マニア向けアイテムと再販が目立った2024年の乗り物プラモを振り返る
&GP / 2024年12月30日 22時0分
マニア向けアイテムと再販が目立った2024年の乗り物プラモを振り返る
【2024年人気アイテム総まとめ】
2024年、&GPの連載「達人のプラモ術」では9作品を製作しました。
2023年からの年越し製作になった、映画『ゴジラ-1.0』に登場して注目を集めたハセガワ「1/48 十八試局地戦闘機 震電」でスタート。
タミヤが再販した「1/24 フィアット500」では、ピカピカの仕様に加えて映画『グランブルー』に登場したボロボロ仕様の2台を製作。個人的にはお気に入りの作品となりました。
続いてハセガワ「1/35 タダノ ラフテレーンクレーン」。そして迷彩パターンがデカールで再現されていたことで話題を集めたイタレリ「1/32 マッキMC.202フォルゴーレ戦闘機」。
イギリスのエアフィックスから直で取り寄せて、国内販売より一足早く製作したイギリス空軍の戦闘機「1/48 ブリストル・ブルドック」は、連載では初の複葉機でした。
さらに、往年の旧キットをアンテーィクな宝箱風の木箱を使いジオラマ仕立てとしたレベル「1/108 ハーバータグボート」。そしてトリを飾ったのはタミヤ「1/24 ポルシェ911 GT3 RS(992)」です。
>> [連載]達人のプラモ術
■2024年のプラモデル業界を振り返る
コロナ渦が一段落し、自粛していたイベントや展示会なども開催。ホビーショー等において出展メーカーによる新製品の数が増え、入場者数も以前の賑わいを取り戻した感がありました。
こうした中、2024年のプラモトレンドを見渡してみると、スケールモデル、キャラクター系モデルなど、多くのジャンルで多様化が加速したように感じられます。さらに、2020年以降の趣味時間の拡大に伴い、長らく趣味のホビーから離れていたシニア層(言うところの出戻りモデラー)が再びプラモデルに目を向けたことが、活性化の要因のひとつになっているようです。こうしたことも背景にあるためでしょう、幅広いジャンルで長らく模型店の店頭から消えていたキットの再販なども目立ちました。
同時に、これまでは一部の濃いマニア向けだったマイナーアイテムがメジャーメーカーから発売されるようになりました。さらには、これまでになかったアイテム(バンダイの盆栽プラモ等)がプラモデル化されるなど、ホビーとしてのプラモデルの多様化、そして模型ファンの多様化が進み、より間口が広くなったように思います。
海外模型メーカーの新製品ラッシュも相変わらずなのですが、続く円安の影響もあり、価格の高騰が続いており、モデラーの財布を直撃しています。
■F-35A、B、Cが揃ったタミヤ
2023年に発売され、いちばんの話題を集めた、そして「達人のプラモ術」でも製作したタミヤ「1/48 ロッキード マーチンF-35BライトニングII」が国内外でも大ヒット。そして2024年12月には、艦載機型となる「ロッキード マーチンF-35C」が1/48スケールで発売されました。
▲タミヤ「1/48 ロッキード マーチンF-35CライトニングII」(1万780円)
すでに発売されているF-35A、F-35Bと併せて、同戦闘機のバリエーションが揃いました。
また同社ではカーモデルの再販が人気を博しており、「達人のプラモ術」でも製作した「1/24 ファイアット500」は発売直後に完売状態となり、現時点でもタミヤに在庫がないとのこと。
▲タミヤ「1/24 アルファロメオ ジュリア スプリント GTA」(3520円)※特別販売商品
その後に発売された「アルファロメオ ジュリア スプリントGTA」、「ホンダバラードスポーツ無限 CR-X PRO」も人気を集めました。
▲タミヤ「1/24 ホンダバラード スポーツ 無限 CR-X PRO」(3080円)※特別販売商品
また特別販売商品(再販)としては、2025年1月に「ホンダ シティ ターボ」の発売が予定されています。
またAFVモデルでは、新金型で「ドイツⅠ号戦車B型」がキット化されました。
▲タミヤ「1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.388 ドイツⅠ号戦車B型」(3520円)
第一次大戦の敗戦後、戦車の開発を禁止されていたドイツが初めて量産した実用戦車であり、このⅠ号戦車の発売によりタミヤの“1/35 MM(ミリタリー・ミニチュア)シリーズ”においてドイツ戦車のラインナップが揃いました。
■ファインモールドの零戦に注目!
