奈津子×安蔵靖志の"最新家電"丸わかりニュース 2016年10月
&GP / 2016年11月4日 21時0分
奈津子×安蔵靖志の"最新家電"丸わかりニュース 2016年10月
元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合います。果たして、10月に発表された注目の家電製品は……?
■“みごと”と“残念”が入り交じる「バルミューダ ザ・ポット」
安蔵:まずはバルミューダから。「Hello Kitchen!」シリーズの第2弾がついに出ましたね。パンを絶妙に焼き上げる「バルミューダ ザ・トースター」の次は、何と「電気ケトル」でした。
奈津子:初めてザ・トースターで焼いたパンを食べたときの衝撃は今でも忘れられませんけど、「次は電気ケトル?」って驚きました。
バルミューダ ザ・ポットのプレス向け体験会に出席
安蔵:今回のモデルは「コーヒーをおいしくドリップできること」と、「素早くカップヌードルを作れること」の2つにこだわったそうですね。何の変哲もないというか、シンプルにデザインのいい電気ケトルというイメージでしたが、実際に試してみると「お湯の細かいコントロールのしやすさ」と「お湯を注ぐ速さ」を両立しているのはなかなかハイレベルでしたね。
奈津子:社長のプレゼンにはとても引き込まれました。歩くよりもバイクに乗っている時間の方が長い高校時代、明け方に自販機で買って食べたカップヌードルのおいしさ……。
安蔵:ああいうシズル感(おいしそうに思わせること)は、みごとです。
奈津子:寺尾社長、イケメンですよね。
安蔵:……そっち?
バルミューダの寺尾玄社長と奈津子さん
奈津子:あ……いや、それだけじゃないんですよ。以前、『アメトーーク!』に出演していた家電芸人さんの出待ちをして、バルミューダの扇風機をその場でプレゼンしたらしいんです。それで実際に番組で紹介してもらって、大ヒットになったそうで。その行動力が素敵なんですよ。
安蔵:私はプレス向け体験会のとき、寺尾社長に「トースターのときのようなイノベーション(革新性)がないのでは?」って意地悪な質問をしちゃいました。
奈津子:でも寺尾社長は「モノではなく体験を売ることが大切」と話していましたね。ザ・トースターの大成功から、さらにそれを強く感じたそうです。ロボット掃除機「ルンバ」のアイロボットもそうですし、ダイソンなどもまさにそうです。最近はそういう企業、そういう売り方がすごく増えてきたように感じます。
プレス向け体験会ではコーヒーのドリップ体験もやりました
安蔵:確かに、パナソニックのドラム式洗濯機「Cuble(キューブル)」なんかもそうです。単純に「デザイン性を追求しただけ」と思われるかもしれませんが、洗濯という作業が楽しくなるような、新しいライフスタイルの提案がありますよね。
パナソニック ななめドラム洗濯機Cuble「NA-VG1100L/R」(実勢価格:30万8500円前後)
奈津子:製品は注ぎ口とハンドルの形状、大きさ、質感などのデザイン性が素晴らしいですね。曲線のカーブがまるで芸術品のようですし、ネオン管のインジケーターもほんのり揺れる感じでとても情緒的です。
安蔵:ただ一つ残念なのは、お湯を100℃まで沸かす機能しかないこと。例えばコーヒーを入れる際の適正な温度は90℃~96℃程度などと言われたりするのですが(諸説あり)、そこはいったん沸かしてから冷ますしかありません。保温ができる電気ポットではないので難しいかもしれませんが、もうプラスαが欲しかった気がします。
奈津子:ザ・トースターがとても魅力的だっただけに、期待感は強すぎたかもしれませんね。私は、個人的には若干コンパクト過ぎる(容量600ml)気がしました。大家族には向かないかもしれませんが、「特別感のある電気ケトル」って今までにはなかったように思います。
安蔵:これがヒットしたら、「高級トースター」みたいに「高級電気ケトル」という新たなカテゴリーができるかもしれません。
奈津子:そうしたら、さらなるイノベーションが巻き起こる可能性もあります。今以上に動向に注目していきたいですね。
BALMUDA The Pot(バルミューダ ザ・ポット)。実勢価格:1万1880円
■空気清浄機は「空気を見える化」する時代に!
