吉田由美の眼★新星アウディ「Q2」は“今が旬”のスタイリッシュSUV
&GP / 2016年11月12日 9時0分
吉田由美の眼★新星アウディ「Q2」は“今が旬”のスタイリッシュSUV
世界的な人気の高まりを受け、各社から多彩なモデルが登場しているSUV。中でも最近は、コンパクトやクーペルックのSUVが、新しいトレンドとなりつつあります。
そんな“旬”のポイントを兼備した注目モデルが、アウディ「Q2」。2017年に日本上陸予定の注目モデルをドライブするためにスイスへ飛んだのは、“美人すぎる自動車評論家”吉田由美さん。
日々、クルマの楽しさを人々に伝える人気カーライフ・エッセイストは、“今が旬”のスタイリッシュSUVをどのように評価するのでしょうか?
クルマにもトレンドがありますが、セダンやクーペといったボディスタイルの中で、今、世界的に最もホットなのがSUV。日本では、少し前までミニバンがブームでしたが、このところ、スタイリッシュでカッコイイSUVに人気が移りつつあります。
でも、SUVが人気の秘密は、決してルックスだけではありません。セダンに比べると天井が高くてキャビンが開放的だったり、座面が高い分、目線が高くて遠くまで見えるので見晴しが良かったりといった、実用性の高さも人気のポイント。背の低い人でも“見下ろされる世界”から“見下ろす世界”の中でドライブできるため、特に女性は、クセになるらしい、のです。
さらに最近は、コンパクトかつクーペルック、というのが、SUVのトレンドキーワード。そんな“旬”のポイントを併せ持っているのが、アウディのニューモデル「Q2」です。
■アートのようなエクステリアデザインはとても華やか!
アウディのSUVといえば、一番大きな「Q7」に始まり、「Q5」、「Q3」という具合に“Q+奇数”というのがネーミングの法則で、数字が小さくなるほどコンパクトになります。
Q2は、「Qシリーズ」の中で最も数字が小さいことからも分かるように、ボディは一番コンパクト。でも、スタイリッシュなクーペルックという、これまでのアウディのSUVにはないテイストを備えていることから、Qシリーズで初めて、偶数の「2」をネーミングに与えられました。
Q2は、今年2016年3月のジュネーブモーターショーで世界初公開され、今秋、ヨーロッパでの発売がスタート。日本へは、来年2017年に上陸予定とのことです。というわけで今回、ひと足早く、スイス・チューリッヒで行われた国際試乗会でドライブしてきました。
会場は、かつてスイス軍が使用していた飛行場の格納庫。ウェルカムルームで待っていると、予定時刻に倉庫のドアがオープン。そこには、試乗車が勢ぞろいしていました。
私がドライブするQ2に乗り込むと、ドライブインシアターのように、目の前の大型スクリーンを使ってプレゼンテーションが行われ、その音声は車内のスピーカーに流れてくる仕組み。「若者にも親しんで欲しい」というだけあって、格納庫の壁に描かれた落書きのようなストリートアートが、Q2の世界観を表現しています。
確かに、Q2のエクステリアデザインは、アートのよう。
大きく、かつ高めに据えられたフロントグリルは、アウディのアイコンである“シングルフレームグリル”ですが、クルマのサイズ以上に迫力があります。また、フロントまわりは細かな部分まですべてが凝ったデザインになっていて、そのにぎやかな造形が、Q2のこだわりでもあり、エネルギッシュなルックスの源にもなっています。
一方、低く抑えられたルーフは、Q2をスタイリッシュに見せている演出のひとつ。加えて、Cピラー部分の“ブレード”が、サイドから見た際のアクセントになっています。
そして、外観でもうひとつ注目したいのが、Q2の表情を引き締める前後のライト。ヘッドライトには31個、テールライトには78個のLEDが使用されています。
12色のボディカラーや、全10色が設定されるインテリアのデコラティブパネルなど、多彩な“色遊び”を楽しめるのもQ2の魅力。インテリアはボディ同色のパネルを選択できるので、赤などビビッドな色を選べば、華やかさ倍増! また、外観とインテリアとのコーディネートも楽しめます。
もちろん、このところアウディ車が立て続けに導入している“バーチャルコックピット”も採用。ハンドルの奥に見える液晶メーターを切り替え、カーナビ画面を映し出せば、まさに“今どきのアウディ感”満点です。
また、Q2で見逃せないトピックのひとつとして挙げたいのが、安全装備“トラフィックジャムアシスト”。舗装路を走行中、65㎞/h以下の場合は、超音波センサーとフロントカメラを活用し、ステアリング操作もアクセル操作もアシストしてくれます。加えて“アウディ・サイドアシスト”が走行している車線内をキープしてくれるので、渋滞時などに大活躍すること間違いなしです。
今回試乗したのは、日本に導入予定の1リッターTSFIエンジン(116馬力/6速MT)と、1.4リッターTSFIエンジン(150馬力/7速Sトロニック)というガソリン2種と、クリーンディーゼルの2リッターTDI(190馬力/7速Sトロニック)。ちなみにディーゼルモデルには、アウディ自慢の四駆システム“クワトロ”が搭載されていました。
1リッターTSFI→1.4リッターTSFI→2リッターTDIの順にドライブしたのですが、3車の違いは実に分かりやすく、その差はほぼ予想どおり。こういう場合、最初に試乗した1リッターTSFIが私の評価のスタンダードになりがちなのですが、1リッターのQ2は、高低差の無い道路でも、ちょっとした加速時に若干の物足りなさを感じました。6速MTのギヤ比がエンジンの特性に合っていない、ということもあったかもしれませんが、ちょっと気になるポイント…。
「もう少しスムーズで元気だったらいいのに…」と思っていたところで、1.4リッターTFSIにスイッチ。乗り換えると、1リッターTSFIでは物足りなく感じた部分が、期待どおり補われていました。走りは実に軽快! 個人的には、1.4リッターTSFIが、Q2の中ではバランスが良いと感じました。
そして最後に、クリーンディーゼルの2リッターTDI。その試乗コースは、アップダウンの激しい山道だったのですが、それでも、グイグイと山道を上っていっちゃう感じが、とても頼もしい! でも残念ながら、ディーゼル仕様の日本導入は、今のところ予定がないそうです。残念。。。
(文/吉田由美 写真/AUDI AG)
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