スキャナとアプリ、名刺のデータ管理に向いているのはどっち?
&GP / 2017年2月26日 17時0分
![スキャナとアプリ、名刺のデータ管理に向いているのはどっち?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goodspress/goodspress_84916_0-small.jpg)
スキャナとアプリ、名刺のデータ管理に向いているのはどっち?
名刺は、社会人にとって必要不可欠なツールです。名刺があれば、はじめて会った人同士でも交流を深められます。しかし、溜まった名刺を整理しきれず困ることもありますよね。最近では、スキャナやアプリを使って名刺をデータ化する機会も増えてきましたが、どちらが使いやすいのか、いまいちよく分かりません。
そこで今回は、「読み取り速度」「精度」「機動性」に焦点を当て、サンワダイレクトの名刺スキャナ「WorldCard Scan」と、名刺データ化アプリ「Eight」の無料版とを使い比べてみました。
①読み取りが速いのはどっち?
名刺をデータ化する際に、最も大きな課題が “読み取りのスピード” です。そこで、アプリとスキャナで、データ化にかかる時間を比較してみました。
▼スキャナーなら3秒で名刺1枚をデータ化
「WorldCard Scan」は、名刺をスキャンすると、読み取ったデータをそのままPCに保存できます。PCに専用のソフトウェアをインストールするのに20~30分程度かかりますが、それさえ済めばスキャナをパソコンにUSB接続して準備完了。スキャナに名刺を入れると、自動的に読み取りが始まります。
▲スキャナに名刺を入れたら、あとは放置でOK
▲名刺のデータと画像が保存された
▼アプリのデータ化にかかる時間はオペレーター次第
「Eight」の特徴は、撮影した名刺をデータ化できる点。オペレーターが手入力しているため、データ化にはある程度の時間がかかります。実際にどのくらいの時間がかかるか、試してみました。
まずは、アプリを起動して名刺を撮影していきます。
▲アプリを開き、「+」をタップ(左)。「撮影して追加」をタップする(右)
▲名刺を撮影する(左)。「データの入力待ち」に名刺を追加できた(右)
ここまで来て、「データの入力に数日かかる」という注意書きにちょっと焦りました。いくら手入力でも、そんなに待っていられません。少し不安になっていたら20分後、「名刺のデータ化が完了しました」と通知が! アプリを開くと「データ入力中です」の表示が消えていました。
平日の19時過ぎに名刺を撮影した割には、思いのほか速くデータ化ができました。どうやら、データ化にかかる時間は、オペレーター次第の模様。なお、有料の “Eightプレミアム” に登録すると、撮影した写真を優先的にオペレーターに回してもらえるので、データ化にかかる時間は通常の1/3程度になるそうです。
【結論①】速さではスキャナが圧倒的
名刺のデータ化にかかる時間は、「WorldCard Scan」の “1枚3秒” が圧倒的でした。「Eight」の場合、データ化されるまでの時間は20分程度と、それほど遅くない印象も受けましたが、混み具合でもっと時間がかかる可能性もあります。やはり、速さの点では、「WorldCard Scan」のようなスキャナが、アプリよりも有利と言わざるをえません。
会社や家などで、まとめてデータ化する際はスキャナ、出先でもらった名刺をデータ化するにはアプリ、といった使い分けもいいかもしれません。
②読み取り精度が高いのはどっち?
「WorldCard Scan」では、名刺を “スキャン” することで、「Eight」では撮影した名刺を、オペレーターが “手入力” することでデータ化します。それぞれの読み取り精度が、どの程度のものか、見比べてみましょう。
スキャナーでデータ化したのがコチラ▼
![](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/goodspress/cms/wp-content/uploads/2017/02/0063-720x396.jpg)
名前、会社名をはじめ、住所や電話番号もしっかりデータ化されています。読みにくい名前にも、正しい読み仮名を当てられていました。また、役職名も正しく入力できている点から、読み取り精度の高さを感じられます。
ひとつ残念だったのが、苗字の読み仮名が間違っていた点。この画面からはデータの修正が可能なので、後で直しておきました。
アプリでデータ化したのがコチラ▼
![](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/goodspress/cms/wp-content/uploads/2017/02/0074-720x635.jpg)
手入力のため、“情報が正しく反映されないのでは?”と不安に思いましたが、メールアドレスや電話番号など、複雑な情報にも入力ミスはありませんでした。
しかし、ひとつ気になったのが、住所欄に郵便番号しか記載されていない点。どうやら、有料サービスに入ってないと、ユーザーの混み具合によって、入力データが制限されるようです。試しに、同じ名刺を後日再撮影したところ、今度は住所が反映されたデータが送られてきました。
ちなみに「Eight」では、入力したデータに「企業ページを見る」というアイコンが表示されます。これをタップすると、その企業に所属する人の一覧が表示され、名刺交換のリクエストを送信できる仕組みです。
【結論②】読み取り精度は同程度
「WorldCard Scan」も「Eight」も、読み取りの精度は同程度。「WorldCard Scan」では苗字の読み仮名が間違っていましたが、元々名刺には記載されていなかった項目なので、スキャンの精度には問題がないと言えます。ちなみに「WorldCard Scan」の読み取り精度は、日本語の場合90~95%だそうです。ただし、名刺のデザインによっては、正しく読み取りができないこともあります。
一方「Eight」は、名刺をデータ化するだけでなく、同じ企業に務める人の情報も表示してくれます。データ化には時間がかかりますが、人脈を広げたい人には、「Eight」の方がおすすめかもしれません。
③“どこでも使える”のはどっち?
名刺交換は、さまざまな場所で行うもの。もらった名刺を、ほかの名刺と混ぜずにきちんと整理するためには、データ化を迅速に行いたいものです。スキャナとアプリ、より機動的なのはどちらか、比べてみました。
▼スキャナーにはパソコンが不可欠
「WorldCard Scan」で名刺をデータ化するには、パソコンが不可欠です。そのため、“もらった名刺をその場でデータ化” するのには、不向きかもしれません。しかし、本体は片手で持てるサイズなので、持ち運びは十分に可能です。
▲片手で楽に持てるサイズ
▼アプリはスマホさえあればどこでも使える
「Eight」はスマホさえあれば、どこでも名刺を撮影・データ化できます。データ化に時間がかかるのは前述の通りですが、「Eight」にはアプリならではの「名刺交換」という機能も搭載されています。これは、アプリに登録した自分の名刺を、Bluetoothを介して相手と交換するというもの。アプリのユーザー同士なら、もらった名刺を撮影する手間を省けるので、限られた時間でサクサク名刺交換をしたい、という人には便利です。
【結論③】機動力はアプリに軍配
“どこでも使える”という点では「Eight」の方が圧倒的に有利。また、「Eight」には “とりあえず撮影しておけばデータ化はオペレーターがやってくれる” という安心感があります。そのため、名刺を溜めこんでしまうリスクも、「WorldCard Scan」より少なそうです。
とはいえ、「WorldCard Scan」は168gと軽いので、ノートパソコンとセットで持ち歩くには全く苦になりません。パソコンを開く場所さえ確保すれば、出先で名刺をデータ化するのも十分可能でしょう。
~総論~ 職種にあったデータ化ツールを選ぼう
すでに社会人の人はもちろん、この春から新生活を始める人にとっても、“名刺の管理方法”はビジネスを広げていくうえで重要な作業です。ここまでの比較リポートをふまえ、おおまかな職種別に、おすすめの名刺データ化手段をお伝えします。
▼会社にいる時間が長い人にはスキャナがオススメ
「WorldCard Scan」は読み取り速度が速い一方、パソコンが不可欠という特徴があります。そのため、会社にいる時間が長くて名刺のデータ管理を頼まれることの多い人には、スキャナーがオススメです。なお、読み込んだデータは、ExcelやJPEG形式で書き出し可能。「WorldCard Scan」のソフトウェアをインストールしていないパソコンにもデータを送れるので、情報の共有にも活用できます。
「WorldCard Scan」の販売価格は1万6800円。サンワダイレクトのWeb限定商品です。
▼外回りが多い人にはアプリがおすすめ
「Eight」の特徴は、名刺を撮影すれば “データ化はオペレーターにおまかせ” できる点。もらった名刺をその場で撮影しておいたら、“外回りをしている間にデータ化が済んでいた!” なんてこともありえます。また、ユーザー同士でメッセージを送り合ったり、近況を報告しあえる、といったアプリならではのサービスも充実。自分から積極的に名刺交換をし、交流を広げたい人におすすめです。
(取材・文/神戸紅実子)
かんべくみこ/エディター、ライター
編集プロダクション「ゴーズ」に所属。”平成生まれ昭和育ち”ながら、スマホやアプリに関する記事を若者文化に乗り遅れまいと執筆中。東横線ユーザーだが、ときどき中央線沿線にも出没する。
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