最小回転半径4.8mの取り回しのよさ! スズキの“扱いやすい”クーペスタイルSUV「フロンクス」
&GP / 2024年11月17日 17時0分
最小回転半径4.8mの取り回しのよさ! スズキの“扱いやすい”クーペスタイルSUV「フロンクス」
スズキが2024年10月16日に発売した新型SUV「フロンクス」は、乗ってみるとバリューフォーマネー、払った金額に見合う価値が十分ある1台とわかります。
「扱いやすいクーペスタイルSUV」というのが、スズキによるフロンクスのコンセプト。全長4mを切るサイズに抑えられた車体に、1.5リッターマイルドハイブリッドエンジン搭載。車重は1トンそこそこと軽量です。
■ウリは最小回転半径4.8mの取り回しの良さ
スズキの技術陣が、加えて強調するのが、取り回し性の良さ。ホイールトゥホイールの最小回転半径が4.8m。サスペンションシステムをはじめタイヤまわりのレイアウトとともに、195/60R16サイズのタイヤを組み合わせることで、小回りの効く回転半径を実現したと、担当開発者は語ってくれました。
小さな回転半径は、日常使いにおいて、たいへん重要だと私は思っています。ボディサイズがそれなりに大きくて、前後席が広くても、ステアリングがよく切れれば、どんな場所でもすいすいと走れるからです。
思い出すのが、昔(80年代)所有していたフランスのシトロエンのGSという4ドア車です。前輪駆動なのですが、凝ったジョイントを使って前輪がよく切れ、街中で実に扱いやすいクルマでした。当時のメルセデス・ベンツのミディアムクラス(W124まで)も驚くほど切れました。
フロンクスでは、狭い道がくねくねと続くような市街地を走る機会はありませんでした。でも、大きなホテルの駐車場ではたしかに、90度よりきついターンとか、車庫入れとか、やっぱり便利だなあと思わせるような“性能”ぶりを体験させてくれたのでした。
フロンクスでもうひとつ驚いたのが、後席スペースの広さ。メルセデス・マイバッハか? と思うぐらい(ちょっとおおげさですが…)足もと空間に余裕があります。ホイールべースは2520mmで、ヒップポイントで測った前後乗員距離は885mmも確保されているのです。パッケージングがいいのでしょう。そのぶん荷室は210リッターとやや小さめなので(後席シートにスライド機構はありません)割り切りの良さが特徴です。
■高速の回転の伸びはいまひとつながら十分な性能
1.5リッターエンジンは、ターボを持たない自然吸気型。マイルドハイブリッドシステムが組み合わせてあり、発進加速でのもたつきは感じられませんでした。昨今よくあるのは、この程度の排気量のエンジンにはターボチャージャーを組み合わせて、中間加速の伸びをよくする設定ですが、フロンクスはノンターボでも高速の合流でかったるさを感じることはありませんでした。
ただ高速での回転の伸びはいまひとつ。さっそうと交通の流れをリードするというわけにはいかなそうです。もちろん不安はなく、高速では必要十分の性能であります。
■ステアリングは操縦しやすく乗り心地しっかり
▲座り心地のよいシートに、チルト&テレスコピック機能のついたステアリングホイール
ステアリングフィールは、過敏ではないけれど、しっかり中立ふきんで反応してくれます。広いマーケットを担当するSUVのなかには、中立ふきんでハンドルを動かしたときに車体の反応をあえてやや鈍くする設定もみられますが、フロンクスはいい感じです。操縦しやすく、しかも楽しさまで感じられます。
乗り心地も同様で、しっかりとしていますが、路面からの突き上げは抑えられています。スタイルはSUV的ですが、クーペライクなデザイン性をうたうだけあって、乗用車的です。シートの出来もよくて、からだによくフィットしてくれ、振動吸収性にもすぐれていました。とりわけ感心したパーツです。
安全支援システム、「スズキコネクト」というスマートフォンと連動した各種サービス、スマートフォンの画像もみられるインフォテイメントシステム、さらにルーフキャリアやカータープなど豊富なオプションの数々と、日常的な使い勝手をよくしてくれそうな装備がそろうのも、フロンクスの魅力でしょう。
価格は、今回乗った前輪駆動モデルが254万1000円、4WDが273万9000円。2トーンルーフ仕様は5万5000円からのオプションです。
▲スマホ連携メモリーナビゲーションが組み込まれたインフォテイメントシステム
【Specifications】
Suzuki Fronx FWD
全長×全幅×全高:3995×1765×1550mm
ホイールベース:2520mm
エンジン:1460cc直列4気筒(マイルドハイブリッド)
駆動:前輪駆動
最高出力:74kW@6000rpm
最大トルク:135Nm@4400rpm
変速:6段オートマチック変速機
車重:1070kg
燃費:19.0km@L(WLTC)
価格:254万1000円
>> スズキ
<文/小川フミオ>
オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中
【関連記事】
◆激戦区にクーペタイプのクロスオーバーSUV投入!スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」まもなく日本上陸
◆ミニのクロスオーバー型ピュアEV「エースマン」は、“オリジナル・ミニ設計者がいま作るとしたらこんなモデル”を具現化した1台
◆コンパクトでも室内広々!新しいフォルクスワーゲン「T-Cross」の魅力は加速の優れた999cc新型3気筒エンジンにあり
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
スズキが激戦の「コンパクトSUV市場」に新型車投入! 全長4m以下&1.5Lの新型「フロンクス」がかなりイイ!? トヨタ・ホンダのライバル車とどう違う?
くるまのニュース / 2024年12月14日 19時10分
-
スズキの新型「小さな高級車」登場に話題多数! 4m級“流麗ボディ”に斬新「777テールライト」採用! 上質レッド内装もカッコイイ「フロンクス」多彩なカラバリとは?
くるまのニュース / 2024年12月3日 21時10分
-
約100万円! 日産の「新型“コンパクト”SUV」がスゴイ! 全長“4m以内”でMT設定もありってマジ!? 精悍顔もカッコいい「マグナイト」日本導入はいつ!?
くるまのニュース / 2024年12月3日 13時10分
-
スズキの巨大な「3列シートSUV」! 7人乗れる“本格クロカン”は「6気筒エンジン」搭載! 力強い「ラダーフレーム構造」採用した最大級モデル「グランドエスクード」とは!
くるまのニュース / 2024年12月2日 18時10分
-
【スズキ フロンクス 新型試乗】クラスレスな味わいとアフォーダブルな価格設定…島崎七生人
レスポンス / 2024年11月30日 17時0分
ランキング
-
1今年流行った「大人の学び」が明らかに! 2025年に"注目すべきスキル"とは?
マイナビニュース / 2024年12月26日 17時3分
-
2【10年に一度レベルの年末寒波】エアコン暖房の無駄を防ぐ部屋づくりのポイントは? - 節電の基本をダイキンが解説
マイナビニュース / 2024年12月26日 9時31分
-
3トースターでお餅を焼くと中がかたいまま…上手に焼くコツをタイガーが伝授!「予熱」より「余熱」がおすすめ
まいどなニュース / 2024年12月25日 17時45分
-
4「別にいいじゃない」ホテルのアメニティを大量に持ち帰る彼女にドン引き。ファミレスでも“常識外れの行動”に
日刊SPA! / 2024年12月26日 8時52分
-
5【MEGA地震予測・2025最新版】「能登半島地震以上の大きな地震が起きる可能性」を指摘 北海道・青森、九州・四国、首都圏も要警戒ゾーン
NEWSポストセブン / 2024年12月26日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください