【スズキ スイフト試乗】100kg超ダイエットの恩恵大!欧州車的なルックスも◎
&GP / 2017年1月28日 18時0分
【スズキ スイフト試乗】100kg超ダイエットの恩恵大!欧州車的なルックスも◎
スズキの新型「スイフト」は、デザインがいい! ハッキリと新しくなったことをアピールしながら、それでいてスイフトらしさがちゃんとある……。
その道の専門家にとっては当たり前のことかもしれませんが、何はともあれ、スズキのデザインチームは、素晴らしい仕事をしましたね!
新しいスイフトは、目つきはキリリとしていますが、丸みを帯びた面構成のため、どこか愛嬌がある。こんなことをいうと“ガイシャかぶれ”と揶揄されそうですが、ちょっとフランス車っぽい。
スイフトは、軽自動車「kei」由来の初代を継いだ2世代目から、グローバルモデルとして欧州市場もにらんできました。そのため、スタイルにヨーロッパ風味を感じても不思議はありません。一方、ラウンドしたウインドウグラフィック、直線的に駆け上がるショルダーライン、そしてフローティングルーフが、スイフトらしさの根源です。
■新開発プラットフォームで全グレード車重1トン切り!
新型のボディサイズは、全長3840×全幅1695×前高1500(4WDは1525)mm。近年、クルマというものは、モデルチェンジをするたびに大きくなるものでしたが、今回のスイフトは、先代比で全長マイナス5mmと、わずかながら小さくなっています。
もちろん、上級ツアラーの「バレーノ」、パーソナルユースのスイフトと、すみ分ける必要があったというメーカーの事情もありますが、街中で使うことが多いコンパクトカーユーザーにとって、取りまわしのいい小柄なサイズが維持されたことは、素直にうれしいことです。さすがは庶民派メーカーのスズキ!? ちなみに、最小回転半径は5.2mから4.8mと、ますます小さくなっています!
コンパクトな寸法を維持しながら、室内、具体的には、リアシートと特にラゲッジスペースが大きくなっています。なぜそのようなことが可能だったのでしょうか? それは“HEARTECT(ハーテクト)”と名付けられた、ブランニューのプラットフォームが与えられたからです。ブランニューとはいえ、実際にはインド産の上級車種、バレーノのそれをやや短縮して使っています。
Newスイフトのホイールベースは、短くなった全長とは裏腹に、旧型より20mm長い2450mm。構造をイチから見直した上、超高張力鋼板、高張力鋼板といった強靱な素材を使うことで、フロントのクラッシャブルゾーンを従来より短くすることができました。つまり、エンジンルームの前後を短くできたので、クルマ全体の長さの中で、キャビン(と荷室)に振り分ける寸法を大きく採れたのです。
その恩恵で、後席は10mm、荷室は75mmも奥行きが増えました。荷室容量は、先代よりプラス55リッターの265リッター(VDA法)。いうまでもなく、後席は2:1の分割可倒式になっているので、必要に応じてラゲッジルームを拡大できます。先代スイフトの荷室を見て「コンパクトカーとはいえ、少々狭すぎませんか?」と感じたおぼえがある方、ぜひ新型のハッチゲートを開けてチェックしてみてください。
さて、Newスイフトの動力系を紹介していきましょう。スズキの基幹モデルらしく、種類が豊富。
ベーシックな1.2リッター直4“デュアルジェット”エンジン(91馬力/12.0kg-m)を積んだXG、XL(いずれも5MT、CVT/134万3520円〜161万7840円)、スポーティに装ったRS(5MT/159万4080円)。1.2リッターにISG(モーター機能付き発電機)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、マイルドハイブリッド化したハイブリッドMLと同RS(いずれもCVT/162万5400円〜184万5720円)。
そして、1リッター直3ターボ(102馬力/15.3kg-m)と6ATを組み合わせたRSt(170万4240円)がラインナップされます。
FF(前輪駆動)をメインに、CVTモデルには4WD車も用意されます。
試乗車のハイブリッドRSに乗り込むと、シボ類の質感が上がったインパネまわり、座り心地のいいシートが印象的。運転席側には、シートヒーターが標準で装備されます(FFモデルでは、助手席シートヒーターがオプションでも設定されないのは少し残念ですが)。センターコンソールは運転者側に5度傾いていて、スイフトがドライバーズカーであることを強調します。
