動画を見れば一目瞭然!瞬間翻訳機「ili」の真の実力とは?
&GP / 2017年2月5日 17時0分
動画を見れば一目瞭然!瞬間翻訳機「ili」の真の実力とは?
ここ数年、日常でも外国人旅行者の姿をよく見掛けるようになりました。インバウンドという言葉が定着したことからも分かるように訪日旅行者は急速に増えていて、2016年はなんと2400万人以上(日本政府観光局調べ)。
そんな訪日客ともスムーズにコミュニケーションを取れればいいですよね。そんなシチュエーションに活躍してくれそうなデバイスが発表されました。それがログバーが開発したウエアラブル音声翻訳デバイス「ili(イリー)」です。
■あえて機能を絞ることでスムーズなコミュニケーションにつなげる
1月31日に行われた発表会は、ログバーのCEOである吉田卓郎氏が、なぜ「ili」を作ろうと思ったのか、から始まりました。
きっかけは吉田氏が高校生の頃の経験から。渡米した際に英語が通じず困ったこと。その後、少し英語が話せるようになりコミュニケーションが取れるようになったことで一気に世界が広がったことなど、自らの経験を披露。英語を問題なく話せるようになった今、振り返ってみると「少し通じる」「まぁまぁ通じる」ときが最も楽しい時期だったと言います。
今はスマホがあります。スマホに話しかけて、それを翻訳した音声を相手に聞かせる。そんなことも可能です。しかしこれでは、まずスマホのアプリを立ち上げ、スマホに向かって話しかけ、それを翻訳させ、最後にスマホを相手に向けて翻訳された音声を聞いてもらう。はたしてこれで、スムーズなコミュニケーションといえるのだろうか。間にいくつものアクションがあり、最後にスマホを押し付けられるように向けられれば、相手はイラッとしてしまうかもしれません。
そんな一連の流れをスムーズに行えるデバイスを作りたい。そう考えて始まったiliの開発は、2年間におよんだとのこと。使うにあたり、人と人とのコミュニケーションという点に重きを置き、いかに自然と対話できるかにもこだわったそう。
そのこだわりのひとつが翻訳スピード。iliは、音声を認識すると瞬時にテキスト化して翻訳し、別言語で音声化します。この一連の作業をスムーズに行うため、あえてショッピングや食事、トラブル、移動といった旅行シーンに特化しています。これにより、Wi-Fi接続によるネット上の膨大なデータベースを必要としなくなりました。だからこそ、ネットのつながらない環境でも使えます。
もちろん、ビジネスでの打ち合わせや商談、医療現場といった高度な単語や専門用語が必要なシーンでは使えません。しかしこの割り切りが、対話感覚に近いスピードと、世界中どこでも使える端末へと仕上げられたといえます。
相手がある対話だからこそのこだわりは、端末の使い方にも現れています。それがマイクとスピーカーの位置です。
前面の丸い大きなボタンを押しながら、上部にあるマイクに向けて話しかけます。話し終わりボタンを離すと、裏面にあるスピーカーから翻訳された音声が流れます。
▲前面上部、ボタンの上にマイク穴がある
▲背面上部にはスピーカー
▲ボタンは前面の大きな丸いボタンと、右側面にあるこの電源ボタンのみ
▲下部には充電やデータ転送に使うmicroUSB端子
▲クビからぶら下げられるようにストラップホールも備える
これにより、端末を動かさなくても相手が聞き取りやすい状態になり、コミュニケーションが取れます。たとえば日本語から英語の場合、前面から日本語が入り、そのまま一直線に英語となって対面する相手に届く。声が一直線となって、しかも言語を変えて相手に伝わります。この点にもこだわったと吉田氏はいいます。
たしかに使っているところを見ると、使い方や、タイムラグを感じない翻訳スピードなど、他言語間でもスムーズなコミュニケーションが取れそうです。
実際に使ってみても、それを実感しました。もちろんデバイスを介しているという点は、同一言語を使って話している感覚とは異なります。しかし一方が旅行者だと認識できる状況であれば、十分スムーズな対話ができるのではないでしょうか。
と、いかに文字で説明しても、なかなか伝わりづらいですよね。そこで、実施に使っているシーンを動画で撮影しました。どの程度スムーズなのかを確認してみてください。
■これが実際の使用動画!
▲旅行シーンを想定した会話ですが、これならさほどの違和感なくコミュニケーションが取れそうです。また翻訳機能は、あえて日本語→英語など一方向のみに限定したそう。実証実験でも、双方向対応よりこちらの方が満足度が高かったとのこと。この動画では、左側の人が<日本語→英語>、右側の人が<英語→日本語>のデバイスを持っています(10秒)
▲初めて持った人でもすぐに使えるように、機能もデザインもシンプルにしている中、あえて付けたリピート機能。ボタンを押しながら翻訳したい言葉を入力後、短く一度ボタンを押すと、自分が入力した言葉を端末内の音声がリピートしてくれます。自分が何を言ったか確認する場合に使います(7秒)
このili、まずは2017年6月より、事業者向けに提供が開始されます。1ライセンスあたり月額3980円。管理ステーションに接続することで、言語の切り替えも可能です。また、使用する環境下で頻度が高いと考えられる単語(ショッピングセンターでのショップ名など)の追加もできます。さらに翻訳した言葉のログが提供可能なため、どのような言葉が多く使われているのかを確認できるとのこと。訪日旅行者のニーズなどの把握に役立ちそうです。
現時点では日本語、英語、中国語に対応。現在、韓国語、タイ語、スペイン語への対応も進めているとのこと。
▲(左から)イオンモール株式会社 インバウンド推進グループ 趙氏、株式会社ビジョン 佐野氏、ログバー 吉田氏、東京地下鉄株式会社 経営企画本部 小泉氏
発表会には、自社ショッピングモールにてiliの実証実験を行ったイオンモールの趙氏や、東京オリンピックを控え駅員の英語研修を進めているという東京メトロの小泉氏、そして海外旅行者向けWi-Fiルータレンタルサービス「グローバルWi-Fi」を展開するビジョンの佐野氏も参加。
グローバルWi-Fiでは、4月下旬よりiliのレンタル事業も開始することが発表されました。日本全国の空港など13カ所で受け渡しが可能とのことです。
そして気になる一般向けは、2017年中のリリースを予定。ドラえもんの「ほんやくコンニャク」の世界は、一歩一歩着実に近づいていることを実感させてくれるデバイスではないでしょうか。今後の展開に注目です。
>> ログバー「ili」
(取材・文/&GP エンドウヒデカズ)
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