電子マネー機能内蔵の「wena wrist」を使って良かった5つのポイント
&GP / 2017年3月16日 21時0分
電子マネー機能内蔵の「wena wrist」を使って良かった5つのポイント
ソニーのクラウドファンディングとEコマースを兼ね備えたプラットフォーム「First Flight」で人気を博し、昨年、満を持して一般発売されたスマートな腕時計「wena wrist」。その特徴は、見た目だけでは、電子マネー機能やスマホの通知機能、歩数などの活動量のログ機能が備わっているとは分からない点。そんな「wena wrist」を使ってみた。
■バリエーションも増えて好みのデザインを選べるようになった
ここ数年で星の数ほど多くの、活動量計搭載のデバイスがリリースされた。中でも異彩を放ち、注目度が高いのがwena wristだ。昨年6月にwena wristのオリジンとも言える、文字盤違いの6モデルが発売。その後、11月にはBeamsとのコラボモデルもリリースされた。さらに今年4月にはセイコーウオッチの「ワイヤード」とのコラボモデル(なんと機械式!)が発売される予定だ。※ソニーでの予約分は完売
▲wena wristのWN-WC01S(クロノグラフモデル)。視認性が高く、即座に時刻が身に染みる
どのモデルも、パッと見ただけでは、オーセンティックな腕時計。だがそのバンド部は、FeliCaなどの電子マネー機能、スマホの通知機能、歩数などのログ機能を備えている。
一般的な時計っぽいスマートウォッチや活動量計が、時計のケース部に機能を集約させているのに対して、wena wristはバンド部に、スマートな機能を内蔵させているのが、もう一つのキモだ。そのため腕時計のケース部分は、取り替えが可能。時計部分は通常の腕時計として独立しているため、通知機能やログ機能が詰まったバックル部のバッテリーが切れても、時計自体は止まらずに時を刻み続けてくれる。
時計部分の設計・製造はシチズンが担当。裏蓋にはステンレススチール製であることや、キャリバー「CAL.0S20」を搭載していることなどが記されている
■パッと見ただけだと“腕時計以外の何物でもない”感じが好印象
これまでNike+ FuelBandからFitbitやMISFITなど、いくつかの活動量計を使ったことがある。だが、数週間すると使わなくなるのが常だった。それらは見た目からしてスポーティだったり、腕時計のようで明らかに腕時計ではない、そんなイメージを漂わせていた。
そのため、ジョギングなどのスポーツシーンでは違和感なく装着できるのだけど、ジャケットやスーツで過ごす際にはフィットしない。また、できるだけヒッソリと目立たず暮らしたいと思っている筆者にとっては、誰かに「おっ! それNike+ FuelBandだよね!?」などと興味津々で迫られたくないのだ。
その点、このwena wristは、一見するとというか、何度見ても(良い意味で)“ただの時計”であり“時計以外の何物でもない”。そんな、付けていても腕に違和感を感じさせないデザインは、筆者のような性格にはピッタリといっていい。
シャツはもちろん、ジャケットやスーツでも違和感なくハマる。クロノということもあり、Tシャツなどでもいける
また、久しぶりに時計をはめるようになって、改めて時計の便利さを知った。腕をひねれば即座に時刻が分かる……そんな当たり前の便利さを再認識できたのだ。いつもルーズに過ごしている筆者にとっては、少し身が引き締まる思いだった。
■肉厚なケースサイズと重さには慣れが必要
wena wristのWN-WC01S(クロノグラフモデル)は、良くも悪くも、まずは時計だ。初めて腕に載せた時の印象は、「重いな」というものだった。それはそうだ、筆者は腕時計しない歴20年くらいになる。今まで何も付けていなかった腕に、突然150g弱(149.1g)の重さが腕に掛かるのだから、気にならないわけがない。
▲クロノグラフの文字盤は、見ているだけで気分が上がる
▲ケースの厚さは11.45mm。腕に付けると、相応の厚みを感じる
パソコンを使う際には、時計を付けたままだとステンレス製のバンド部が、パームレストにカチカチと当たる。いろいろと手首のポジションを変えてみたが、どうにもならないことがわかり、パソコン作業時には時計を取ることにした。
結局、時計を付けるという初歩的なことを、クリアできるようになったのは、使い始めて1週間ほど経った頃だった。慣れたといっても、主にパソコンのキーボードを打つことをナリワイとしているため、日中はほとんど時計を付けない、ということになってしまった。
▲仕事中はパソコンの側に置いておく
■電子マネー機能がついた時計は本当に便利
通知機能やログ機能など、時計のスマートな機能部分については、時計とスマートフォンを連携させる必要がある。Bluetooth接続で、ほとんど記憶にないほど、スムーズに連携設定が可能だった。
▲活動量を正確に把握するために、身長や体重を登録しておく
▲選択したSNSの通知設定をしておくと、着信時にブルッと時計が震える
Edyが使える以外のスマート機能については、他の多くの活動量計と同様の機能性。スマートフォンと連携させておけば、SNSなどの着信時にはバイブレーションで、時計本体がブルッと震える。また、バックル部分のLEDが光って、着信していることを知らせてくれるのだ。また、連絡先によってLEDの色を変えて表示できるため、今すぐ応答するかの判断もしやすい。
仕事でFacebookのメッセンジャーを使う事が多い上に、LINEでの連絡も増えている。普段、スマートフォンをポケットに入れていることが多いので、これらの通知をしてくれるのはありがたい。
また、同じ理由で電話の着信時にバイブレーションが起こるのも便利だ。着信に気が付く確率が格段に上がった。
▲本体がブルッと震えた後に、バックル部分のLEDが点灯する(写真はLINEでメッセージが届いた時の通知)
電子マネー=Edy機能の設定やチャージも簡単だ。まずは、iOS用の「おサイフリンク」アプリをインストールして、wena wristとつなげる。チャージ後は、時計のバックル部をかざすだけでOK。
カフェやコンビニでもスマートに買い物できる。一つ気になったのが、自動販売機での買い物。Edy対応の自販機は、紙幣や小銭を入れる場所の“下”、腰くらいの高さにEdyの受信機が設置されている。しかもたいていは向かって右側だ。この位置に、腕をひねってバックル部をかざすというのが、動作的に自然ではない。
とはいえ、いちいち財布やカードを取り出すことなく、支払いが済ませられるのは本当に便利。ユーザーとしては、EdyよりもSuica使用率の方が高いため、今後は交通系ICカードに対応してくれたら嬉しい。
▲楽天Edyに対応されていることが記されている。このバックルの表面をかざすだけで支払いが完了する
■wena wristが持つ今後の可能性
単に質の高い時計、というだけでも価値がある。そんな時計に電子マネー機能が付いたこと、それ自体の可能性については否定しようがない。
そんな可能性を感じたBEAMSやセイコーウオッチなどとのコラボモデルが次々にリリースされているのも嬉しい。今後もし、小ぶりで薄型のものや、四角い時計などがラインナップに追加されたら、ベルト部を変えることなく、時計のケース部分だけを買い増せばいいのだ。そんなwena wristは、今後も目が離せない。
(取材・文/河原塚英信)
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