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フツーのメガネの感覚で使えるXRグラス「MiRZA」。その使い勝手は?

&GP / 2024年9月16日 9時0分

フツーのメガネの感覚で使えるXRグラス「MiRZA」。その使い勝手は?

フツーのメガネの感覚で使えるXRグラス「MiRZA」。その使い勝手は?

NTTコノキューデバイスが、初のXRグラス「MiRZA(ミルザ)」を発表しました。軽量のメガネ型デバイスで、対応スマホと無線で接続して使う仕組み。今秋発売予定で、希望小売価格は24万8000円となっています。発売に先駆けて、体験することができたので、使用感を交えて紹介します。

▲MiRZAは今年の秋に発売予定。主に法人向けに販売されるが、ドコモオンラインショップ、amazonなどで一般ユーザーも購入可能

まず、NTTコノキューデバイスという会社について。NTTドコモが100%出資する「NTTコノキュー」という会社があり、2022年10月からXR、メタバース、デジタルツイン領域の事業に取り組んでいます。そして、2023年4月にNTTコノキューとシャープが合弁で設立した会社がNTTコノキューデバイスで、新しいXRデバイスの企画・開発を行っています。

 

■スマホとワイヤレスで接続して使える

今回発表されたMiRZAは、同社が初めて開発した製品。主に法人の利用が想定されていますが、個人でも購入できます。

▲MiRZAのパッケージ。遮光のためのシェード、充電用のUSB-Type-Cケーブルなどが同梱されている

▲シェードは半遮光と全遮光の2タイプを付属

最大の特徴は、バッテリーを搭載しながら約125gという軽さで、フツーのメガネに近い感覚で装着できること。専用アプリをインストールしたスマホと無線(BluetoothとWi-Fi)で接続し、完全にワイヤレスで使えることも利点。

▲MiRZAの利用イメージ

透明のグラスには数本の横線があり、フレームの内側から投影された映像がそこに反射して見える仕組み。ディスプレイの解像度はフルHD(1920×1080)で、視野角は45°(対角)。輝度が約1000ニトと、かなり明るいことも特徴。3つのカメラが搭載されていて、空間を認識し、6DoFコンテンツ(ユーザーが首を前後・左右・上下に振ることに加えて、歩行しながら体験することも可能)を楽しむこともできます。

▲グラスの上部にMicroOLEDが搭載されていて、グラスのミラーバー(線がある部分)に映像が反射される仕組み

▲中央にフルHDのカメラを搭載。左右に空間認識用のカメラを搭載している

プロセッサーにはクアルコムの「Snapdragon AR2 Gen 1」を使用。これによって、グラス内でのソフト処理を分散させられ、スマホとの無線接続を実現。スマホと接続した状態で、カメラでの撮影、通話なども行え、複数の画面を同時に表示したりすることもできます。対応するスマホは、発売当初はAQUOS R9だけですが、順次拡大される予定です。

▲対応スマホは当初はシャープ製のAQUOS 9のみだが、今後増える予定

 

■MiRZAの使い心地は?

発売に先駆けてMiRZAを実際に体験してみました。形状はちょっとフレームが太いメガネといった印象。約125gなので、一般的なメガネよりは重いのですが、つるの先(後方)にバッテリーが搭載されて、装着時に重さを感じないバランスになっていました。なお、パリミキとアイジャパンとの協業で、視力補正用のレンズも用意されるとのことで、筆者はそれを装着して体験しました。

▲つるには4つのマイク、2つのスピーカー、タッチセンサーを搭載。上から見ると、つるは太いが、横から見ると細く、フツーのメガネのように見えるデザインになっている

操作はスマホにインストールした「MiRZA」アプリで行う仕様。スマホからグラスを通して見える3D空間にレーザー光線のようなものが投影され、メニューの項目などを選択・実行できる仕組み。

対応するコンテンツとして、まず、リアルタイム翻訳を行える「XRAI Glass」を体験。グラス上に翻訳された文章が表示され、相手の顔を見ながら会話ができる仕組み。ほとんどタイムラグは感じず、文字を表示する位置を変えることも可能。同梱のシェードを重ねて使うことで、よりクッキリ文字を読めるようにすることもできます。

▲リアルタイム翻訳はスマホでも利用できるが、MiRZAを利用することで相手の顔を見ながら会話できるのが利点

美術館・博物館向けのアプリ「ARミュジーアム」も体験。バーチャル空間に展示された作品を鑑賞できることに加えて、実際に手に取って、裏側を見るといったバーチャル体験もできました。

▲美術館で作品に触れて、細部を確認するような体験ができる

「GHOST HUNTER」というゲームもやってみました。空間に隠れている6つのゴーストを手の平から投影される光で捕まえる6DoF対応コンテンツで、自由に動きながら直感的なプレイを楽しめました。

▲スマホアプリでゴーストの位置を確認して、その方向を向いて手をかざしてキャッチする仕組み

ほかに、法人向けの遠隔作業をサポートするアプリも体験。実空間に重ねて、操作する箇所が表示されるのでわかりやすく、小型のメガネ型デバイスなので、ヘルメットを被った状態でも装着しやすいというメリットがあるそうです。

 

■来年には一般ユーザー向け第2弾を発売予定

NTTコノキューデバイスの堀 清敬社長は「まずこの初号機を世に送り出し、利用シーンを創出したい」とのこと。2025年には一般コンシューマー向けの2号機を発売予定で、「“ほぼメガネ”をさらに追求して、買いやすい価格を実現したい」と話していました。

▲NTTコノキューデバイスの代表取締役社長の堀 清敬氏

▲堀社長にMiRZAをかけてもらった。装着した状態でも表情がわかることも利点

XRグラスは徐々に増えつつありますが、MiRZAは閉塞感がなく、ケーブルレスで利用できるのが魅力。ただし、連続使用時間は1〜1.5時間程度で、長時間の使用にはモバイルバッテリーの接続が必要となります。連続使用時間がもう少し延びて、利用できるコンテンツが増えたら、一般ユーザーにとっても魅力あるデバイスになりそうです。今後の展開にも期待しましょう。

>> NTTコノキューデバイス「MiRZA」

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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