【VW パサート 2.0 Rライン試乗】スポーティな新エンジンは、力強くて回して楽しい!
&GP / 2016年11月5日 19時0分
【VW パサート 2.0 Rライン試乗】スポーティな新エンジンは、力強くて回して楽しい!
VW(フォルクスワーゲン)の上級セダン&ステーションワゴンの「パサート」に、2リッターの直噴ター本エンジンを搭載する魅力的な新グレード「2.0TSI Rライン」が追加されました。
8世代目となる現行パサートは、従来、1.4リッターの直噴ターボエンジンのみの設定でしたから、2.0TSI Rラインの追加は走りを重視するユーザーにとってうれしいニュースといえるでしょう。今回はそのセダンとヴァリアント=ワゴンをドライブしてきました。
■思わずニヤニヤしてしまう2.0TSIの加速フィール
現行パサートは、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2015を受賞した、フォルクスワーゲンの屋台骨を支えるモデルのひとつ。従来から設定のあった1.4リッターの直噴ターボエンジンは、150馬力の最高出力と20.4km/L(JC08モード)という低燃費を両立した傑作エンジンです。
1500~3500回転という低い回転域で25.5kg-mという最大トルクを発揮するため、セダン=1460kg、ヴァリアント=1510kgと、車格の割には軽めな車体に対し、非力さを感じることはありませんでした。ただし、スポーティさを売りにしたグレードのRラインには、もう少しパワフルなエンジンを求める声が多かったのも事実。今回登場した2.0TSI Rラインは、そうしたニーズに応えたモデルだといえます。
搭載される2リッターの直噴ターボエンジンは、シリンダーヘッドとエキゾーストマニホールドの一体化や、内部のフリクション低減などにより、最高出力220馬力、最大トルク35.7kg-mを発生。これは、「ゴルフ」のスポーティグレードである「GTI」と同じスペックです。そして、最大トルクの発生回転数は、1400~4400回転とさらに拡大。組み合わせられるトランスミッションはデュアルクラッチ式の6速DSGです。
車内に乗り込むと、3本スポークのレザーステアリングや、Rライン専用のスポーツシートなど、派手さはないもののちょっと気が引き締まる感じの内装。シートも窮屈な印象こそ皆無ですが、体をしっかりサポートしてくれる感じです。
排気量が2リッターに拡大されたので、発進時から強力なトルクを感じられるのかと思ったら、意外やそうでもありません。パワフルさが一気に増すのは、回転数が2000回転を超えた辺りから。1.5トンの車体が滑るように加速していくフィーリングは、既存の1.4リッターエンジンでは味わえなかったもので、思わずニヤニヤしてしまう楽しさがあります。
そして、その面白さが本領を発揮するのは、ドライビングプロファイル機能を「スポーツ」に切り替えてから。この機能は「エコ」「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「カスタム」の5つモードをボタンひとつで切り替えられるもの。トランスミッションの変速プログラムやパワステの特性、ダンパーの減衰力、それに、エアコンの効き具合までを一括してコントロールできるので、思った以上にクルマの性格が激変します。
特に「スポーツ」モードでは、エンジン回転数を“ちょうど美味しい”2000回転以上に保とうとするシフトプログラムになっているようで、どこからアクセルペダルを踏み込んでも“楽しい”加速を味わえます。ステアリングや足回りのフィーリングもシャキッと引き締まったものになるので、車体の大きさを気にせず振り回してみたくなります。
特に、シフトモードをマニュアルに設定し、パドルシフトで操作すると、楽しさ倍増。上まで気持ちよく回る特性のエンジンなので、マニュアルシフトで回転数を高く保つ走り方だと余計に気持ちいいのです。最近の燃費重視のダウンサイジングターボとは一線を画す爽快感。燃費はJC08モードで15.0km/Lなので、あまり低燃費とはいえませんが…。
もうひとつ、個人的に気に入ったのがメーターです。フルデジタル12.3型のディスプレイ“Active Info Display”(オプション)が装着されていたので、ドライバーの目の前にナビゲーション情報をはじめとするさまざまな情報が表示できます。
表示される情報やメーターのサイズなどは好みに設定できるので、シーンや気分に合わせてメーターレイアウトを選べます。特に、ナビゲーションの表示は視線の移動量が少なくて済むので、一度慣れてしまうと、通常のセンターコンソールに搭載するナビには戻れないかも…と感じたほどでした。
安全装備が充実しているのも2.0TSI Rラインのポイントで、プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”や、渋滞時に前車を追従し、停止だけでなく再発進もしてくれる“Traffic Assist”も標準装備。駐車時にステアリングを自動で操作してくれる“Park Assist”もオプション設定されています。
また、衝突された際にエアバッグの作動を検知して自動でブレーキをかけ、はみ出しによる多重事故を防ぐ“ポストコリジョンブレーキシステム”も搭載。自動ブレーキをはじめとした予防安全機能は近年、必須の装備になっていますが、事故が起きた後の二次被害防止まで視野に入れた辺りは、VWならではの装備といえるでしょう。
今回は、セダンとヴァリアントに乗ることができましたが、正直なところ、両車の走りの違いは感じられませんでした。車重の差はヴァリアントの方が50kg重いのですが、鈍重さやリア回りの剛性不足などを感じることはありません。セダンの派生モデルであるヴァリアントも、しっかり真面目に作っている証ですね。
価格は、セダンが499万9000円、ヴァリアントは519万9000円。2.0TSI Rラインの性格を考えると、ユーティリティに優れたヴァリアントを選ぶのが正解かな、と思います。休日に家族を載せたり荷物を満載したりする時は「エコ」モードや「コンフォート」モードで排気量拡大のメリットを活かした大人っぽい走り方で、一方、ひとりでドライブする時は「スポーツ」モードに入れてスポーティな走りを満喫する…。そんな付き合い方がしっくりマッチしそうな、2.0TSI Rラインなのでした。
<SPECIFICATIONS>
☆パサート 2.0TSI Rライン
ボディサイズ:L4785×W1830×H1460mm
車重:1510kg
駆動方式:FF
エンジン:1984cc 水冷直列4気筒 ターボ
最高出力:220馬力/4500〜6200回転
最大トルク:35.7kg-m/1500〜4400回転
トランスミッション:6速DSG
価格:499万9000円
<SPECIFICATIONS>
☆パサート ヴァリアント2.0TSI Rライン
ボディサイズ:L4775×W1830×H1500mm
車重:1560kg
駆動方式:FF
エンジン:1984cc 水冷直列4気筒 ターボ
最高出力:220馬力/4500〜6200回転
最大トルク:35.7kg-m/1500〜4400回転
トランスミッション:6速DSG
価格:519万9000円
(文&写真/増谷茂樹)
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