【ボルボ V90クロスカントリー試乗】最低地上高210mm。流行りのグランピングに行くならコレ!
&GP / 2017年5月6日 11時0分
【ボルボ V90クロスカントリー試乗】最低地上高210mm。流行りのグランピングに行くならコレ!
「クルマの車高は、上げても下げてもカッコいい」という法則は…、スイマセン、今思いつきました。
サーキットを走るレーシングカーにインスパイアされた“シャコタン”に対し、車高を上げた“シャコタカ”(!?)は、もちろん、悪路走破力の向上を狙った、クロスカントリー車やオフローダーの流れを汲むものです。
シャコタンには、どこか“ワル”な雰囲気が漂っていて好き嫌いが分かれるところですが、一方の“シャコタカ”は、道なき道を行くワイルドな汗臭さ…とは無縁で、どういうわけかトレンディでオシャレなイメージさえまとっているのが不思議なところ。今回、日本でもリリースされたボルボ「V90クロスカントリー」は、キャンプ…ではなく、今流行りのグランピングへ出掛けるのに最適なクルマでしょう。
スッと伸びたフロントノーズやスタイリッシュに倒しこまれたリアゲートが、クールで都会的な印象を見る人に与え、それでいて、ノーマルのエステート(ワゴン)より車高を上げて確保した210mmの最低地上高が、適度にオフロードテイストを醸し出すV90クロスカントリー。
ボルボ車のデザインをとりまとめるドイツ人デザイナー、トーマス・インゲンラートの手になる「コンセプト XCクーペ」のエッセンスが、巧みに市販モデルに採り入れられました。
コンセプト XCクーペ
コンセプト XCクーペ
プレミアムSUVの「XC90」で初めて採用された新しいプラットフォーム“SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)”がV90クロスカントリーにも用いられ、2940mmのホイールベースに、エステートモデルよりわずかに長く、幅広く、そして70mm高い、全長4940×全幅1905×全高1545mmのボディを載せます。
エンジンルームの前後長を大きく取ってフロントタイヤの位置を前進させることで、FF(エンジン横置き+前輪駆動)レイアウトをベースにしながら、FR(エンジン縦置き+後輪駆動)モデルと見まがうばかりのプロポーションを実現させたのは、エステートの「V90」や、セダンの「S90」と同様です。
車高(最低地上高)の拡大に加え、V90クロスカントリーには、専用グリル、バンパー、オーバーフェンダーをはじめ、車体下部をグルリと巡るスペシャルトリムが与えられます。目ざとい人は、ベースとなったV90とは異なり、サイドウインドウ全体が光沢ある黒(グロスブラック)で囲まれていることに気がつくかもしれません。
この独特な“ブラック”の使い方は室内でも反復されていて、黒に塗られたウッドパネルが、ブラック基調のダッシュボードに品よくつややかさをプラスします。そのほかの装備品は、V90/S90に準じたもの。ドライバー前方の12.3インチのディスプレイが、速度、エンジン回転数、ナビ画面などの各種情報を映し出し、センターコンソールには、9インチの縦型タッチセンサー式ディスプレイが装備されます。
日本市場でラインナップされるエンジンは、2種類。2リッターターボ(254馬力/35.7kg-m)と、同じ排気量ながら、ターボに加えスーパーチャージャーも備えるユニット(320馬力/40.8kg-m)が用意されます。
前者のグレード名が「T5」。トリムレベルによって「モメンタム」(694万円)と「サマム」(754万円)に分かれます。後者はグレード名は「T6」となり、やはり「モメンタム」(759万円)と「サマム」(819万円)がカタログに載ります。グレード構成が若干異なりますが、普通のエステートモデルより、30万円ほどお高い計算になりましょうか。
トランスミッションは、いずれも8速AT。ファイナルギヤも含め、ギヤ比は同一です。駆動方式は、全車フルタイム4WD。エンジン横置きモデルながら、簡便なビスカスカップリングから進化して、常に微少なトルクを後輪に流して「いざ!」という時に備える、電制多板クラッチ式のハルデックスユニットが用いられます。
今回の試乗車は「T5 サマム」。V90クロスカントリーは、モメンタムでも本革内装が標準ですが、サマムにはより上等なナッパレザーがおごられます。シートヒーターはもちろん、夏場にうれしいベンチレーション機能、さらには、マッサージ機能まで備える豪華版。座面の前後長を変えられるのは、足が長い方にはありがたいかもしれません。
クロスカントリーの足まわりは、一部にSUVであるXC90のパーツを活用した専用のサスペンションです。地上とのクリアランスは、エステートより55mm大きな210mm。前後トレッドも、35mmと25mm拡大されて、安定性がさらに高められました。オプションで、電子制御式ダンパーと組み合わせたエアサスペンション(リアのみ)も装着可能です。
ホイールサイズは、18〜20インチまで設定され、T5 サマムおよび「T6 モメンタム」は19インチとなります(タイヤサイズは235/50R19)。V90クロスカントリーのドライブフィールはV90と類似していて、意外にハード。乗り心地は硬めなので、ゆったり森の中を走りたい向きは、積極的に18インチを検討するのも「アリ」でしょう。
なお、クロスカントリーのドライブモードには、「エコ」、「コンフォート」、「ダイナミック」のほか、専用の「オフロード」モードが加わりました。
ボルボ自慢の安全装備は、全グレードに渡って充実しています。ミリ波レーダーと高解像度カメラが一体となったユニットが前方を常に監視し、クルマや人、自転車に加え、大型動物も認識できるようになりました。ブツからない性能が、一段とアップしたわけです。
V90クロスカントリーのような“シャコタカ”ワゴンは、かつて北米から押し寄せるSUVブームの中で、スバル、ボルボ、アウディなど、手持ちのSUVモデルを持たなかったブランドが、いわば苦肉の策として開発した経緯があります。ところが、いざ市場に出してみると、その使い勝手の良さが支持されて、本格SUVがラインナップに加わった後も、しっかりひとつのカテゴリーとして残りました。この辺りが自動車ビジネスの面白いところです。
オフの日にはできるだけ自然と親しみたいけれど、XCシリーズでは「トゥマッチだな」と感じていた人たちにとって、V90クロスカントリーは「待ってました!」といったところでしょう。
<SPECIFICATIONS>
☆T5 AWD サマム
ボディサイズ:L4940×W1905×H1545mm
車重:1850kg
駆動方式:4WD
エンジン:1968cc 直列4気筒 DOHC 直噴ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:254馬力/5500回転
最大トルク:35.7kg-m/1500〜4800回転
価格:754万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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