1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

MacBook Proに向く人、iPad Proに向く人の見分け方

&GP / 2016年12月13日 7時0分

MacBook Proに向く人、iPad Proに向く人の見分け方

MacBook Proに向く人、iPad Proに向く人の見分け方

新しい「MacBook Pro」、使いやすそうですよね。13インチモデルが厚さ14.9mmで1.37kg、15インチモデルが厚さ15.5mmで1.83kgと、薄型・軽量化が図られたので、これまで「MacBook Air」(13インチモデルが1.35Kg)を使っていた人も気になっているのではないかと思います。実は、筆者もその1人です。

MacBook Air並みの軽さを実現したMacBook Pro新モデル ▲MacBook Air並みの軽さを実現したMacBook Pro新モデル

 

■やはり注目は新搭載の「Touch Bar」

筆者は“信者”と言えるほどではないですが、長くアップル製品を愛用しています。仕事で使うパソコンはiMacとMacBook Airで、iPhoneもiPadも使っています。Apple Watchも常に身につけていますし、自宅のテレビにはApple TVがつながっています。

ですが、新製品を次から次へと購入できるほど、懐に余裕はありません。iPhoneは毎秋、新しいモデルを購入していますが、「iPad Pro」の衝動買いはなんとか抑えました。12.9インチのiPad Proと純正のSmart Keyboardを組み合わせて使えば、もはやMacBookは要らないのではないか? モバイル用の大画面デバイスは、iPadかMacBookのどちらかひとつでいいのではないか? 次のMacBookが発表されてから決めよう! などと考えていたのです。

そこに登場したのが、MacBook Pro。新たに搭載された「Touch Bar」は直感的に操作できそう。指紋センサーも搭載し、音声検索「Siri」にも対応しました。MacOSとiOSが歩み寄ったというか、長所を融合したというか、iPhoneやiPadを使っている人にとって、より使いやすいマシンに進化したと言えそうです。

iPhoneと同じように設定できるTouch ID ▲iPhoneと同じように設定できるTouch ID

Siriの認識精度は、iOS 10向けよりも若干劣る印象 ▲Siriの認識精度は、iOS 10向けよりも若干劣る印象

このMacBook Proの13インチモデルと、iPad Proの12.9インチモデルを同時に借りることができたので、1週間ほどじっくり使い比べてみました。

 

■ディスプレイが美しいのはどっち?

MacBook Proの利点として、まずRetinaディスプレイが挙げられます。筆者が試用した13インチモデルの解像度は2560×1600ピクセル(227ppi)。写真や動画を明るく精彩に表示できることはもちろん、小さな文字もくっきりと表示され、目にやさしい印象を受けました。

13.3インチのRetinaディスプレイを搭載したMacBook Pro ▲13.3インチのRetinaディスプレイを搭載したMacBook Pro

ちなみにiPad Pro(12.9インチ)の解像度は2732×2048ピクセル(264ppi)。スペックではMacBook Proを上回りますが、実使用においては、どちらも遜色がないでしょう。

12.9インチのRetinaディスプレイを搭載したiPad Pro 12.9インチのRetinaディスプレイを搭載したiPad Pro

 

■MacBook Proのキーボードの操作感は?

MacBook Proのキーボードは「第2世代のバタフライ構造」を採用し、従来よりも薄くフラットになっています。ですが、軽く押すだけで、しっかりとしたクリック感が得られます。キーの物理的な反発ではなく、言わば擬似的なリアクションが指先に伝わる感じです。使い始めは違和感があったのですが、ほんの1〜2日で慣れました。職場の同僚や部下にも使わせてみたところ、最初から「タッチしやすい」「操作しやすい」と感じる人が多かったです。キーピッチは標準的で、トラックパックは広くて感圧タッチにも対応。操作性にこれといった死角は見当たりません。

バックライトで点灯するので、暗い場所でも操作可能 ▲バックライトで点灯するので、暗い場所でも操作可能

iPad Proは、Smart Keyboardを取り付けると2in1パソコンとして使えます。Smart Keyboardは日本語表示はありませんが、JIS配列準拠で4方向キーも備えているので、パソコンのキーボードと同じ感覚で操作できます。しかし、キーが硬いというか、若干強めのクリックが必要で、MacBook Proに比べるとスピーディーなタイピングには向いていない印象です。

Smart Keyboardのキー操作は多少の慣れが必要。うっかり水をこぼしても、内部に浸水しない仕様 ▲Smart Keyboardのキー操作は多少の慣れが必要。うっかり水をこぼしても、内部に浸水しない仕様

 

■注目のTouch Barの使い勝手は?

