走りと居住性はまるでリムジンのよう!アウディのプレミアムクラスSUV「Q6 e-tron」はテクノロジー好きの心もグッとつかむ
&GP / 2024年7月28日 13時0分
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走りと居住性はまるでリムジンのよう!アウディのプレミアムクラスSUV「Q6 e-tron」はテクノロジー好きの心もグッとつかむ
アウディの最新モデル「Q6 e-tron(イートロン)」はバッテリー駆動のSUV。みなさんが好きなSUVも、どんどんEV化しています。なかでもアウディは、早い時期からバッテリー駆動のSUVを手がけてノウハウ豊富。2024年6月に試乗会が開催されたQ6 e-tronは、アウディが重視するプレミアムクラスに属するSUVであります。
■インカーゲームをはじめとしたデジタルインテリアが充実
▲ダッシュボードの造形は曲線を多用したものとなり、モニターの大きさが目をひく
テクノロジーが好きな人たちからも注目されているモデルです。ひとつは、ライティングテクノロジー。前後のランプに使うLEDでもって、歩行者や前後の車両にメッセージを送る機能が搭載されています。
もうひとつは、アウディ言うところのデジタルインテリア。ドライバーのためには大型の液晶モニター2つ。さらに助手席の乗員用にもモニターが用意されます。アプリケーションの種類は豊富で、サードパーティが開発したゲームなどもダウンロードして楽しむことができるのです。
実際に、ドライバーズシートに座った状態で、ゲームを楽しませてもらいました。自分が操縦するスペースシップが狭いゲートをくぐり、どんどん先へと進んでいくゲームです。加速はアクセルペダルで、宇宙船の傾きは左右のパドルシフト(走行中は回生ブレーキの強弱をコントロールするために使用)で、というぐあい。
シンプルなゲームですが、けっこう熱くなってしまいました。中央のモニターで指を使って操舵するドライビングゲームを楽しむこともできます。
▲デジタライゼーションの拡大でインカーゲームも楽しめる
いま、ドイツのメーカーを中心にインカーエンターテインメントが増えています。なぜかと尋ねるとアウディの担当技術者は「充電中のお楽しみです」と答えてくれました。一方、助手席ならば走行中も楽しめます。運転手の注意をそらさないため、画面を見えないようにするマスク機能もそなえています。
充電中、クルマでじっとしているのもツラくて、つい車両から離れてコーヒーを飲みに行く、なんていうのはバッテリー駆動のEVではよくあること。充電が終わってもすぐに戻ってこられず、充電待ちでイライラする人と鉢合わせして気まずい思いをする、なんてこともあります。
車内にいれば、そういうこともないし、意外に充電に行くのが楽しみになる、なんてこともあるかもしれません。私はBMWの取材で、アプリを含めたOSを開発しているスタジオを訪ねたことがあります。アウディも同様のスタジオを複数所有しているとのことでした。時代は変わっている、と痛感します。
ただし急速充電ステーションを使えば、わずか10分で255km走れるだけの充電が可能なので、幸か不幸か、充電中ゆっくりしていられる時間は限られているかもしれません。
▲運転席にはパノラマディスプレイ、助手席にも専用モニター
■スムーズな走りと広い室内は“SUVの形をしたリムジン”のよう
▲スペイン・バスク地方にて
Q6 e-tronは、PPE(プレミアムプラットフォーム・エレクトリック)というバッテリー駆動のEVのなかでもプレミアムクラス向けに開発された車台を使っています。24年1月に発表された新型ポルシェ・マカンと基本は共用です。
Q6 e-tronは、全長4.7mの車体を持ち、ボディ外寸はQ4 e-tronとQ8 e-tronとの間。全長を見ると、Q4 e-tronより約20cm長く、一方、Q8 e-tronよりも13cm短くなっています。アウディでは「最も重要なプレミアムミッドクラスのセグメントに向けたモデル」と説明しています。
▲リアクォーターパネルは前傾角度がやや強くなった印象でスポーティな雰囲気
▲小さくなった車体同色グリルとその下のブラックアウトしたエアダムが斬新な印象
▲PPEプラットフォームにより長いホイールベースと短い前後オーバーハングによるパッケージが実現
私が乗ったモデルは、Q6 e-tron(四輪駆動の285kWモデル)と、よりスポーティなSQ6 e-tron(四輪駆動の360kWモデル)。パワートレインは、駆動用バッテリーと電気モーター。2基を前後に搭載した全輪駆動のクワトロです。カタログにはややパワーを抑えて燃費効率を追求したモデルや、モーター1基のみリアに搭載した後輪駆動も載っています。
▲よりパワフルで足回りがスポーティなSQ6 e-tronも同時に登場
スムーズで静かな走りと、広い室内は、SUVの形をしたリムジンのようです。私が走ったのはスペイン・バスク地方で、ビルバオとサンセバスチャンの間の海岸線が中心で、途中、山岳路にも入りました。
前記のように、コンパクトとは言えないサイズですが、正確なステアリングと、反応のいい加速と減速、それに後輪操舵システムもあって、狭い道でも不安感なく走れました。荷室容量も526リッターあるので、キャンプに行くのもよさそうです。
▲デジタルOLEDリアランプには自車の状態などを知らせるコミュニケーションライトが組み込まれた
▲広く使い勝手のいい荷室は実用的
ボディデザインも斬新で、いままでのアウディと一線を画したフロントマスクがとりわけ目を惹きます。日本への導入時期は、あいにく未定とのこと。このさき、ボディバリエーションが増えたり、より高性能なモデルの追加とかもあるかもしれません。なかなか目が離せないモデルです。
【Specifications】
Audi Q6 e-tron(SQ6 e-tron)
全長×全幅×全長:4771×1939×1648mm
ホイールベース:2899mm
車重:2325kg〜(2350kg〜)
電気モーター:前後1基ずつ
駆動:全輪駆動
バッテリー容量:100Wh(総量)
トータル出力:285kW(360kW)
最大トルク:前輪275Nm、後輪580Nm(同)
充電走行距離:540〜625km
<文/小川フミオ、写真提供/Audi>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
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