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穴あき「LinkBuds Open」vs.ノイキャン対応「LinkBuds Fit」。ソニーの新作ワイヤレスイヤホンレビュー

&GP / 2024年10月13日 7時0分

穴あき「LinkBuds Open」vs.ノイキャン対応「LinkBuds Fit」。ソニーの新作ワイヤレスイヤホンレビュー

穴あき「LinkBuds Open」vs.ノイキャン対応「LinkBuds Fit」。ソニーの新作ワイヤレスイヤホンレビュー

ソニーが10月11日に完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」を発売しました。

“LinkBuds”シリーズといえば、2022年に登場した、特徴的な穴あき形状で周囲の音が聞こえる“リング型ドライバーユニット”採用の完全ワイヤレスイヤホンが元祖。その後、密閉しつつも外音取り込みを重視した「Linkbuds S」も登場とラインナップを拡大してきました。

▲10月11日に発売されたソニー「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」。実売価格はいずれも2万9700円

今回登場した「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」は、従来のLinkBudsシリーズに対する久々のアップデート。「LinkBuds Open」は“リング型ドライバーユニット”採用モデルの後継機種。「LinkBuds Fit」はイヤーピースの付いたカナル型の密閉タイプながら、軽い着け心地でフィットしつつノイズキャンセルにも対応する新コンセプトです。

2024年仕様の“Linkbuds” 2機種の完成度を装着性、周囲の音の聞こえ具合、音質をポイントにチェックしてみました。

 

■周囲の音が聞こえるだけでなく装着感にも特徴あり

▲(左)「LinkBuds Open」、(右)「LinkBuds Fit」

「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」、どちらもワイヤレスイヤホンとしては小型ではなく、むしろ装着感の形状の工夫がなされています。

▲ドーナツのようにイヤホン中央部に穴の空いた「LinkBuds Open」

「LinkBuds Open」は、オリジナルのLinkbuds由来の“新開発11ミリのリング型ドライバーユニット”が特徴。オープン型ではありますが、そのオープンの方法がドライバーユニットに穴を開けて周囲の音が取り込む方式。いまだライバル機は存在しません。

下側(耳穴側)にドライバーユニット部が収まり、上側も耳にすっぽりハマる形。新機種では、空気を含み柔らかい新開発“フィッティングサポーター”が上部から伸びる形で耳に当ててサポートする形状。ちなみにIPX4相当の防滴にも対応しています。

▲2つの円のような形状が耳の上下に収まる

実際に装着してみると、筐体の硬さが耳にダイレクトに当たるという前機種の仕様のままなので、若干耳への負担があるかもしれません。また本体は滑りやすくフィット感は弱めなので、サポーターの当たりによる装着サポートが重要ですね。

バッテリー性能はイヤホン単体で最大8時間再生、充電ケースを併用で22時間再生が可能です。

▲カナル型の「LinkBuds Fit」だが、ノズルの浅さが特徴

一方「LinkBuds Fit」は、一見すると普通のカナル型のデザイン。ただし装着感の軽快さを意図して設計されていて、イヤーピースが浅く、耳の奥まで入らないほか、“Linkbuds Fit用エアフィッティングサポーター”が耳への固定をサポートします。

▲耳に浅くフィットしながらサポーターで固定する形状

装着感は、耳への収まりが浅いのはコンセプト通り。また本体部分の筐体の膨らみが大きく、密閉感としても固定感としても低くなるところがポイント。サポーターもフィテックングを支えますが、むしろ筐体サイズが耳に合うかがフィット感を左右しそうです。

なお、バッテリー性能は最大5.5時間で、充電ケースを併用すると合計21時間まで使用可能です。

「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」とも製品コンセプトして掲げるのは、周囲の音が聞こえるイヤホンであること。ということで、2機種を屋外に持ち出してテストしてみました。

まずは「LinkBuds Open」から。

▲音楽リスニング中も周囲の音を自然に感じられる「LinkBuds Open」

イヤーピースに穴が空いているので、当然周囲の音が聞こえます。耳穴の開口部が狭まるので周囲の音も若干狭まるものの、それでも自然な音ですね。音楽リスニング中でも、音量次第ではありますが周囲の音が自然と聞こえ、街中や駅のなかなどの安全確保としては完璧。音漏れも確認してみたところ、通常の音量ではまず気になりません。