安蔵:空気清浄機も一気に動きが出てきましたね。ダイソンは4月にスマホ連携可能な「Dyson Pure Cool Link」を発売しましたが、続いてスマホ対応を実現したファンヒーターの「Dyson Pure Hot+Cool Link」を発表しました。
スマホ連携にも対応した、ダイソンの空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool Link」
奈津子:私はうかがえなかったのですが、ブルーエアもスマホと連携する新しい「Blueair Classic」を発表しましたね。
ブルーエアの「Blueair Classic」シリーズ
ブルーエアの「Blueair Friend」アプリの画面
安蔵:私は以前タバコを吸っていたことやペットを飼っていたこともあって、もう15年以上前から空気清浄機を使っているのですが、空気清浄機を持っていない人が購入に踏み切れない理由として「本当にきれいになっているのかが分からない」というのがある気がするんですよね。
奈津子:分かります。ダイソンの発表会は、お医者さんや医療ジャーナリストの方がトークする形で、受動喫煙の危険性やカビによる過敏性肺炎の危険性などについて啓蒙されているという印象を受けました。私は非喫煙者ですが、受動喫煙による死亡者数が年間約1万5000人にも上るという数字を挙げられるとさすがに怖いですね。
ダイソンは単に大風量で吸い込むのではなく、空気の速度をコントロールすることで「PM0.1」(粒径0.1μmの微小粒子状物質)を約99.95%捕集できるというのを売りにしています。
ダイソンの発表会では医学博士で医療ジャーナリストの森田豊氏(写真中央)、生活に関わる害虫や微生物の研究を長年続けているエフシージー総合研究所の川上裕司氏(写真右)を迎えたトークショーが行われた。写真左は司会を務めたフリーアナウンサーの政井マヤさん
安蔵:ダイソンは発表会の手法やマーケティングがなかなかうまいですよね。ブルーエアの方はシンプルな発表会だったんですけど、内蔵センサーとスマホアプリを組み合わせることで、「空気の見える化」を実現するというコンセプトは共通でした。
奈津子:ダイソンのアプリでは、部屋の中の空気がどれくらいきれいなのか汚れているのかが一目で分かるのを確認できました。時系列でどのように推移しているのかも分かります。高い金額を払っても、そこまで教えてくれるのなら満足度は高いのではないかと思います。
ダイソンの「Dyson Link」アプリの画面
Dyson Pure Hot+Cool Linkは本体下部に空気の質を検知するセンサーを搭載している
安蔵:ダイソンの場合は「空気清浄機」だけでなく、「ファンヒーター」としての機能も強く訴求していましたね。リモコンのボタン1つで狭い範囲に集中して温風を届ける「フォーカスモード」と、より広範囲に風を送る「ワイドモード」の切り替えができたりとか。
「フォーカスモード」の場合、前方に集中して風を送る
「ワイドモード」の場合、風を左右に広げて送るのが特徴となっている
奈津子:私は子供の頃に母と姉2人、妹、祖母の“女性6人”で暮らしていた経験がありますし、大人になってからはアイドルグループ「SDN48」在籍時に常に女35人前後の団体行動をしていたから分かるんですけど、女性は温度変化に本っ当に敏感なんですよ。
安蔵:冷え性の人も多いですよね。
奈津子:もう敏感というか、「うるさい!!」って感じです(笑)。冷えは女性にとって大敵なので仕方ないんですけどね。男性の皆さん、これさえ買っておけば多分、奥さんや彼女は黙ると思いますよ。それだけ、風量にこだわりを持つ方は多いので。
安蔵:でも、お値段を聞いたら激怒する奥さんも多いかも(笑)。
奈津子:確かに、ブルーエアもそうですけど、結構お高いのが玉にきずですよね。
安蔵:まあでも、アプリで室内の空気の汚れ具合が分かるのは、出張が多い人や小さな子供がいる家庭には便利ですよね。それに、アプリでさまざまな地域の空気の汚れ具合も分かりますし。
奈津子:それは本当にそう思います。実際に私自身、現在出演しているTX『開運!なんでも鑑定団』で地方にロケに行くことも多いので、行き先の空気の状況を知ることができるのは便利に感じます。
■ヘアードライヤーも群雄割拠の時代に突入です!
