大人の装いに似合う、クラシカルな薄型シンプル時計5選【GoodsPress Award 2024】
&GP / 2025年1月23日 20時0分
大人の装いに似合う、クラシカルな薄型シンプル時計5選【GoodsPress Award 2024】
【GoodsPress Award 2024】
世情の変化とともに時計業界の流行りも変化の兆しを見せた2024年。そのような変換点でもスタンダードで時計として飽きが来なくて受け継げる普遍の価値がある5本を、時計&モノジャーナリストの渋谷さんに選んでもらった。
* * *
高級時計の価格高騰がさまざまなメディアで取り上げられることが多かった昨今。しかし、2024年の1年で風向きは変わりつつある。
「10年あまり続いてきた、ラグジュアリー・スポーツウォッチのブームが終焉し、また、新型コロナ危機で起きた、富裕層を中心にした世界的な高級時計ブームも一段落しました。代わって、ドレッシーなスーツにぴったりの、クラシックでフォーマルなデザインの薄型シンプルウォッチ、大人っぽいものが注目を浴びて、新作が続々と登場しています」
コロナ禍が終了して外出の機会が増え、スーツなどのトラッドなスタイルへの注目が高まったことで、時計のトレンドも変わったと話す渋谷さん。
「また、多彩な機能を備えたスマートウォッチの普及で、シンプル&ベーシックな機械式時計の魅力に気付いた方も多いでしょう。さらに、ケースサイズが40mmからより小さい直径35mm前後になって、メンズ・レディスの区別を設けずに、昔風にいえばユニセックス、今風に言えばジェンダーレスウォッチとして発売されることが多くなっています」とも教えてくれた。
年末年始の時計探しは、ここで話題に挙がったトレンドを、しっかりと踏まえた上で行うのが正解だ。
時計&モノジャーナリスト、エディター 渋谷ヤスヒトさん
本誌&時計別冊で副編集長を務め、現在は時計&モノジャーナリストに。1990年代から世界の時計取材を続ける。日本時計学会、ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPHG)アカデミー会員
【GoodsPress Award 2024】
ービジカジ部門 時計ー
<大賞>
■しなやかなフォルムから感じる時計作りへのこだわり
セイコー
「プレザージュ クラシックシリーズ SARJ007」(15万4000円)
日本の時計会社が、日本の伝統文化、そして自分たちの時計作りの伝統と独自技術を大切にして企画・開発・製造。ケースの優しいフォルム、派手さを抑えた、落ち着きのある「日本の伝統色」を使った文字盤が素晴らしい(渋谷さん)
日本の工芸品のような美をしなやかにまとう新シリーズとして、2024年デビュー。華飾を削ぎ落したしなやかなフォルムのケースで、ケースや針が柔らかな曲面を描いているのが特徴。ブレスレットは1970年代に多く見られた多列ブレスレットを採用している。
▲スタイルに馴染むミニマルルック。肌に接する面積を減らすことで、快適な着け心地となっている
▲インダイヤルがない、よりシンプルな3針モデルも展開。ケースサイズは同じで3時の位置にデイト表示が入る
▲こちらは文字盤が黒のモデル。グッと引き締まった表情でスーツにも休日のオフスタイルにもハマる
<原点回帰賞>
■シチズンが刻んできた100年間の結晶
シチズン
「『CITIZEN』ブランド時計 100周年記念 懐中時計」(110万円)
最先端技術を誇るシチズンが、手巻きの懐中時計という原点を振り返って作った入魂の1作。シンプルですがムーブメントから文字盤、提げ紐まであらゆる部分に熱い情熱を感じます(渋谷さん)
“CITIZEN”を冠した懐中時計を発売してから100年を記念した1本。時計本来の美しさを伝えるクラシカルなデザインで、平均日差-3~+5秒という高精度を実現。生産数は世界限定100個と非常にプレミアム! ただし予約、販売ともに既に終了。
▲この懐中時計のために高精度手巻きムーブメントを開発。そのムーブメントがのぞくシースルーバック
<高級時計賞>
■ブラックベイ 58初のGMT搭載モデル
チューダー
「ブラックベイ 58 GMT Ref.M7939G1A0NRU-0001」(64万3500円)
時計好きのツボを抑えたネオ・クラシックなデザインで時計のプロも絶賛のチューダー。この新作は最新のGMT機構でしかも高精度で超耐磁性という、歴代チューダーの中でも別格!(渋谷さん)
2018年の初登場以来、ブランドの人気モデルとなっている本作から、初のGMT搭載モデルが登場。39mmのステンレススチール製ケースで、ブラック×バーガンディのベゼルと、ゴールドのアクセントから高級感が溢れる。
▲ブラッシュド仕上げのダイヤルが繊細な輝きを放ち、リューズにはチューダーローズのレリーフが刻まれる
<アニバーサリー G-SHOCK賞>
■50周年記念のフルメタルクロノグラフ
カシオ
「GMC-B2100ZE-1AJR」(12万1000円)
“タフウォッチ”というジャンルを開拓したG-SHOCKの50周年記念モデルは、「0から1」を生み出すものづくりの精神を表現した黒とゴールドを使い、これ以上ない精悍なテイスト(渋谷さん)
カシオウオッチ50周年記念シリーズでリリースされた1本。タフな印象はそのまま、スリムで高機能なモジュールを搭載して薄型化を実現。Bluetoothでスマートフォンと連携するなど、最新技術が注ぎ込まれている。
▲カシオウオッチの50周年を記念した特別仕様の裏盤。ケースもスペシャル仕様のエコケースになっている
<ネオ・ヴィンテージ賞>
■今の技術で蘇る“古き良き”時計
レイモンド ウェイル
「ミレジム スモールセコンド」(34万1000円)
静かなブームになっている“古き良き”時計のスタイルを最新の技術で現代に甦らせたネオ・ヴィンテージ ウォッチの発火点といわれるモデル。価格を超えた作り込みを知ってほしいです(渋谷さん)
1930年代に流行したセクターダイヤルやボックス型などの古典的ディティールを、現代の技術・素材・トレンドを交えて表現。見た目はクラシックでも、直径39.5mmケース、5気圧防水などのスペックが今使うのにちょうど良い。
▲時・分・秒の目盛りを異なるトラックに表示するセクターダイヤル。中央部と外周でダイヤルの仕上げを変え、視認性も向上
※2024年12月6日発売「GoodsPress」1月-2号合併号56-57ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/NOHOHON-PRODUCTION>
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