2025年最新「防犯カメラ」の選び方と、購入前に知っておきたい5つのポイント
&GP / 2025年1月5日 7時0分
2025年最新「防犯カメラ」の選び方と、購入前に知っておきたい5つのポイント
「最近ニュースで物騒な話が多いけど、うちも防犯カメラを付けた方がいいのかな」なんて相談、されたことはありませんか?
年末年始の帰省は、家族と近況を語り合うタイミング。実家の両親の心配を聞きながら、「自分の家でも必要かも?」と思い始めた人もいるのではないでしょうか。
2024年は、家庭用の防犯カメラが一気に注目を集めた年でした。ニュースでも「防犯カメラの映像が事件解決の鍵に」と話題になり、Amazonのセールでは大手ブランドのTP-LinkやAnkerの防犯カメラがランキング上位を席巻。売り切れになるモデルも続出しました。
そして、一戸建てに住んでいる僕にとって、自分の身を守る防犯はもはや他人事ではありません。
昨年10月にはセールのタイミングで、TP-Linkの「Tapo C320WS」を一気に3台購入。
続いて、実家の防犯用にソーラーパネル搭載のTP-Link「Tapo C425 KIT」を設置。
さらにその後、TP-Linkのカメラを買い足したり、Ankerのソーラー&センサーライト一体型、ソーラーパネルと首振り機能やAI追尾を備えたモデル、サーバー付きモデルもレビューしてきました。
▲Ring「Stick Up Cam Battery」も他媒体の取材で設置してテスト
「防犯カメラ」と呼ぶと大げさに聞こえるかもしれませんが、Wi-Fi搭載でスマホと簡単に連携でき、価格は1万円以下からというお手軽なモデルも数多くあります。TP-Link、Anker、Ringなどのブランドが展開していて、ソーラーパネル付きで電源不要なタイプも増えています。
▲Ankerのセンラーライト一体型「Eufy Solar Wall Light Cam S120」
そこで、防犯意識が高まりすぎて自宅の玄関、門、アプローチ、庭、バルコニー、駐車場、屋内、実家までカバーする合計12台のカメラを設置したオーディオ・ビジュアルライターの折原一也が、「頼れるガジェット」として防犯カメラを選ぶ際の5つのポイントを解説していきます。
▲現在の自宅。自宅の敷地入口から正面方向だけでも7箇所のカメラを取り付け監視中
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
【ポイント1】設置場所の電源の確保がカギ!ソーラーパネル付きモデルが便利
防犯カメラの導入を決めて最初に悩むのは設置の問題。屋外用カメラはどれも防水防塵対応ですが、玄関や庭、駐車場に防犯カメラを付けるとなると、取り付け場所では電源が取れないご家庭も多いですよね。
でも、そこはご安心を。
▲発電量を重視して、ソーラーパネルが大型かつ角度調整可能な別体型タイプがおすすめ
今どきの防犯カメラは、ソーラーパネルを搭載し、屋外で完全ワイヤレスに設置が可能です。TP-Link「Tapo C425 KIT」、Anker「Eufy SoloCam S340」などのパネル搭載モデルや、Ring「Stick Up Cam Battery」のように純正オプションで太陽光パネルが用意されているものもあります。
▲ソーラーパネルが小型のモデルは録画頻度によっては発電量不足で停止するリスクが残ります
実際に自宅で使ってみても、日当たりの良い場所に取り付ければ冬の日差しでもバッテリー収支はプラス。なお、ソーラーパネルの角度調整ができないタイプはバッテリー収支が厳しくなりがちです。
▲屋外コンセントから給電タイプの方が機能面でも充実
屋外コンセントが使える環境なら、電源供給が安定するコンセント駆動タイプがおすすめです。例えば、TP-Linkの「Tapo C320WS」は常時通電が前提のため、常時録画やAI検知機能と防犯カメラの機能をフル活用できます。
防犯カメラ導入時のお悩みとしてはもう1点、物理的な問題があります。設置場所と固定方法ですね。防犯カメラって、正規の取り付け方法はどれも壁にネジ止めですが、賃貸ではまずできないし、戸建て住まいの僕も建物の壁に傷をつけたくありません。
▲過去のレビューでは結束バンドやパラコードで防犯カメラを固定
でも、そこはアイデアで解決できます。結束バンドやパラコードで雨樋や柱に固定できれば実用上は問題ナシ。ただ、工夫するにしても製品ごとに取り付けやすさは異なっていて…。TP-Link製品は総じて取り付けしやすい作りになっていますね。
▲Ring純正の「Ring スティックアップカム/スポットライトカム用ポールマウント」
なお、Ringの「Stick Up Cam Battery」は純正オプションによってソーラーパネルと合わせてポールマウントで固定できるので、雨樋や柱へのスマートな固定を求めるなら検討の価値アリですね。また最近は、ネット通販でサードパーティー製の取り付けパーツも販売されています。
なお、防犯カメラを機能させるにはWi-Fi電波が届くことも必須なので、あらかじめ確認しておきましょう。
【ポイント2】画質は気にしすぎなくていい!
防犯カメラは、カメラです。「画質ってどのくらい必要なんだろう?」と悩む方も多いでしょう。
防犯カメラの画質性能を見てみると、720p(HD)、1080p(フルHD)、2K、4K…製品によってさまざまです。ただ、特に庭や玄関などでの「誰かが来たことを把握すること」が目的であれば、さほど高画質は求められません。例えば、実際の運用では2K対応のTP-Linkの「Tapo C320WS」でも十分すぎるほど。
▲TP-Link「Tapo C320WS」の2K画質。防犯目的の実用面ではこれでも十分過ぎるほど
一方、単純な防犯を越えてクルマのナンバーまで識別しようと考えると、Anker「Eufy SoloCam S340」や「EufyCam S330」の3Kや4K対応の画質が役に立つシーンもあるでしょう。
もうひとつ知っておきたいのが、夜間撮影の性能です。防犯カメラの多くは赤外線を使ったモノクロ撮影に対応していますが、TP-Linkの「Tapo C320WS」やAnkerの上位モデルは夜間でも高感度なカラー撮影にも対応。
▲TP-Link「Tapo C320WS」の2K夜間撮影の画質サンプル。街灯等のおかげでカラー撮影になっています
なお、防犯目的なら家の中から窓ガラス越しに撮影する方法も有効です。注意点としては知っておきたいのは、ガラス越しでは赤外線撮影ができないこと。日中と同じ撮影モードになるように設定しましょう。また室内側の光がガラスに映り込むと外が見えないため、カメラの周囲の光を遮断する工夫が必要です。
▲玄関は窓ガラス越しに屋外を監視(取材時から機種を入れ替え済)。映り込み対策でカメラの周囲を布で覆っています
【ポイント3】防犯カメラは検出性能とアプリを含めた機能性で選ぶべし
防犯カメラを選ぶ際は、「カメラ本体の性能」以外にも注目ポイントがあります。今どきの防犯カメラは、Wi-Fiでネットワークに接続して、カメラで動体を検知して、スマホに通知もできるデジタル製品。このため防犯カメラの性能は、カメラ単体ではなく「システム全体の完成度」にあります。
▲レビューした機種ではTP-Linkの「Tapo」アプリが特に操作性良好でした
「安いカメラを買っておこう」「日本製と書いてあるから安心」と思っていると、アプリを含めた完成度が落とし穴になることも。アプリの口コミや評判などを購入前にチェックしてみるといいでしょう。
注意点として、ソーラーパネル駆動のモデルでは、バッテリー消費を抑えるために常時録画ができず、動体検知をトリガーとして録画や通知が動作します。この仕組み上、検知性能が防犯カメラとしての信頼性に関わります。&GPでテストした製品では、TP-Link製品の検出精度が高めでした。
▲人物検出、動体検出などで動作。ちなみにソーラーモデルより常時通電モデルの方が検出機能も豊富
【ポイント4】録画映像の保存先を確認
「録画映像がどこに保存されるのか」も考えておきたいポイントです。
TP-Link、Anker製品など大部分の採用する方式が、シンプルな「ローカル録画」。カメラ内蔵ストレージやmicroSDカードにデータを保存して、視聴はアプリでWi-Fi経由です。Ankerの製品はメモリ内蔵で追加コストがかからず、TP-Linkは別売microSDカードで、容量も自分で選べる点がメリット。
▲TP-LinkのカメラはSDカード別売なので購入時は注意
ローカル録画は運用もシンプルでコスパにも優れますが、防犯カメラとして考えると、カメラ自体が盗難に遭ったり破壊されたりするとデータも失われてしまうのが注意点。
Ringの製品では、録画した映像をインターネット経由でクラウドに保存しています。クラウド保存は、カメラ本体を盗まれても映像が残るのが安心材料ですが、月額数百円から数千円のランニングコストがかかり、また「海外のサーバーに録画ビデオが保存されるのは嫌」という人もいるでしょう。なお、TP-Linkのカメラもクラウド録画の契約が可能です。
Anker「EufyCam S330」やTP-Link「Tapo C420S2」のように専用のホームサーバー(ハブ)に映像を保存するモデルもあります。置き場所は屋内なのでクラウドの利用料金はかからず、カメラ本体の盗難に備えられるのがポイントです。モデルによってはHDD増設で16TB以上の大容量化も可能で、長期間保存用途に向き。ただし、初期コストが高額になります。
▲ホームサーバーとカメラ2台をセットにしたAnker「EufyCam S330」
【ポイント5】複数台でカバー? それとも高機能モデル1台?
防犯カメラを導入の際に、機種と合わせて考えたいポイントが、製品選び以前に「高機能なモデルを1台導入するか、複数台のカメラでカバーするか」という選択です。
カメラを複数台設置する最大の利点は、監視できる範囲の広さ。例えば僕の自宅では玄関、庭、駐車場、門など敷地内の複数のポイントを監視していますが、これはそもそもカメラを複数台セットしないとカバーできません。
▲通常の高さと共にバルコニーからの全体監視を併用
一方、カメラの設置場所に制限がある場合や、非常に暗くカメラ性能が問われるケースでは高機能モデルが選択肢。例えば、Anker「Eufy SoloCam S340」やTP-Link「Tapo C530WS」といった製品は、首振り(パン・チルト)やAI検知によって一カ所設置でもカバー範囲を広げられます。
▲高機能なパン・チルト対応や追尾式を用いることで1台でもカバー範囲を広げられます
どちらが良いかは自宅の敷地や利用目的次第ですが、同じメーカーの防犯カメラであれば、ひとつのアプリで複数台のカメラを管理できるので、複数台運用も意外とストレスはありません。まずは1万円程度のお手頃な機種から導入して、様子を見てから買い足してみても良いでしょう。
【まとめ】防犯カメラの最重要目的は「防犯」です
ここまで、防犯カメラの選び方を5つのポイントに分けて解説してきました。
電源や設置場所から始まり、検知性能、アプリ、録画方法、そして複数台か高機能モデルかーー製品選びのポイントは明確になったと思います。しかし、これらはすべて「防犯カメラを設置する最も重要な目的」を達成するための手段にすぎません。
防犯カメラの最重要目的は「防犯」です。
犯罪者に「ここにはカメラがある」と思わせて行動を躊躇させ、いざという時には映像が残ることが、その本質的な価値になります。この抑止効果と証拠保全というふたつの機能を確実に果たすためには、まずは1万円程度のお手頃価格で設置が簡単な1台からでも導入してみて、確実に運用することが肝心です。
▲防犯カメラの存在を知らせることは、防犯、そして近隣への告知の面でも重要です
「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼る、設置後にアプリで設定を最適化するなど、設置した防犯カメラの効果を最大限に引き出す工夫を怠らないようにしましょう。
<取材・文/折原一也>
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