スズキのマイルドハイブリッドは、減速時にエネルギーをバッテリーに回収し、走り始めにモーターが加速をアシストする仕組み。シンプルだけれど、効率的なシステムです。
新型スイフトは、土台からクルマを開発し直した恩恵で、全車1トンを切る(!)軽量化を果たしました。1.2リッターエンジンのアウトプットは変わらずとも、これまで以上に力強く感じられるようになったのです。ハイブリッドモデルの場合、さらにモーターがやんわりと加勢してくれるので、出足よく走れます。気になる燃費は27.4km/L(JC08モード)です。
次に乗ったのは、当面の最強グレードであるRSt。1.5リッター級のアウトプットを誇る“ブースタージェット”エンジンは、直噴技術を活かし、6つの噴射口から燃料を吹き込む先進のターボ技術を搭載します。バレーノではハイオクガソリン仕様でしたが、スイフトではややチューンを抑え、レギュラーガソリンに対応しました。
RStは、街中では加速鋭く、活発なドライブが可能ですが、その一方、100km/h巡航では2000回転付近で静かに回っています。6ATのギヤ比をことさら低く、スポーティに振っているわけではないので、穏やかな日常使いでも無理なく使えるはず。フルフルにターボエンジンを活用する強力MTモデルは「スイフト スポーツ」待ち、といったところでしょうか。
ハイブリッド、ターボモデルとも、RS系は16インチタイヤ(185/55R16)を標準で装着します。どちらのスイフトも、走り始めるとステアリングがしっかりしていて、頼りがいがあることに気づきます。ボディのガッチリ感も高い。
乗り心地は少々硬め。路面の凹凸もそれなりに拾います。リアシートに長時間乗っていると、気になるかもしれません。
最近では、世界的に高い速度域に合わせ、スタビリティ(直進性)重視のセッティングが施されるようになっています。いい換えると、クラスを問わず、ドイツ車っぽい足まわりが一般化しているわけです。クローバルモデルのスイフトもその例に漏れず、ボディは軽いが軽快感はありません。
個人的な感想……というか希望を述べると、15インチを履くベーシックグレードだけでも、よりソフトな乗り心地重視のセッティングを施し、やんわり深くロールするサスペンションを与えてもいいのでは? と思いました。かつてのフレンチコンパクトのように、なんていうと、またまた“ガイシャかぶれ”と笑われちゃうかもしれませんが……!?
新型スイフトには、ボトムグレードのXGを除き、メーカーオプションとして“セーフティパッケージ”が用意されます。リアビューミラーの奥に設けられた単眼カメラとレーザー、そしてレーダーユニットが、前方を監視し、必要に応じて警告を発したり、ブレーキをかけたりしてくれます。スズキ版の“ブツからない”装備です。
そのほか、誤発進抑制、車線逸脱警告、ハイビームアシストといった機能に加え、フロントサイド&カーテンエアバッグなどの受動安全装備も含めて、10万円弱で装備可能です。新しいスイフトの購入を考えている方々は、ぜひご検討ください。
クルマとしての完成度をグッと上げた新型スイフトは、安全面でもレベルを引き上げているのです。
<SPECIFICATIONS>
☆ハイブリッド RS
ボディサイズ:L3840×W1695×H1500mm
車重:910kg
駆動方式:FF
エンジン:1242cc 直列4気筒 DOHC
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:91馬力/6000回転
エンジン最大トルク:12.0kg-m/4400回転
モーター最高出力:3.1馬力/1000回転
モーター最大トルク:5.1kg-m/100回転
価格:169万1280円
<SPECIFICATIONS>
☆RSt
ボディサイズ:L3840×W1695×H1500mm
車重:930kg
駆動方式:FF
エンジン:996cc 直列3気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:102馬力/5500回転
最大トルク:15.3kg-m/1700〜4500回転
価格:170万4240円
(文&写真/ダン・アオキ)
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