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[数字で知る乗り物図鑑] 全席10/12型モニター付き「エアバスA320neo」

&GP / 2016年12月30日 8時0分

[数字で知る乗り物図鑑] 全席10/12型モニター付き「エアバスA320neo」

[数字で知る乗り物図鑑] 全席10/12型モニター付き「エアバスA320neo」

2016年12月15日、ANAはエアバス製小型機A320シリーズの最新型「A320neo」を日本の航空会社として初めて受領しました。

間もなく国際線に投入されるA320neoは、高性能な新型エンジンを搭載しており、ネーミングの「neo」とはnew engine optionの頭文字を並べたものです。ちなみに、従来型も生産が継続されおり、こちらは「ceo」、current engine optionと呼ばれるようになりました。

とはいえ「A320は乗ったことあるし、乗客だと違いは分からないんじゃない?」という方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回はA320neoにまつわるいくつかの数字にスポットを当て、機体の特徴についてご紹介しつつ、ANA仕様機の魅力にも迫ってみたいと思います。

 

■37.6メートル/35.8メートル

A320neoの全長は37.6メートル、全幅は35.8メートル。従来型のA320に比べると、主翼端の形状が変更されたことで、全幅が1.7メートル拡大されました。

andgp_a320neo_02 ▲新型機「A320neo」

andgp_a320neo_21_a320_dsc_7649 ▲従来機「A320」

小型機とはいえ、そこは「国際線でも活躍する旅客機として」ということ。旅客機は客室内の通路が1本(単通路)の機体をナローボディ機、通路が2本あるものをワイドボディ機と呼びますが、A320シリーズはナローボディ機としては標準的な機体サイズと言えるでしょう。

数字だけではその大きさを想像するのは難しいかもしれませんが、例えば首都圏を走るJRの通勤型車両は1両の全長が20メートルなので、2両分よりやや短いといえば想像できるかもしれません。

andgp_a320neo_20_jr_e231_dsc0031

また、A320neoファミリーには胴体長を33.84メートルに短縮したA319neo、44.51メートルに延長したA321neoも設定されています。いずれも胴体幅は3.95メートル、客室の最大幅は3.70メートルで共通となっています。

 

■146席

A320といえばANAやルフトハンザといった大手フルサービスエアラインのほか、LCC(ローコストキャリア)でも活躍しています。座席配置についてはエアラインごとに異なりますが、エアバス社によると、2クラス仕様では150席、1クラスのLCC仕様では最大180席まで設定可能となっています。

andgp_a320neo_15 ▲エコノミークラス

今回、ANAが導入したA320neoは国際線仕様。座席数はビジネスクラス8席、エコノミークラス138席の合計146席という、ゆとりのある配置が特徴です。

andgp_a320neo_07 ▲客席最前部にあるビジネスクラス。全8席

快適性にこだわった客室内は小型機でありながら、全席にタッチパネル式パーソナルモニターを装備するなど、中大型機と変わらない機内設備を搭載しています。

▲エコノミークラスには全席10インチモニターが付く ▲エコノミークラスには全席10インチモニターが付く

▲ビジネスクラスのモニターは12インチ ▲ビジネスクラスのモニターは12インチ

ビジネスクラスは電動リクライニングシートを採用しており、シート間隔も50インチとゆったりくつろげるスペースを確保。エコノミークラスも31インチという十分なシート間隔となっています。

andgp_a320neo_16 ▲快適なビジネスクラスのシート。リクライニングは電動で行う

▲エコノミークラスも全席との間隔には余裕がある ▲エコノミークラスも前席との間隔には余裕がある

また、PC電源やUSB充電ポートのほか、機内Wi-Fi設備も搭載しているので、上空からメールの送受信やSNSへの投稿だって可能です。

▲モニターの下には充電用のUSBポートとイヤホンジャックが付く。さらに下にあるリモコンは引っ張り出して手元に持ってくることも可能(有線式) ▲モニターの下には充電用のUSBポートとイヤホンジャックが付く。さらに下にあるリモコンは引っ張り出して手元に持ってくることも可能(有線式)

■33機/4819機

A320neoシリーズの開発計画が発表されたのは2010年12月のこと。従来型で築いた実績と信頼性に加えて、経済性や環境性能の向上により好調な受注を記録しています。

▲A320neoのコクピット ▲A320neoのコクピット

2016年11月時点で、その数は89のエアラインから合計4819機。2016年1月にデリバリーが開始されており、現在は40機あまりが世界各地で活躍中です。

日本ではANAがA320neoを7機、A321neoを26機を発注しており、12月に受領したのはその初号機です。また、日本のLCCではピーチ・アビエーションが3機を発注していますから、数年後にはneoに搭乗する機会もグッと増えそうです。

 

■15%/3600トン

A320neo最大のエポックといえば、新型エンジンの搭載や空力性能の改善による燃費性能と環境性能の向上です。

従来型のエンジンは1970年代から80年代に開発されたCFMインターナショナル製CFM56、またはインターナショナル・エアロ・エンジン製IAE V2500を搭載していました。これらに代わって採用されたのはCFMインターナショナル製LEAP-1A、プラット&ホイットニー社製のPW1100G-JMという、低燃費&高性能な最新スペックのエンジンです。

▲A320neoのエンジン。ANAはP&W社を選択 ▲A320neoのエンジン。ANAはP&W社を選択

▲従来機A320のエンジン ▲従来機A320のエンジン

さらに主翼端には上に向かって伸びる「シャークレット」と呼ばれる翼が備わりますが、これは翼端で発生する渦を減少させ、空気抵抗を低減する効果があります。

▲A320neoのシャークレット ▲A320neoのシャークレット

▲従来機A320のウイングレット ▲従来機A320のウイングチップ・フェンス

これらの合わせワザにより、従来型に比べて燃料効率が最大15%改善しています。また、CO2の排出量も1機あたり最大で年間3600トンも削減できるといいますから、航空会社にとってのメリットも少なくないのです。

さてANA機はプラット&ホイットニー製エンジンを備えますが、一見しただけでneoと従来型を見分けるのは難しいかもしれません。見分け方としては、従来型のエンジンファン直径は約173cm、A320neoでは約205cmとひと回り大きくなっていること、またA320neoのエンジン正面に見えるファンブレードは曲線を描いているのが特徴です。

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■50%

飛行機といえばやはり騒音が気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。A320シリーズはもともと静粛性にも定評がある機体でしたが、PW1100G-JMエンジンでは騒音が伝わるエリアが約50%少なくなるなど、さらなる低騒音化が図られています。空港周辺の環境改善はもちろん、機内でもより快適に過ごすことができそうです。

andgp_a320neo_01

 

■107,300,000ドル

「よし、自家用に1機買おう!」というのは難しいかもしれませんが、旅客機の価格ってどれくらいなんだろう?と気になる方もいるのではないでしょうか。

為替レートや機体の仕様によって変動はありますが、A320neoの1機あたりのカタログプライスは1億730万ドル(2016年)、約125億円となっています。ちなみに総2階建ての超大型機であるA380-800は4億3260万ドル、約500億円ですから、お買い得といえばお買い得なのかもしれません。

andgp_a320neo_23_a380_d-aime ▲総2階建て旅客機「A380」のお値段は約500億円!

 

A320neoのことがお分かりいただけましたでしょうか。ANAのA320neoは2018年度にかけて7機体制となるようですから、海外旅行などで搭乗する機会が増えそうです。どれくらい快適な旅客機なのか、皆さんもぜひお試しを!

 

(取材・文・写真/村田尚之)

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