一方「LinkBuds Fit」は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載。「WF-1000XM5」と同じ“V2プロセッサー”によって、ノイズキャンセルと外音取り込みを切り替えられる仕様です。

▲外音取り込みとノイズキャンセルの切り替えが特徴

外音取り込みは強力で、音楽リスニング中でも周囲の音がハッキリ聞こえます。やや高域側が強めになりますが、安全確保としてはよく機能しますね。新しくなった“Sound Connect”アプリを使うことで、取り込む音量を調整する“自動外音取り込み”と“ボイスフォーカス”も設定可能とカスタマイズも豊富です。

▲さらに外音取り込みは20段階の調整にも対応

そして「LinkBuds Fit」はノイズキャンセルによる騒音低減にも対応。実際に電車内や駅構内で効果を体験してみると、カナル型のワイヤレスイヤホンとしては中程度の性能で、特に駅構内のガヤガヤとした騒音を大幅にボリュームダウン。ただ電車の走行音に対しては低音側の騒音も残っていて密閉度の低さによる影響がありそうです。また、ノイズキャンセルの違和感が出るところは気になりました。

では両機種の音質もチェックしてみます。

▲スマホ「Xperia1Ⅳ」と接続して音質チェック。「LinkBuds Open」はSBC/AAC/LC3対応で、「LinkBuds Fit」のみLDACにも対応

「LinkBuds Open」は歌声も自然に浮かぶナチュラル志向の中高域の再現に、ゆったりとした重低音が特徴で、周囲の音が聞けるイヤホンとして高音質なサウンドです。ただ注意してほしいポイントとして、音楽リスニング中は常に騒音の影響があるため、電車内などの騒音下では特に低音が聞こえにくくなります。

▲「LinkBuds Open」は騒音に応じてアプリで音質カスタマイズを推奨

ここはイコライザーの出番で“Sound Connect”アプリでBass Boostなどの設定に切り替えてみると良さそうです。また初期設定ではオフの“DSEE”をオンにした際の音質アップ効果も大。積極的にサウンドをカスタマイズして遊びたい機種ですね。

一方、「LinkBuds Fit」はデフォルトからリッチな低音と高域のキレを備えた軽めのドンシャリサウンド。臨場感あるサウンドを求めるならこのまま聞いても良いサウンドですが、“外音取り込み”でも“ノイズキャンセル”でも周囲の騒音の影響があるので、こちらもアプリでカスタマイズの出番。

▲「LinkBuds Fit」はデフォルト含めさまざまなEQを試してみてほしいところ

イコライザー設定はお好み次第ですが、高域を押さえて低音をブーストする“Mellow”や、中高域に厚みを持たせる“Bright” “Vocal”などそれぞれにサウンドの面白さがあります。また、本機では“DSEE Extreme”も利用可能でサウンドがさらに空間志向になるので活用してみても良いでしょう。

なお、2機種共通の仕様としてBluetooth 5.3仕様でマルチポイント接続に対応。ソニーの新しい「Sound Connectアプリ」によるファインド・ユア・イコライザーやボタン操作設定、更には新機能の音声コントロールなど盛りだくさん。これら機能性はソニーの大手ブランドらしい完成度の高さです。

*  *  *

「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」、どちらも周囲の音が聞こえることを重視した個性派モデル。そして、周囲の音が聞こえることに振り切るなら「LinkBuds Open」、外音取り込みをメインにしながら時々ノイズキャンセルも使いたいなら「LinkBuds Fit」かなという選択。

注意してほしいことは、「LinkBuds Open」と「LinkBuds Fit」ともに、装着形状が特殊であること。個人の耳へのマッチングが通常のカナル型イヤホン以上に重要で、形状が合わないと耳が痛くなるかもしれません。2機種とも実勢価格で2万9700円と安価な機種ではないので、一度家電量販などの店舗で試着して、自分の耳に合うかどうかを確かめてから購入してみることをオススメします。

>> Sony

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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