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メイド・イン・ジャパンの再起!工場直結でモノづくりをする理由とは

&GP / 2017年5月10日 22時0分

メイド・イン・ジャパンの再起!工場直結でモノづくりをする理由とは

メイド・イン・ジャパンの再起!工場直結でモノづくりをする理由とは

通常、私たちがお店で買う服は商社や卸等の中間業者が介在し、価格が上乗せされた状態で販売されています。この中間業者を完全排除、従来のアパレル業界の常識を打ち破った“工場と消費者をダイレクトに結び付ける服づくり”をおこなっているブランドがあります。熊本市に本店を構える、メイド・イン・ジャパンにこだわったファッションブランド「Factelier(ファクトリエ)」です。

先日、東京・銀座にあるFactelierのフィッティング・ルームで、シーバス・ベンチャー出場記念として「Factelierブランド・プレゼンテーション&新作お披露目会」が開催されたので、その模様と“モノづくりに対するこだわり”をレポートします。

▲世界のトップ実業家が集う大会に出場する山田敏夫代表。明るい笑顔と溢れる熱意が印象的

ファクトリエ代表の山田敏夫さんは今年、スコッチウイスキー「シーバスリーガル」で知られる、シーバスブラザーズ社主催のグローバル・コンペティション「CHIVAS VENTURE(シーバス・ベンチャー)」に、日本代表として出場。シーバス・ベンチャーは今年で3回目。“総額100万ドルの助成金”をめぐり、世界各国から予選を勝ち抜いた、30名のファイナリストが集います。

シーバス・ベンチャーは、社会にポジティブな変革をもたらそうとする、社会起業家を応援するためのコンペティション。総額100万ドルの助成金が用意され、5月8日~6月12日まで、私たち一般ユーザーに向けて「オンライン一般投票」が実施され、投票率に応じて25万ドルをファイナリストに分配。

▲フィッティング・ルームには、シャツやジーンズ、バッグなど“上質な大人の日常”を感じさせる数々のアイテムが並ぶ

▲国産ジーンズを日本で初めて製造、「デニムの聖地」と呼ばれる岡山県のデニムメーカーと一緒に作りあげた「JAPAN BLUEジーンズ」。綿の産地から縫製まで徹底的にこだわっている

山田代表は「Factelierブランド・プレゼンテーション&新作お披露目会」のプレゼンテーションの中で、アパレル業界のメイド・イン・ジャパン再起に対する想いを話してくれました。

「1990年に約50%あったアパレル品の国産比率は、2009年までの20年間で4.5%にまで激減し、それにより800万人の作り手が消えていきました。“メイド・イン・ジャパン”は、世界で高く評価される一方、ファストファッションの台頭やブランドロゴの偏重などにより、縫製工場はコスト削減を強いられてきました。そして今あるのは、下請けなので値段も決められず、若い人材も入らず、モチベーションが上がらない、負のスパイラルです。僕らは、これと真逆のことをやろうとしています」(山田氏)

▲ファクトリエのモットーは「ビジネスを通して社会を良くすること」。日本のモノ作り人口を2030年までに、縫製業だけで100万人まで上げるのが目標

ファクトリエの商品価格の決定権は、すべて“工場側”に委ねられています。アパレル業界では異例中の異例。しかし、これにより工場側は適正価格での販売が実現し、これまでの倍以上の儲けが出すことが可能に。

利益が出たことにより採用活動も活発化し、ファクトリエと提携している工場では、毎年平均2名の新卒を雇用しているそうです。また、ファクトリエの商品のタグを見ると、生産者である工場の名前が刻まれています。「我が工場の名が出ることで“誇り”になります。これらの取り組みによって、工場側に主体性が生まれてくる」と山田代表は話します。

一方、私たち買い手にとっては“工場直販”という形になるため、通常価格の半額程度の値段で商品を購入することができます。“より良いモノを適正な価格で”。双方にとって、大きなメリットになるのです。

