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スーパーカブ転換期の今、スーパーカブ&クロスカブの「ちょうど良さ」に再注目!ホンダ担当者にも話を聞いてみた

&GP / 2024年11月23日 11時0分

スーパーカブ転換期の今、スーパーカブ&クロスカブの「ちょうど良さ」に再注目!ホンダ担当者にも話を聞いてみた

スーパーカブ転換期の今、スーパーカブ&クロスカブの「ちょうど良さ」に再注目!ホンダ担当者にも話を聞いてみた

1958年に登場し、現在までに世界中で1億台を超える累計生産を誇る日本のモビリティの代表・スーパーカブ。2018年以降、スーパーカブC125(以下C125)、またカブと同じ横型エンジン搭載のモンキー125といった新設計モデルがリリースされ、2020年には往年のモデル、ハンターカブをモチーフにしたCT125・ハンターカブ(以下、CT125)が登場。また、2022年には同じく横型エンジン搭載のダックス125も登場するなど、カブにまつわるニュースがここ数年賑わせてきました。

一方、2025年の排ガス規制強化に伴い50ccモデルとしては66年の歴史に幕を閉じる格好になるラストモデル・スーパーカブ50・Final Editionが発売されるなどが注目を浴びるなど、ここにきてまたカブを巡っての様々なニュースが飛び交っています。

言わば「スーパーカブ転換期」「スーパーカブ百花繚乱期」のようにも思える今ですが、筆者個人的には、「こんな時期だからこそシンプルなスーパーカブやクロスカブを落ち着いて楽しみたい」と思うのも正直なところ。様々なモデルごとの特長を前に、やっぱり「日常的に乗るバイク」としてはシンプルなほうが良いなと改めて実感しています。

■スーパーカブ110の「目立ちすぎない」ちょうど良さ

▲カブシリーズのさまざまな情報が飛び交う今ですが、筆者個人的にはナンダカンダでちょうど良いのはスーパーカブ&クロスカブではないかと思っています

というわけでここからはスーパーカブ110とクロスカブ110に注目していきます。
まずスーパーカブ110は、前述の通り、スーパーカブ50が生産終了になった後も生産が継続されるモデルで、以降は最もシンプルで乗りやすい万能モデルになることでしょう。世界中に親しまれ、日本の原付市場を切り開いたスーパーカブ50生産終了以降、このスーパーカブ110こそが本来のDNAを継承することになると思います。

▲スーパーカブ110の現行モデル

▲従来からのカブの系譜を感じさせながらライトはLEDの最新式

▲スーパーカブ110の現行モデルはキャストホイール仕様です

▲メンテナンスのしやすさを高めたオイルフィルター

例えばC125、CT125などは完成度が高くスポーティな印象もありながら、こだわり強めのハイスペックモデルでもあるため、街中でよく目立ちます。信号待ちなどで同車種と隣合わせになった際、お互いに意識しあったりして、なんだかきまりわるい気持ちになるかもしれません。

それを思うと、筆者のような「さほど街中で目立ちたくない」ユーザーにはややハードル高めに感じるところ。そのため、普段使いの「日常的に乗るバイク」としてはやはりシンプルなスーパーカブ110が「ちょうど良い」と感じるのが、筆者個人的な思いです。

■「カブらしさ」が残存するクロスカブ110

また、クロスカブ110は、実は筆者が現役のゲタ車として使っているモデルもあります。スーパーカブを少しだけデュアルバーパス風に寄せたモデルですが、CT125ほどの独立した設計・インパクトはなく、あくまでもスーパーカブのベースを維持した印象です。

▲クロスカブ110の現行モデル

▲大きく見やすいメーター

▲独特の形状のキャストホイールとディスクブレーキ

この「スーパーカブらしさ」の残存感が、筆者のような古いカブファンにはちょうど良く感じます。また、シンプルな分、その気になればカスタムで楽しめる余地がふんだんにありそうで、ここもまた特長のように思います。

個人的には2018年以降、大ヒットに至っているカブ、モンキー、CT125、ダックスなどの「125ccシリーズ」の完璧かつ独自性あるカッコ良さよりも、目立ちすぎずシンプルなクロスカブが不思議と愛着が湧くのが正直なところなのです。

■いわゆる「125ccシリーズ」は新潮流から誕生したモデルだった

▲C125の現行モデル

▲CT125・ハンターカブの現行モデル

スーパーカブシリーズを巡るこの辺の個人的な思いを、ホンダ担当者に伝えつつ、ホンダ側の意見を聞いてみました。

「現行のスーパーカブ50/110、クロスカブ50/110は従来のスーパーカブのオリジナルスタイルの流れにあるモデルです。一方の、C125、CT125といったモデルの誕生は、バイク熱が高いタイのムーブメントが背景にあります。一昔前のタイを始めとするASEAN地域のバイクシーンでは角目(ライト)でカウルが付いているような『走り』を打ち出したバイクが人気でした。一方、カブのような丸目(ライト)のバイクは『古臭い』というイメージを抱く人が多かったようですが、タイの若者ユーザーの間で丸目のバイクの支持が集まるようになり、同時にカブ、モンキー、ダックスなどの伝統的なプロダクトブランドが再注目を浴びたことから、タイの市場をメインに開発がスタートしたのです」(ホンダ担当者)

言い換えれば、オリジナルからの系譜で作られたのがスーパーカブ50/110、クロスカブ50/110で、新しい流れから往年のプロダクトブランドを再構築したのがC125、CT125ということになるかもしれません。

筆者個人的に「普段使いの乗りやすさ」という点ではやはりオリジナルスタイルがベースのスーパーカブ50/110、クロスカブ50/110のほうに軍配が上がる一方、C125、CT125・ハンターカブというモデルには、高い趣味性とスポーティな乗り味を楽しめる特長があるように感じます。大別してこの2つが、「どちらに乗ろうか」とユーザーをおおいに悩ませるところでもあります。

「クロスカブとC125はどちらもアウトドアテイストが強いモデルですので、お客様も悩まれるかと思います。少し前までは女性ユーザーの方はクロスカブを選ばれ、男性ユーザーの方はCT125を選ばれるような傾向がありました。もちろん、どちらが良くてどちらが良くないということはありません。双方に持ち味と良さがあると思います。お客様それぞれのライフスタイルにあわせ、お好みでチョイスしていただければ嬉しいですね」(ホンダ担当者)

▲どれに乗るか悩むのもまたバイクの楽しさの一つです

実は筆者、次なるゲタ車を「スーパーカブ110やクロスカブ110にすべきか、それともC125やCT125にすべきか」と1年近く迷い続けています。もういっそオリジナル系譜のスーパーカブ110と、新潮流の流れで誕生したCT125の双方を買おうかとさえ思う日々です。いずれにしてもここまで人を迷わせるのもまたカブの魅力。もう少し悩んで乗るべきモデルを選び抜きたいと思います。

<取材・文=松田義人(deco)>

松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数

 

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