MacBook Proの使い勝手で、賛否が分かれそうなのが「Touch Bar」です。従来はファンクションキーや「esc」キー、音量キーなどがあった最上段のキーがなくなり、触れて操作するTouch Barがに変わりました。そして、その右側には、指紋センサー「Touch ID」も搭載されています。

このTouch Barは、起動するアプリケーションや、ユーザーがどんな作業をしているかを認識して、表示される項目が変わる仕組み。例えば、音楽を聴いているときには、音楽操作用のメニューが表示され、マップを検索している際には、検索結果から経路を調べたり、共有したりできるショートカットへと導いてくれます。

Safariを起動すると、お気に入りに登録したWebサイトのアイコンが表示 ▲Safariを起動すると、お気に入りに登録したWebサイトのアイコンが表示

マップ起動時には、マップの操作に必要なアイコンなどが表示 ▲マップ起動時には、マップの操作に必要なアイコンなどが表示

長くMacを使っている筆者でも「これは便利!」と感じました。iPhoneやiPadのメニュー遷移にも近いので、初めてMacを使うでも違和感なく操作できると思います。いまは、スマホの操作に慣れてから、パソコンを始める人のほうが多いと聞きます。Touch Barは、まさにスマホの操作に慣れた人に向けた新しいUIと言ってもいいでしょう。

Touch barは自分が使いやすいようにカスタマイズ可能 ▲Touch barは自分が使いやすいようにカスタマイズ可能

なおiPad Proは、そもそもディスプレイをタッチして操作する仕様です。Smart Keyboardと組み合わせて使う場合、タッチパネルとキーボードを併用する操作ができます。ですが、手を動かす範囲が広くなり、意外と面倒なんですよね。MacBook ProのTouch Barは、通常の両手打ちのポジションから人差し指や中指を使って操作できるのも利点です。

 

■内蔵スピーカーの音質はiPad Proが勝る?

MacBook Proは内蔵スピーカーも進化しています。ダイナミックレンジが2倍になり、音量が最大58%も大きくなっています。音楽を聴いたり、動画を観たりする際に、キーボードの左右から音が広がる仕様です。

左右に内蔵スピーカーを搭載 ▲左右に内蔵スピーカーを搭載

しかし、音質に関しては、iPad Proに軍配が上がります。iPad Proの四隅にはHi-Fiスピーカーが搭載されていて、ずっしりと響く低音から、クリアに伸びる高音まで、広い音域をバランスよく再生できます。初めて聴いたときは“感動モノ”でした。MacBook Proと比べてみて、あたらめてiPad Proのスピーカーの優位性を再認識させられました。

右がMacBook Pro、左がSmart Keyboardを取り付けたiPad Pro。サイズ感はほぼ同じ ▲右がMacBook Pro、左がSmart Keyboardを取り付けたiPad Pro。サイズ感はほぼ同じ

 

■どちらか1台の「Pro」を選ぶなら?

持ち歩くデバイスとしては十分なパフォーマンスを期待でき、画面もきれいで、キーボードの使い勝手も及第点。さらに、操作の快適性の向上や時短を期待できるTouch Barも搭載。13インチのTouch Bar搭載モデルで17万8000円(税別)〜と、価格はそれなりですが、MacBook Proは、買って損なしの1台と言えそうです。

外部インターフェイスは、Thunderbolt 3(USB-C)×4とヘッドホンジャック。USB-Cはまだ普及途上なので、従来から持っている周辺機器の接続には変換アダプタが必要になることもあるでしょうが、4ポートあれば困ることはないでしょう。

右サイドにヘッドフォンジャック、両サイドにThunderbolt 3のポートを2つずつ備える ▲右サイドにヘッドフォンジャック、両サイドにThunderbolt 3のポートを2つずつ備える

iPad Pro 12.9インチは8万2800円(税別)〜で、Smart Keyboardは1万7800円(税別)。さらに、iPad Proには欠かせないApple Pencilが1万800(税別)なので、全部購入すると、11万1400円(税別)。正直な感想を言えば、文字入力の作業などがなく、Webサイトや動画を観たり音楽を聴いたりするには、iPad Proのほうが軽くて使い勝手が良さそうです。Apple Pencilを使うことで紙のノートも要らなくなります。

Apple Pencilでアナログ的な入力ができることは、iPad Proだけのアドバンテージ ▲Apple Pencilでアナログ的な入力ができることは、iPad Proだけのアドバンテージ

でもやはり、どちらか1台を購入するならばMacBook Proをオススメします。いまは目新しく感じるTouch Barも、いずれはMacBookの標準機能として定着していくはずです。文字入力をすることが少なめで、「見る」用途が中心ならば、iPad Pro+Smart Keyboardをパソコン代わりに使うのもアリでしょう。もちろんノートPCとしてもフル活用して、映画や音楽、お絵描きなども楽しみたいのであれば、両モデルを購入して使い分けるのが理想的でしょう。

>> Apple「MacBook Pro」

 

(取材・文/村元正剛

むらもとまさかた/ITライター

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください