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ウレタンクリアーでボディを塗装。乾燥の間に外装類を製作【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】

&GP / 2024年12月21日 7時0分

ウレタンクリアーでボディを塗装。乾燥の間に外装類を製作【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】

ウレタンクリアーでボディを塗装。乾燥の間に外装類を製作【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/24 ポルシェ911 GT3 RS(992)」
05/06

ポルシェ911 GT3 RSの製作もいよいよ佳境に入ってきました。今回はカーモデルらしいクリアー塗装から製作を進めていきます。(全6回の5回目/1回目2回目3回目4回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■ウレタンクリアーを使ったクリアー塗装

前回は、カーボンスライドマーク(平織り・極細)を貼り込んだデカールを48時間乾燥させて、クリアーによるオーバーコート塗装をスタートしました。今回、ボディのクリアー塗装には、より光沢を求めてウレタンクリアーを使用してみました。

▲前回、別売されているタミヤ製カーボンスライドマーク(平織り・極細)を使い、特徴的なボンネットとルーフのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の質感を再現したボディ

▲エアブラシでウレタンクリアーの下吹きを3回重ねた状態。5分ほどおいたあと、本塗装を2回重ねる

▲ウレタンクリアーGP1を使いエアブラシで塗装。模型用ドライブースで12時間乾燥状態のボディ。完全乾燥させた後、砥ぎ出しをすることで鏡面仕上げまで持っていく

 

■ウレタンクリアーとは?

ウレタンクリアーは、一般的によく使われるクリアーラッカー塗料のように溶剤の揮発で硬化するのではなく、ウレタン主剤と硬化剤を混ぜることによる化学反応で内部から硬化(2液混合タイプ)します。塗膜が硬く耐溶剤性にも優れているので、オートバイやヘルメットのカスタムペイント等で使用されています。光沢を求めるカーモデルの塗装ではよく使われている塗料でもあります。

ウレタンクリアー硬化後の光沢感が高く、塗膜がクリアーラッカーに比べて塗膜が強い(硬度が高い)のでキズがつきにくく、コンパウンド(研磨剤)を使った砥ぎ出しでありがちな下地が出てしまうといったトラブルもほぼありません。塗装にはエアブラシを使用します。

デメリットとしては、ウレタン主剤と硬化剤を混ぜた時点から硬化が始まるので、作り置きができず都度調合する必要があること。乾燥に時間が必要(24時間~)なこと。使用後のエアブラシは必ず分解洗浄が必要なこと(固まってしまったら溶剤で溶かすことができない)。また塗装に際しては、必ず塗装用のマスクをする必要があること、といったところです。

一般的によく使われるラッカー系クリアーに比べて扱いにくい塗料ですが、硬質感のあるガラスのような透明感が得られることもあって、カーモデルでは使われています。

今回使用したのは高品質なカーモデル専用色を発売しているフィニッシャーズの「ウレタンクリアーGP1(2液混合タイプ)」で、カーモデルの塗装では人気の高いウレタンクリアーです。

▲フィニッシャーズ「ウレタンクリアーGP1ミニ」(1650円)内容:主剤・ウレタンシンナー・硬化液(計量カップが付属)。2液混合タイプで容量が少ない使いきりタイプ。>> フィニッシャーズ

 

■「ウレタンクリアーGP1」の使用方法

主剤10に対して硬化剤1の割合で混合。エアブラシ塗装の場合、35~40%程度までの割合でウレタンシンナーを使って希釈する(これ以上の希釈は塗装面がゆず肌になる可能性があるので注意。ウレタンシンナーでの希釈は最小限に抑えることで光沢アップ)。

最初は3~5分程度のインターバルを開けて3回ほど薄吹きしたのち、本塗装を重ねて仕上げる。重ね吹きする場合は24時間以内に行うこと。24時間を超えると塗膜がヒビ割れするので要注意。常温(10~20℃)で24時間で硬化(気温や湿度によって数日かかる場合もある)。

使用後のエアブラシは完全分解してツールクリーナーで洗浄する。

 

■ウレタンクリアー塗装は焦らずとも大丈夫

「ウレタンクリアーは、主剤と硬化剤を混ぜた時点から硬化反応が始まる」と言われると、焦って塗装を進めなくちゃと思いがちですが、硬化自体はゆっくりと進むので塗装に焦る必要はありません。

3回程度うす吹きを重ねて、5分程度おいて本吹き2回で仕上げています。塗料の粘度が高いのので、まず垂れる心配もありません。

塗装後は乾燥ブースで乾かしつつ、ホコリやごみが付着しないように補完しました。使用したウレタンクリアーは、エアブラシの10ccカップで2回分といったところです。

使用の際は配合比が10対1で混ぜるのですが、あまり少ない量での配合は硬化不良などトラブルの原因となるので、今回は電子ハカリ(台所用を借用)を使って主剤10ccに硬化剤1ccを混ぜて調合、さらにウレタンクリアー用のシンナーを40%添加して使用しました。1/24カーモデルのボディならば15cc程度でちょうどよい量だと思います。余っても硬化してしまうので保存はできません。

