慣れるまではちょっと大変。

 

●レンタルWi-Fiのメリット/デメリット

<メリット>
・日本でWi-Fi機器を借りてから行けるので、現地到着後すぐに使える。
・国際ローミングよりは安上がり。

<デメリット>
・SIMフリーWi-Fi機器に比べると割高。1日につき○○円というレンタル会社が多いので、日数が多いほどコストがかかる。

 

今回インドネシアで試してみましたが、国によってプリペイドSIMカードの価格相場も異なると思います。例えばハワイのSIMカード事情を調べてみると、同じ2GBでも3000円程度するようなので、よく判断してから使うのがおすすめです。

筆者の個人的な感想としては、韓国や台湾などの近場で2〜3日程度の滞在であればレンタルWi-Fiの方が手軽で便利だと思いました。

一方、一週間以上の旅行や長期滞在の場合は、SIMフリーWi-Fi機器の方が断然おトクでしょう。使いたい分だけプリペイドSIMカードを買い足せばよいので、明朗会計な点も安心。1年に何度も海外へ行く人は、SIMフリーWi-Fi機器を持っていると何かと活用できると思います。

渡航先や期間によって、自分に合った方法を探してみてください。

 

(取材・文/大野麻里

おおのまり/エディター・ライター おおのまり/エディター・ライター

美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がけている。得意ジャンルは住まいやインテリアなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係など。シンプルで機能的なものが好き。働く主婦の目線で執筆。

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