奈津子:ヘアードライヤー市場も、一気に盛り上がってきましたね!
安蔵:ダイソンが4月に「Dyson Supersonic」を発売して、“王者”パナソニックにも危機感が芽生えたような印象があります。ナノケアシリーズの魅力や髪の毛に対する効用を詳しく紹介するプレス向けセミナーがあって、滋賀県の南草津まで行ってきましたよ。
奈津子:先日はシャープも“かっさ”をヘッドに装着したプラズマクラスタードライヤーを発表しましたね。
シャープが発売した「プラズマクラスター スカルプエステ IB-GX9K」
安蔵:「かっさ」って全然ピンとこないんですけど、女性には当たり前のものなんですか?
奈津子:美容器具とかでは有名ですね。家電でもパナソニックが「頭皮エステ」のオプション品として「かっさブラシアタッチメント」というのを出したりしています。
プラズマクラスター スカルプエステの前方には「かっさ」と呼ばれるアタッチメントが付いている
安蔵:髪の毛を持ち上げて、プラズマクラスターを頭皮に吹き付けやすくするってことなんですね。
奈津子:実際にかっさ部分を頭皮にあててみると、どことなく人の指みたいな感触もあって気持ちがいいです。毎日使用してもいいらしいですよ。女性はもちろんのこと、薄毛に悩む男性も多いですから、そういう人も使いやすいようにブラックのカラーリングにしたそうです。フケ・かゆみも抑制してくるそうですから、男性の皆さんにもオススメです。カサカサ頭皮は、女性から結構見られてますよ?
かっさによって髪の毛を持ち上げることで、プラズマクラスターを頭皮に届けやすくなるとのこと
安蔵:それは怖い怖い。
奈津子:説明会ではかっさの形が完成するまでの推移や、さまざまな実験を見せてもらい、実際に体験させてもらいました。しっかりと使えば頭皮環境が良くなりそうなので、2万5000円という実勢価格も決して高くはない気がします。
プラズマクラスター スカルプエステに付属する「かっさアタッチメント」の開発の変遷。素材や形、硬さなどが変化している
安蔵:実際、2万円を超えるパナソニック「ナノケアシリーズ」の最上位モデルが、ここのところずっと金額シェアナンバーワンの座をキープしているそうです。もちろん数量シェアではありませんけど、「いいものなら高くても買う」という人は確実にいるんですよね。
奈津子:Dyson Supersonicは発売以来ずっと金額シェア2位だそうですね。
東京・南麻布にある「JET SET dry bar」でDyson Supersonicなどを使ったシャンプー・ブロー体験をしてきた奈津子さん
安蔵:ダイソンは単価が高いですからね。まあ、それだけパナソニックの牙城が高いということです。
奈津子:でも、面白くなってきました。
安蔵:以前から小泉成器やテスコムなどのメーカーが数多くのドライヤーを出しているんですけど、パナソニックやシャープなどのナショナルブランドがより力を入れて高級&高性能モデルを出してくると、市場が盛り上がっていく感じはします。シャープもいよいよ本気を出してきたので。
奈津子:これまでは本気じゃなかったんですか?(笑)
安蔵:まあ、大々的な発表会をやるほど本気ではなかったってところですかね。「薄毛は治療」という時代になりましたけど、男性にとって日々の頭皮ケアは重要です。
奈津子:そういう意味では、これからヘアードライヤーを含めた頭皮ケア家電市場が、もっと熱くなる可能性があるってことですね。
安蔵:まさにそうです。薄毛予備軍としては大注目です!
奈津子:予備軍……?
安蔵:まだ予備軍です! 注目です!
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ~ンの家電ソムリエ』にも出演中。
なつこ/女優・タレント
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」
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