▲ウレタンクリアーにより、濡れたような光沢に仕上がったボディ

▲乾燥後、砥ぎ出しをかけることで、デカールと塗装面の段差もなくして均一に仕上げられる(インテリアは、バランス見るためボディと仮組みした状態)

 

■ボディの乾燥をさせている間に外装パーツ類を製作

ボディはウレタンクリアーが乾燥するまで触ることとはできないので、その間に外装パーツ類を仕上げていきます。

フロントバンパー、リアバンパー、エンジン。説明が前後してしまいましたが、フロントバンパーは塗装を考量してボディ組み立て時に接着しています。そのままだと下側のグリルパーツ(パーツB32)が付けられなくなってしまうので、後ハメできるように加工(ピンの穴を半分カット)しています。

▲フロントバンパーやリアバンパーは指定色のセミグロスブラックで塗装

▲グリルパーツ(パーツB32)はフロントバンパーを胴体と接着する際に同時に組み込まなくてはいけない。矢印部分のピンを貫通させる穴を半分にカットすると、後から組み込める

 

■リアコンビネーションランプの製作

サクサクと製作を進められるポルシェ911 GT3 RSではありますが、想定外に大変だったのがリアコンビネーションランプでした。

透明部品で成形されたパーツ(パーツD10)をマスキングして両面を細かく塗りわけて、さらにデカールも貼らなくちゃいけません。ウインカー部分のマスキングを爪楊枝などでしっかりと密着させる必要があります。

またパーツ自体が細く折れやすい(透明樹脂は硬い)ので、取り扱いには注意が必要です。またボディへの接着は、接着剤で塗装面を汚さないためにクリアボンド(タミヤ多用途接着剤クリヤー)を使う必要があります。

▲リアコンビネーションランプのウインカー部分は専用のマスクシールが付属しているのがありがたい

▲リアコンビネーションランプは裏側をライトガンメタル、表側をクリアレッドで塗装。さらにブラックでトリム部分を塗装する必要がある

▲塗装し、リアコンビネーションランプとエンジンフードをボディに仮組み。ピタリとパーツが収まるのが流石のタミヤスタンダード

 

■ウインドウパーツの塗装

フロントリアウインドウ、ドアウインドウといった透明部品は黒のトリムを再現する必要があるので、キットに付属の専用マスクシールを使って塗装していきます。

裏側からの塗装は、アクリル塗料を使えば、マスクシールをはがした際に万が一塗料がはみ出していても、塗膜が柔らかいので爪楊枝でこすれば簡単に落とせます。

▲専用のマスクシール。サイドウインドウは一部、通常のマスキングテープでカバーする必要がある

▲ライトカバーは内側からマスキングとなるので、ズレや隙間ができないように2枚のマスクシートを組みあわせるようになっている

▲フロントウインドウの下側は表側からもセミグロスブラックでの塗装が必要

▲クリアパーツの塗装は塗装が甘いと透けやすいので注意が必要だ。塗装後に塗装面の裏からライトを当ててチェック。光が漏れてくるようなら、塗り重ねて修正しておく

▲塗装が完了したウインドウパーツ類。透明度が高く歪みもほとんどない。とは言うもののクリアパーツは傷つきやすいので取り扱いは要注意

 

■ホイールの組み立てと塗装

キットではパールホワイトボディ用としてTS-95ピュアーメタリックレッドのグロスクリア仕上げが指定されていますが、タミヤフェアに展示されていた実車のホイールはオレンジががったメタリックレッドという印象でした。

そこで金属感を強調するために、下地色としてゴールドを塗装。そこにピュアーメタリックレッドを重ねることで、より金属感を強調してみました。しかしボデイにメタリックレッドのホイールを組み合わせてみるとイエローボディには合わない感じなので、ガンメタルでリペイントを考えています(塗る前に気付けよ…)。

▲ボディカラーがパールホワイトの場合ホイールはメタリックレッドとなる

▲メタリックレッドの金属感を強調するため下地にゴールドを塗装する

▲ゴールドの上からピュアーメタリックレッドを塗りかさねた。ホイールセンターロックナットは別パーツでセミグロスで塗装している

▲ボディカラーが赤と黒の場合、ホイールはシャンパンゴールドとなる

 

■次回、完成編!

完成直前、まさかの大トラブル発生!?

外装パーツもほぼ仕上がり(そういえば吊り下げ式の可変リアウイングをまだ組んでいない)、次回はいよいよポルシェ911 GT3 RSの完成! となるはずなのですが、ここにきてまさかの大トラブル発生!

いやぁ今回はトラブルに泣かされっぱなしです。

さて何が起きたのか? 次回乞うご期待ですよ!

▲仕上がったボデイと内装、足回り。そして今回製作を進めたウインドウパーツやホイール、リアコンビネーションランプ。そして後ハメ加工したしたフロントグリルなど

▲仕上がった部分を組み合わせていけばポルシェ911 GT3 RS(992)の完成となるはずなのですが…

▲何が起きたのか?

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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