鎌倉天幕のシェルター「ハイドアウト-02」は縫い目で強度を増すんだって!
&GP / 2025年1月18日 19時0分
鎌倉天幕のシェルター「ハイドアウト-02」は縫い目で強度を増すんだって!
【アウトドア銘品図鑑】
鎌倉天幕は長年、超有名ブランドのテントを作ってきたニューテックジャパンが立ち上げたアウトドアブランドです。
焚き火台やファニチャーなど幅広く展開していますが、主力は鎌倉天幕という名が示すとおりテント。
なかでももっとも支持されているのが「ハイドアウト-02」(幕のみ:10万5820円、DACポール付き:12万7600円、国産ポール付き:13万6070円)。
決して安くはありませんが“高品質で修理可能”、“個性派だけど設営しやすい”モノ作りを目指していて、2024年はコティとコラボしたフォググレーモデルが評判となり即完売したのはご存じの通り。
現在は定番色のサファリベージュに加え、ブラックモデルも数量限定で発売予定とのこと。ブラックモデルお披露目会に参加し、「ハイドアウト-02」がなぜキャンパーを魅了するのか確認してきました。
■スタンダードでたてやすい
「ハイドアウト-02」は2本のポールで幕を突き上げるシェルターで、設営はごくごくスタンダード。奇をてらったことは一切ありません。
▲収納サイズは80×30×H30cm、重量10.5kg。ワンポールの「ハイドアウト-01」(手前)の4割増しといったところ
ゆったりめの収納バッグに幕とペグ、張り綱、そしてポール先端に取り付けるボールが収まっています。インナーは付属されていませんが、サイズ感は5〜6人就寝のファミキャン用ドームテントとほぼ同じ。
幕を広げて四隅をペグで固定します。
できるだけゆがまず、きれいな長方形を描くイメージにすること。そしてペグを固定する四隅のベルトは長さを変えられるので、中間の位置にセットしておくことがポイントでしょうか。
▲手持ちのポールを使う場合は220〜240cmを推奨
ポール先端に付属の“ボール”を取り付けて持ち上げます。先端のボールが生地のダメージを低減するというわけ。グロメットのように雨が伝ってこないのがイイ!
▲480×760×H240/220cm
残りの裾4か所と張り綱をペグダウン。バランス良く整えたら完成です。
廃番となって久しい名作、MSR「パビリオン」よりも幅・奥行きがそれぞれ50cmほど大きく、別売インナー(家族2〜3人向き)を取り付けても自転車やカヌーが余裕で収まるビッグなシェルターですが、ひとりでも設営可能。ハリのあるリップストップポリエステルを採用していて立ち姿もキレイです。
■強さの理由は三角形パネル
「ハイドアウト-02」はいくつもの三角形で構成されています。スカイツリーや東京タワーに採用されているのと同じトラス構造なんですね。
▲屋根部分は曲線を描いており雨がたまりにくい。トップベンチレーションや三角形メッシュで効果的な空気循環も可能
生地の強度だけでなく、三角パネルを縫い合わせることで強度アップを図っているんです。おまけにバランスよくたてられるから素早くキレイに決まる! これ大切。
ちなみに一般的な2本ポールのシェルターはサイドの四角いパネルを跳ね上げられますが、「ハイドアウト-02」でも跳ね上げOK。
三角パネルなので別売ポールは1本のみで大丈夫です。キャノピーとしては小さいのですが、跳ね上げたままメッシュ部分を巻き上げると開放感抜群。
それに別売ポールを3本に増やせば「ハイドアウト-02」の半面を丸ごと跳ね上げられます。
ペグ用のベルトや張り綱を取り付ける場所には共布ではなく、表生地・Xプライファイバー・裏地という3層構造からなるXパックで補強されています。小さなところですが手が込んでる!
▲国産ポール付属の「DX」ではUACJと共同開発したポールを採用
2本のポールが付属するセットは、DACポール「ADJ3000」、またはUACJ製の国産ポール「DX300J A6061 T6 ブラックエディション」の2タイプで、人気は断然国産ポールのセット。
鎌倉天幕と世界最高水準のアルミ製造技術を持ったUACJが共同開発したスペシャルなポールで高強度なんです。
▲定番色のサファリベージュモデル
おまけに「DX300J A6061 T6 ブラックエディション」はポールの差し込み口やスライド側のポールもオールブラックアルマイト。
こすれて傷になりやすい部分はシルバーのままにすることが多いわけで、それだけ傷つきにくさに自信があるんですね。
ただ、オールブラックでは暗い場所ではどこにポールがあるのかわかりづらい。ブラックモデル「ハイドアウト-02」ともなればなおさら。
そのため、あえて白いラインを入れて最低限の視認性を確保しているんだとか。
「DX300J A6061 T6 ブラックエディション」は単体で購入できますが(1万5950円)、幕とポールを別々に購入するよりもセットのほうがお得ということも見逃せません。
■快適に過ごすための工夫
「ハイドアウト-02」は軽くてタフなだけではありません。1年中、快適に過ごせるよう素材と機能に妥協なし。
普通に設営するとこんな感じに裾は少し持ち上がっています。スカートがないので全閉でもフレッシュな空気が入るのですが、これで冬キャンプは寒い…。
写真ではわかりづらいのですが、内側にもう一本、テープが付いています(写真左下のあたり)。この内側のテープを使ってペグダウンすれば、裾がピタッと地面についてスカート替わりになる。
夏は邪魔なスカートですから、このシステムはめちゃ実用的。
前後出入り口のファスナーはスライダーがふたつ。ちょっと外の様子を見るだけなのに、いちいち屈んで開くのは面倒ですがコレなら上のほうをちょっと開いて対応できます。
もちろんファスナーは世界に誇るYKK製。
シンプルに見えて、素材から設計までこだわり抜いているのが「ハイドアウト-02」。90年代からアウトドア業界を支えてきた縁の下の力持ち、ニューテックジャパンの本気が詰まっています。
明るく過ごせるサファリベージュ、落ち着いた印象のブラックモデル、どちらを選ぶか思う存分悩んでみては。
>> ニューテックジャパン
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/ニューテックジャパン>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X
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