【スーツの基礎知識】「パンツ」の選び方&着こなしの基本ルール
&GP / 2017年4月15日 8時0分
【スーツの基礎知識】「パンツ」の選び方&着こなしの基本ルール
意外とおろそかになりがちなのが、スーツのパンツ選びです。パンツは全体のシルエットや雰囲気に大きく影響するので、いくらジャケットにこだわっていても、パンツ選びを失敗するとすべてが台無しに。そこで今回はパンツ選びの基本ルールと、それに付随するベルトとソックスの合わせ方を紹介します。
■正しいフィッティングとは
【ウエスト】
パンツのフィッティングにおいて、ウエストのサイズや位置は何よりも重要です。パンツは腰骨の少し上の位置で穿くのが基本。へそ下にパンツのウエストが当たる位置を目安にしてください。この正しいウエスト位置に合わせてパンツの裾上げを行うので、これを間違えると股下丈が合わなくなるので注意が必要です。
たまにパンツを上げすぎている人もいますが、ハイウエストで無理に穿いていると、歩いているうちにウエスト位置が下がって股下丈が余り、シルエットが総崩れ。裾丈も長くなるので、パンツの裾口が地面に擦ってしまうことも。逆にウエスト位置の低いヒップ穿きも、だらしない印象を与えるのでNGです。
【ヒップ】
ヒップまわりはジャストサイズが基本です。ラクだからといってゆとりのあるサイズを選ぶと、だらしなく見えるので要注意。目安は指がスッと入るぐらいのサイズ。パンツのポケットやタックが開いていないかをチェックしましょう。これらが開いてしまっていると、サイズが小さすぎるということになります。
■正しい裾の長さは?
近年はタイトスーツが人気のため、パンツの裾も短めがトレンドになっています。しかしビジネスマナーを考慮するなら、パンツの長さは “ワンクッション” が正解です。クッションとは、靴を履いたときにスネにできるパンツのくぼみ。これが軽くひとつできる状態がワンクッションです。目安としては靴の甲に触れるくらいの長さ。歩いてももたつくことがなく、ソックスが見えにくいのも特徴です。
これはどちらもNGの長さです。裾のくぼみがふたつできる “ツークッション” は長すぎる証拠。シルエットが悪く、野暮ったい印象を与えると同時に、パンツの裾口も傷みやすくなるので避けましょう。また、ソックスが見えるほど短いのもNGです。立った状態でソックスが見えないことがスーツの基本ルール。カジュアルならいざ知らず、ビジネススーツはソックスが見えない長さを選ぶことが重要です。
■裾のシングルとダブルの違い
裾の仕上げは折り返しのないシングルと、折り返しのあるダブルの2種類があります。ビジネスではどちらもOKなので、好みや着こなしに合わせて選んでください。
【シングル】
スーツのモデルによっても異なりますが、パンツの裾はシングルが一般的です。これは<フォーマルシーンでの裾上げはシングルが正式>なことに由来します。もちろんビジネスにもしっかり対応できるため、汎用性の高さが魅力です。近年のトレンドである細めのパンツには、シングルのほうがバランスが良いと言われています。
【ダブル】
ダブルの裾はややカジュアルな雰囲気になり、こなれた印象を与えます。トラッドなスタイルのブランドではダブルにすることが多く、スーツのほか、ジャケットやブレザースタイルにもマッチする仕上げです。シングルはフォーマル、ダブルはカジュアルとして覚えておき、職種やTPOに合わせて使い分けたいですね。
■ベルト&ソックスを選ぶ際に気を付けたい4つのポイント
ここからはベルト&ソックス選びの際に気を付けてほしい基本マナーを紹介します。
①ベルトは靴と色をそろえる
ビジネス用のレザーベルトであればカタチは特に問題ありませんが、気を付けなければならないのが色です。スーツスタイルではベルトと靴の色を合わせるのが基本ルール。黒い靴には黒いベルトを、茶色の靴を履く場合は同系色のベルトを身に着けるのがマナーです。
②ベルトの穴は真ん中で留める
意外と知らない人が多いのが、ベルトの穴は真ん中で留めること。一般的なビジネス用ベルトには穴が5つ開いていますが、その真ん中の穴で留めることでバランス良く見えるように作られています。先端が長すぎても短すぎてもNG。カットできるタイプであれば真ん中で留められるように調整し、カットできないものはちゃんと試着して選ぶことが大切です。
③ソックスはパンツの色に合わせる
ソックスの色はパンツの色に合わせるのが無難です。これは着席時にソックスが見えても違和感がなく、悪目立ちしないので不快感を与えません。このほかパンツとシューズの中間色で、濃いめの色であればOK。グレーパンツ&黒シューズにはチャコール、ネイビーパンツ&黒シューズにはネイビーor黒のソックスといった具合です。カジュアルなスーツスタイルに多いネイビーパンツ&茶色シューズの組み合わせには、ネイビーのソックスがお勧めです。
④ソックスは肌が見えない長さを選ぶ
ソックスの長さは、着席時に足を組んでも肌が見えない長さが◎。そうなるとハイソックスになりますが、実はスーツに合わせるのは長い靴下が正解なのです。クラシックなスーツスタイルでは、肌の露出が許されているのは首から上と手だけ。頻繁にソックスを上げる姿はみっともないこともあり、マナーの観点からスーツには長い靴下を合わせるのが正解です。あまり見かけないかもしれませんが、ホーズやロングホーズと呼ばれるヒザ下をすっぽりカバーする靴下を選びましょう。
(取材・撮影協力/ニューヨーカー)
(取材・文/津田昌宏 写真/伊藤恵一)
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