ミリタリー系モデルやジブリ系キャラクターモデルで高いクオリティを誇るファインモールドからは、新設計の1/48スケールで「零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」が初のキット化。高い人気を集めています(現在ほぼ完売状態)。
▲ファインモールド「帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)」(4950円)
飛行機プラモデルは胴体部を左右で構成・接着するのが当たり前なのですが、このキットは大きく胴体前部・後部の分割とすることで、実機同様の構成を再現。後部胴体はスライド金型を用いた一体成形となっています。
またキャノピーは、ガラス部と窓枠を別パーツ化する等、これまでにない部品分割と組み立て方法を盛り込むことで、作る楽しみを増幅することをコンセプトに開発された、令和ならではの新しい零戦プラモデルとなっています
■海外メーカーからも魅力的なアイテムが続々
2024年は、海外プラモデルメーカーの勢いも止まらない感じでした。
▲プラッツ/BEEMAX「1/12 ロータス99T 1987 モナコGP ウィナー」(2万8600円)
そんな中でも、以前から発売をアナウンスされていたプラッツ/ビーマックスの「1/12 ロータス99T」が2年遅れでの発売となりました。タミヤ以外ではほとんどキット化されない1/12スケールのF-1のスケールモデルということもあり、発売を首を長くして待っていたモデラーも多かったようです。
▲プラッツ/BEEMAX「1/12 フォーミュラシリーズ マクラーレンMP4/4 1988 ワールドチャンピオン」(3万800円)
同社では、同じ1/12シリーズで、この12月に「マクラーレンMP4/4」の発売も予定していましたが、現状発売が2025年2月に延期されました。発売が待ち遠しい限りです。
そして達人がSF好きということで「達人のプラモ術」でも登場することがあるSF映画系メカですが、いまやSFメカのトップメーカーともいえるメビウスモデルから7月に映画『2001年宇宙の旅』の宇宙ステーションが発売されました。1/2600スケールながら直径約35cmにもなる大型キットをメビウスモデルが完全新金型でキット化したものです。
▲Mebius Model(メビウスモデル)「1/2600 宇宙ステーションV」(3万2500円)
2001: A SPACE ODYSSEY and all related characters And elements (C) & TM TEC. (s17)
達人的には歓喜しましたが、価格の3万2500円にも驚かされた次第です(まぁ2個買っちゃいましたけど)。
同社では宇宙ステーションに続き、同じく『2001年宇宙の旅』の劇中に登場した宇宙服のプラモデル化を発表しており、これもまた多いに楽しみでです。
海外メーカーのスケールモデルは他にも新キットが次々と発売されていて、飛行機モデルトップメーカーとしての存在感を示している英国のエアフィックスからは1/48スケールで「フェアリーガネット」が発売されました。
▲エアフイックス「1/48 フェアリー ガネット AS.1/AS.4」(1万3200円)
世界一醜い航空機と言われたガネットですが、イギリス機らしい個性的なデザインで人気が高い機体です。これまで1/48スケールではマニア向けのバキュームフォームキットでしかなかっただけに、今回のキット化は英国機ファンに大いに喜ばれています(感涙)。中身も英国が開発した機体だけに、気合いの入った細部ディテールなど、エアフィックスらしい仕様となっています。
▲スォード「フェアリー ガネット AEW.3 艦上早期警戒機」(1万4080円)
そして同時期に、チェコの模型メーカー、スォードからも同じく1/48スケールで「フェアリー ガネット」が発売されました。こちらはエアフィックスの AS.1/AS.4とは違うAEW.3 艦上早期警戒機仕様となっており、これまた英国機好きを喜ばせました(感涙×2)。
来年は英国機ブーム到来かもしれません。
<文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
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