スマホカメラ"進化”の最前線に迫る【買って得モノ&夏のトレンド大調査】
&GP / 2024年6月14日 20時0分
スマホカメラ"進化”の最前線に迫る【買って得モノ&夏のトレンド大調査】
【買って得モノ&夏のトレンド大調査】
スマホの機能の中でも進化が著しいカメラ。特に最近はレンズやセンサーなどを強化した高性能モデルが続々と登場。驚くほどに美しい写真を撮れる最先端のスマホカメラに迫る。
* * *
スマホには年々多彩な機能が盛り込まれていくが、中でも各メーカーが注力しているのがカメラ機能。画素数アップやレンズの複眼化に加え、近年は編集機能やAIの採用も話題になっている。最新の上位モデルにもより高性能化したカメラが搭載されているが、注目すべきは「自然で美しい本格的な写真を撮れること」だとITライターの村元さんは指摘する。
「少し前はAIによる補正で色の鮮やかさや肌がきれいに撮れることが注目されていましたが、最新機種では自然な仕上がりを強調する機種が目立ってきました。これはセンサーサイズの大型高性能化やレンズ性能が向上するなど、ハード面の進化によるところが大きいでしょう。RAW撮影にも対応し、プロカメラマンも納得する本格カメラのような画質に迫っています」
レンズに関しては複数枚を横に配置し、プリズムで屈折させるペリスコープ型を採用するものも登場。本体の厚みを保ったまま光学5倍以上の望遠ズームが可能な機種が増えてきた。
「デジタルズームではなく、画質が劣化しない光学ズームで望遠撮影ができる機種が昨年あたりから増えています。一部の機種ではこれをポートレートやマクロ撮影にも利用し、自然なボケ味や歪みのない接写も楽しめるようになってきました」
一方で、AIや編集機能など従来からある機能もブラッシュアップされている。
「AIによる補正はよりナチュラルになってきた印象で、消しゴムマジックに代表される編集機能は被写体の移動や明るさなどの緻密な補正など、自由度が増しています。また、HDRも強い逆光での黒つぶれや顔の影をきれいに明るくするなど、より高度に進化しています」
手軽に撮れて本格画質、さらに撮影後の編集も簡単と、スマホのカメラは専用機に迫る高性能化が進んでいる。「高性能モデルを撮影メインの2台目として持つ人も増えている」(村元さん)ようで、ますます活躍の場が広がっていきそうだ。
ITライター/村元正剛さん
iモードが開始された1999年からモバイル市場を追い、新機種のレビュー記事などを雑誌やWeb媒体に寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている
<本格進化01>
■光学性能の本格化で自然な高画質を実現
ここ数年はHDRやAI、編集機能など、ソフト面での機能が注目されてきたが、最新の上位モデルはハード面で進化している。レンズは3眼以上が当たり前で、光学ズームレンズ搭載モデルも目立つ。センサーも1インチの大型サイズや高感度・低ノイズ仕様が目立ち、本格カメラのように光学性能に力を入れたスマホカメラが増えている。
▲光学望遠ズームを含む高性能な複眼カメラモデルが増加。Xiaomi 14 Ultraは可変絞りも備え、ハード面での進化が進んでいる
■ライカ監修の4眼カメラでハイクオリティな撮影体験
Xiaomi
「Xiaomi 14 Ultra」(19万9900円 ※SIMフリー)
光学望遠ズームを含む高性能な複眼カメラモデルが増加。Xiaomi 14 Ultraは可変絞りも備え、ハード面での進化が進んでいる(村元さん)
SUMMILUXレンズをはじめライカ監修の高性能4眼カメラを搭載。12mm相当の超広角から240mm相当の望遠まで幅広い画角をカバーする。ダイナミックレンジが広い1インチセンサーも採用。望遠マクロ撮影にも対応する。
【SPEC】●メインカメラ:約5000万画素(23㎜相当)+約5000万画素望遠(75㎜相当)+約5000万画素ペリスコープ(120㎜相当)+約5000万画素超広角(12㎜相当)●フロントカメラ:約3200万画素
▲バッテリー内蔵グリップなどを同梱するフォトグラフィーキットを本体購入者への無償プレゼントするキャンペーンも実施している
▲カメラ機能ではレンジファインダーを模したUIを採用。6つの焦点距離を切り替えたり、設定を変えたりしながら撮影を楽しめる
<本格進化02>
■望遠ズームレンズでマクロもポートレートも美しく
光学ズームレンズを搭載する機種では、望遠撮影だけでなくマクロ撮影などにもこのレンズのメリットを応用。被写体にグッと近寄りつつ、ピントを合わせた部分は緻密に、周囲はきれいにボケさせて写せる。従来のマクロ撮影と違い、歪みがないところも特徴。肉眼では捉えられない細部まで、高い描写力で表現できる。
▲望遠光学ズームレンズはポートレートでも効果を発揮。大型センサーと相まって手前も奥もきれいにボケた写真を撮れる
■高性能なセンサーとレンズで本格カメラの高画質に迫る
ソニー
「Xperia 1 Ⅵ」(実勢価格:19万前後~ ※SIMフリー)
光学7.1倍ズームまで対応し望遠もマクロもポートレートも高画質。動画性能にも優れ、Vlogやライブ配信に便利な機能も備えています(村元さん)
光学7.1倍ズームが可能な望遠レンズや新開発の積層型CMOSセンサーを搭載したフラッグシップ。テレマクロ撮影機能や人物を高精度に認識する瞳AF、姿勢推定技術も備え多彩な被写体を鮮明に撮れる。最高30コマ/秒のAF/AE追従高速連写機能も搭載。
【SPEC】●メインカメラ:約4800万画素広角(24㎜相当/48㎜相当・約1200万画素の切り出しにも対応)+約1200万画素超広角(16㎜相当)+約1200万画素望遠(85-170㎜相当)●フロントカメラ:約1200万画素
▲メインカメラは光学望遠ズームレンズを含む3眼構成で、16〜170mm相当までカバー。シャッターボタンも備える
■ライカならではの撮影体験がさらに進化
ライカ
「Leitz Phone 3」(実勢価格:19万5700円前後)※ソフトバンク
カメラ機能から本体デザインまで、ライカの世界観を再現したモデル。ライカらしい撮影を楽しめるLeitz Looksモードに6段階の可変絞りと2つの色調フィルターを追加。パース歪み補正機能も新たに搭載した。専用レンズキャップやケースを同梱する。
【SPEC】●メインカメラ:約4720万画素(19mm相当)+約190万画素測距用センサー●フロントカメラ:約1260万画素(27mm相当)
■高性能カメラ+高度な編集機能で自由自在
Google
「Google Pixel8 Pro」(15万9900円~ ※SIMフリー)
光学5倍ズーム対応の望遠カメラを含む3眼構成の背面カメラを搭載。シャッタースピードやISOなどを細かく調節できるプロ設定機能も備える。簡単操作で明るさ補正や背景の調整、被写体の移動などができ、撮影後の編集機能も充実。
【SPEC】●メインカメラ:約5000万画素広角+約4800万画素超広角+約4800万画素望遠(5倍)●フロントカメラ:約1050万画素
■動画も撮りやすいトレンドセッター
アップル
「iPhone 15 Pro」(15万9800円~)
3段階で焦点距離を変えられる広角カメラや光学3倍ズームに対応した望遠カメラなど、3眼構成の背面カメラで幅広い被写体に対応。モード切り替えなしでポートレート撮影や、撮影後にピント位置を変えられる機能も備える。高度な手ぶれ補正機能も搭載。
【SPEC】メインカメラ:約4800万画素広角+約1200万画素超広角+約1200万画素望遠(3倍)●フロントカメラ:約1200万画素
※2024年6月6日発売「GoodsPress」7月号26-27ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/TAYA>
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