2025年の大本命!? テクニクス「AZ100」実機レビュー。前機種と音質比較も
&GP / 2025年1月19日 7時0分
2025年の大本命!? テクニクス「AZ100」実機レビュー。前機種と音質比較も
新年早々、2025年1月23日にポータブルオーディオ界隈を賑わせる本命クラスの完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ100」が発売されます。2023年発売の前機種「AZ80」は注目ハイエンドとしてソニー「WF-1000MX5」などと音質トップの座を争った経緯もある3~4万円クラスの主力モデルの一角でした。
▲予想実勢価格は3万9600円前後
最新作「AZ100」の進化ポイントは、業界初の“磁性流体ドライバー”搭載による音質アップと直球勝負。さらに周囲の環境に適応して進化した“アダプティブ ノイズキャンセリング”、またDolby Atmosによる空間オーディオ対応と機能面も進化。もちろん、LDACコーデックによるハイレゾワイヤレス接続、3点マルチポイント接続対応(LDAC使用時は2点)の仕様も継承しています。
今回は「AZ100」の発売前の実機をお借りして、全方位にレビューしていきます。
なお、僕は前機種「AZ80」も所有しているので、音質レビューでは2機種を比較しつつチェックしていきます。
▲発売前ですが屋外に持ち出しノイズキャンセルも検証
▲「AZ100」と「AZ80」の聴き比べも実施
■圧倒的なダイナミズムで音楽的にも楽しめる音質に
▲シルバーの金属質感のデザインを踏襲
デザインは、前機種から継承した金属質感のあるシルバーのヘアライン仕上げ。イヤホン本体のサイズは重量で16%、体積で10%小型化しています。
ではさっそく装着…。小型化は想像以上です。
▲見た目としても上質な「AZ100」
「AZ80」は耳の窪みにフィットする“コンチャフィット”の装着感が大好評だったのですが、「AZ100」はそのコンチャ(耳甲介)部を30%小型化。ただ「AZ100」の本体、装着感は引き続き安定していますが、「AZ80」がピッタリ合っていた僕にとっては若干ユルめになりました。
▲5サイズのイヤーピースが付属
装着のもうひとつのこだわりが、新しい三層構造のイヤーピース。根元部分は硬めで音質を優先し、先端は柔らかく快適性を追求しています。
▲充電ケースのサイズも小型化しています
「AZ100」ではバッテリー性能も強化。ノイズキャンセルONかつLDACコーデック接続時で本体のみ7時間、ケース込み18時間。AACコーデックでは本体のみ10時間、ケース込み28時間と十分な再生時間も確保しています。
■前機種と比べつつ音質チェック
音質は、LDACコーデックの最高音質の条件でチェックしてみました。
▲「AZ100」と前作「AZ80」を聴き比べ
「AZ100」でまず驚いたのは、音楽を再生して流れる音の生音っぽさ。ROSE & Bruno Mars『APT.』は冒頭、耳元で呼びかける声から始まりますが、ズバ抜けた解像感かつ滑らかな音で、声の分離と立体感があまりにリアル。“アパトゥ”の呼びかけに重なるキックドラムは深く沈む一方で、その振動が空間に広がる様まで聞き分けられるほど。この低音の表現力は、リスニング用イヤホンとしても魅力的。これこそ、磁性流体ドライバーによる歪みのなさ、そして動きのスムーズさで得た音質ですね。
YOASOBI『アイドル』のような作り込まれた電子音楽では、モニター的とも捉えることもできます。冒頭のイントロから感じる電子音の精緻な音分離は、いかにも情報量指向。女性ボーカルは力強くセンターに定位して埋もれる所がないし、ハイハットの金属音は高域はきらめくような輝きを放つ一方で、キツさをギリギリで回避するような絶妙な調整。行き過ぎるとキツくなる所を繊細にカバーしてくれるので、ジャンルを問わず、途方もない情報量に浸れる安心感もあります。
「AZ80」も同時に聴いたのですが、「AZ100」は音の余裕感とダイナミズムで一歩抜きん出ています。「AZ80」が持つ精密さはそのままに、「AZ100」では個々の音をより柔らかく描写して、高域、低域の音分離をさらに引き上げるので、楽器の音や微妙なニュアンスが自然に耳に入ってきますね。
▲“アダプティブ ノイズキャンセリング”はアプリからオン/オフが可能
「AZ100」ではノイズキャンセル性能も進化。ノイキャンを最適化する“アダプティブ ノイズキャンセリング”機能を利用可能になりました。
ノイズキャンセル性能は、電車内や街中の騒音下へも持ち出して試してみましたが、電車の騒音も、街中のクルマの音も、走行時に轟音として響くような重低音は全く聞こえないほど強力。
人間の耳の特性として低音の騒音が消えると、次はクルマが走り抜ける際のタイヤが擦れる高めの音、電車内ではガタゴトと鳴る中域の騒音が気になり始めるのですが、「AZ100」では“アダプティブ ノイズキャンセリング”が働き高域側も低減。特に路上や駅構内、電車内の周囲の人の声も大幅にボリュームダウンできることもメリットです。
最後に「AZ100」をMacBook Airに接続して、ビデオ会議で通話音質もテストしてみました。
通話音質に関しては、新搭載のAIプロセッサでノイズ除去機能が強化されているのですが…実際に通話音声を確認してみると、声を拾う音の厚みは良く再現していますが、声にクリアさがいまひとつ。
▲ビデオ会議用に「AZ100」を導入してみましたが…
一方、通話マイクのノイズキャンセルは非常に強力で、屋外の騒音でも、すぐ近くで流れているTVの音声すらも拾わないほどで、騒音下での通話には非常に強いといえます。
* * *
2025年最初の注目イヤホンとして登場したテクニクス「EAH-AZ100」。「AZ80」の後継として、“磁性流体ドライバー”による音質アップは期待値以上。「AZ80」とは音の方向性が少し異なる、柔らかく音楽性を重視したサウンドとして楽しめて、他に似たサウンドのない高音質イヤホンでした。
LDACコーデック対応、ノイズキャンセリングもアダプティブ対応、3台マルチポイント接続(LDAC接続時には2台まで)など、定番機能も継承。2025年に入り、いきなり登場した大本命モデルとして、テクニクス「AZ100」は、今年の新機種のハードルを上げまくった一台になりましたね。
<取材・文/折原一也 取材協力/テクニクス>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
【関連記事】
◆機能性やリスニングスタイルの多様化が拡大! 2024年の「イヤホン」ベストバイ3選【GoodsPress Award 2024】
◆Apple、Bose、JBL、B&Wが主役だった!? 2024年のワイヤレスイヤホンを振り返る
◆音質は?ノイキャン性能は?フラッグシップ完全ワイヤレス5モデル試聴レビュー【&GPイヤホン祭り2024】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
テクニクス、初の磁性流体ドライバー搭載完全ワイヤレスイヤホン!ってスゴそうだけど一体何モノ?
&GP / 2025年1月14日 22時0分
-
パナソニックが新イヤフォン「EAH-AZ100」発売 新開発の“磁性流体ドライバー”搭載で約4万円
ITmedia Mobile / 2025年1月8日 18時2分
-
完全ワイヤレスイヤホン テクニクス EAH-AZ100を発売
PR TIMES / 2025年1月8日 12時45分
-
パナソニック、業界初の磁性流体ドライバー搭載する完全ワイヤレス「EAH-AZ100」
ASCII.jp / 2025年1月8日 12時20分
-
Apple、Bose、JBL、B&Wが主役だった!? 2024年のワイヤレスイヤホンを振り返る
&GP / 2024年12月30日 20時0分
ランキング
-
1「中居氏騒動」フジ社員に伝えたい"企業防衛"論理 「もし会社が消滅するかもしれない」事案起きたら
東洋経済オンライン / 2025年1月18日 17時30分
-
2CMが「ACジャパン」になっていく…中居正広氏を起用し続けたフジテレビ社長に現役社員が抱く“強烈な違和感”
プレジデントオンライン / 2025年1月19日 7時15分
-
3「早く死ね」とダイレクトメッセージを送ってきた60代男性の心を浄化した52歳僧侶の"許しの返信"
プレジデントオンライン / 2025年1月19日 7時15分
-
4「ほぼ常に揺れている」ダイソー、原因は上階のフィットネスジム? バーベルの落下音やランニングマシンの振動が社会問題化
まいどなニュース / 2025年1月18日 15時10分
-
5「雪遊びしていた犬が刺さってる」 謎すぎる光景に8.6万人驚がく...何があった?
Jタウンネット / 2025年1月19日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください