karrimorの今季新作から見る機能性アウターの現在地【「冬の大本命」アウターとスニーカー】
&GP / 2024年11月7日 20時0分
karrimorの今季新作から見る機能性アウターの現在地【「冬の大本命」アウターとスニーカー】
【「冬の大本命」アウターとスニーカー】
ハードな環境を想定して作られるアウトドアウェアには、常に軽量性や保温性、撥水性といった機能が高いレベルで求められている。今回は「karrimor」に、“ギア”としてのアウターとその進化、そして今季の新作と注目の機能性素材について取材を実施した!
* * *
▲新作以外にも、昨シーズンからの続投モデルにはより保温力の高いものもラインナップ
「昨シーズンまでは、幅広いアウトドアシーンに合わせた製品も多かったのに対し、今季は登山にグッと寄せ、機能性をテーマとしたアイテムを多くラインナップしました」
そう話すのはカリマーの狩野さん。カリマーは1946年の創業以来、バックパックをはじめとする多くのアウトドア製品を手掛けてきた。そのフィールドで培ったノウハウは、アウターにも活用されている。新作の特徴や、注力したポイントを伺った。
「特に意識したのは携行性です。今回新たにダウンウェアを3品番追加したのですが、やはり収納時に小さくできるのはダウンの利点。登山の装備としても優れています。また、羽毛の量も使用シーンやレイヤリングを想定して細かく調整しています。昨年が暖冬だったということもあり、それ一枚で完結するよりは、重ね着で体温を調節するのがオススメですね」
▲コンパクトにサイズダウンできるのもダウンの利点。バックパックへの収納に便利だ
その一方で、タウンで使用されることも想定しているようだ。
「開発シーンは登山を想定していますが、寒さを感じるという点では街中でも同じですよね。登山ウェアではありますが、タウンでも問題なく使えます。また、アウトドア全体のトレンドとして、ナチュラルカラーの採用が増えていますよね。カリマーでも落ち着きのある『クワイエットカラー』を掲げ、街なじみのいいカラーリングを増やしています」
新作の「ultra feather jkt」も落ち着いたトーンのカラーをラインナップ。より街中でも着やすいようアレンジされている。
普段のメインアウターや街着としての使い勝手について、富山さんが次のように続ける。
「『eday down parka』で採用しているダントツ撥水という加工は、100回の洗濯でもはっ水性能を維持してくれます。アウトドア好きといえど、普段は街中で過ごすことのほうが多いはず。その意味では、タウンユースしたいウェアにこそ嬉しい機能です。しかも水だけでなく油も弾くので、より気軽に普段から使っていただきやすいと思いますね」
また富山さんはトレンドに左右されない長く愛用されるものが作れたら、とも語ってくれた。新たな機能かはたまた新しいシルエットか。カリマーからアウターのニュースタンダードが誕生する日が楽しみだ。
カリマーインターナショナル株式会社
商品部 プロダクトチーム 狩野ゆかりさん
カリマーインターナショナル株式会社
商品部 プロダクトチーム 富山武範さん
■プロダクト担当者が推薦する! 今季のオススメアウター3選
今季アウターには新作として3品番が登場。着用したいシチュエーションやその日の気温など、自分にあったモデルを選ぼう。
■雪山の厳しい寒さにも対応する本格アウター!
karrimor
「high loft down jkt」(5万2800円)
積雪期の山行を想定して作られたパワフルなダウンジャケット。その名のとおりハイロフトダウンで保温性が高く、シルエットはオーバーサイズ。また折り畳んでフードに収まるパッカブル仕様が便利。生地表面全体に撥水加工が施されているのも嬉しい仕様だ。
▲強度が求められる部分には40Dタスラン素材を使用。鮮やかなカラーとの組み合わせもイイ
▲保温性を高めるため、首元とフロントフラップにもダウンを封入
■900FPダウンを封入したパッカブルモデル
karrimor
「ultra feather jkt」(4万6200円)
軽量かつ携行時には胸ポケットに小さく収納できる。またポーランド産の高品質な900FP(フィルパワー)ダウンを封入しているので収納時からの回復や保温性も高い。アシンメトリー設計のフロントジッパー、腰ポケット内側には抗菌加工素材を採用している。
▲重ね着時、ウェアとのファスナー干渉を避けるため、中心をズラした設計に
▲胸元にはドットボタンを配置。ジップを開けているときでもバタつきを抑えることができる
■撥水性能を備えたアーバンルックなダウンウェア
karrimor
「eday down parka」(3万9600円)
表生地には100回の洗濯でも撥水性能を維持する特殊加工を施した素材を採用。冬のあいだのメインアウターとして普段使いしやすい。腕部分には「eday」シリーズの特徴であるワッペンを配し、デザインのアクセントに。内側にはインナーポケットも完備。
▲裾のシャーリングは冷気の侵入を防ぐほか、着用時のシルエット形成にも役立つ
▲「ダントツ撥水加工」により付着した水滴はサラサラと表面を滑り、生地への浸透を防ぐ
<ウェアの可能性を広げる「Octa」採用モデルも要チェック!>
「Octa」とは、アウトドア業界でも近年注目を集めている帝人フロンティアの新素材のこと。特殊形状の中空糸で、吸汗速乾性や軽量性、通気性などさまざまな特徴を持つ!
karrimor
「thermal hoodie」(1万8700円)
karrimor
「mountain zip-up」(1万1000円)
今季のkarrimorからは計5種類の「Octa」採用製品が登場。特に上に挙げた2モデルはミッドレイヤーとしてアウターと組み合わせても良し、肌寒いときにサッと羽織るのも良しな広汎性が◎。
内側の起毛形状がデッドエアーを作り保温力も高い。モデルによって糸の織り方が違うので、生地の質感や表情も異なり、速乾性や保温性にも違いがある。使用環境や自分の好みで選ぼう。
※2024年10月4日発売「GoodsPress」11月号72-73ページの記事をもとに構成しています
<写真/湯浅立志(Y2) 取材・文/古澤健太郎(編集部)>
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