この日、紹介されたファクトリエの新作商品は、「コットンパンツ」「杢(もく)グレーTシャツ」「今治タオルシャツ」の3点。

▲ファクトリエ社員の山本さん。新作について紹介してくれた

今ある技術を最大限に発揮し、丁寧にきちんとしたモノをお客様に届ける「ベーシック」と、新しい技術や手法を研究し、世の中に対してより良いアウトプットを目指す「イノベーション」。ファクトリエの商品は、この2つを軸に開発されています。

▲丈夫さと美しさを追求したコットンパンツ。メンズはネイビーとベージュの2色展開

コットンパンツは、心地よい肌触りで履き心地は抜群。足をスラリときれいに見せるシルエット、裏返した時でも美しいディテール、テーパードのかかり方やバックポケットの位置などを1mm単位でこだわって作り上げた商品です。

「当たり前に良い素材を使い、こだわりを一つひとつ積み上げる。それが“品格”につながります」と、山本さんは話します。

▲吸い付くような手触りの杢グレーTシャツ。クルーネックとVネックの2種類がある。チノパンやジーンズと合わせて、1枚でさらりと着るのがおすすめ

この杢グレーTシャツ最大の特徴は“糸”。2つの糸を組み合わせて1本の糸にする「双糸」を採用し、1つ目の糸には粗挽き調に見える糸を、2つ目の糸にはデコボコ感のあるスラブ調の白い糸を使用しています。

1本の糸を2本から作るため時間も倍かかり、デコボコ感があるので編みづらさもありますが、それにより杢の色味に奥行きを出すことができ、品質的にも安定します。職人の技術の結晶とも言える一品ではないでしょうか。

「今治タオルシャツ」は5月下旬予約販売開始。「コットンパンツ」「杢グレーTシャツ」はファクトリエのオンラインストアにて販売中です。

▲今治タオルシャツ。ホワイト、ブルー、ピンク、ストライプの4種類がある。ジーンズに合わせてラフに羽織りたい

パッと見は普通のシャツですが、裏地に今治タオルを使用した一品。今までも今治タオルを使った洋服はありましたが、この商品には「シャツのために作られた今治タオル」が使用されています。ゴワつきや厚ぼったさがなく、新感覚の着心地です。吸水性・速乾性・保温性も◎。夏は涼しく・冬は温かく、オールシーズンで重宝する1枚です。

プレゼンテーションと新作お披露目会の後、カクテルコンペティション「ザ・シーバス・マスターズ 2016」日本代表のバーテンダー・水岸直也さんによるオリジナルカクテルが振舞われました。

▲軽快なリズムでシェーカーを振る水岸さん。世界トップレベルの“技術”を間近で見ることができた

▲グリーンが目にも鮮やか。爽やかで後味の良いスッキリした甘さ。初夏にぴったりの1杯

ベースのシーバスリーガル18年に、日本のエッセンスとして紫蘇リキュールをプラス。華やかな甘さのパッションフルーツリキュールを加え、ジンジャーエールとレモンジュースで味を整えたカクテル「アルチザン・フィックス」です。

アルチザンは職人堅気、職人肌という意味があり、フィックスは立て直す・回復という意味を持ちます。日本のモノ作り復活を目指すファクトリエをイメージして作られた、特別な1杯でした。

▲「シーバスリーガル18年」を手に記念撮影をする山田代表

歓談の中で印象的だったのが、「大衆的なものではなく、濃く・狭く・深い層にリーチする “最強のコンテンツ”をひとつ作ることが大事」という山田代表の言葉。最強のコンテンツには自然と人が集まり、周囲が発展していくと言います。ファクトリエが仕掛けるメイド・イン・ジャパンの復活に、期待が高まります。

>> ファクトリエ投票ページ

 


軽やかに春に羽織ろう!撥水加工のスプリングコート 

濡れても平気!な「アンブレラコート」で傘を着られます

“愛着”したい「100年コート」にショートトレンチがラインナップ


(取材・文/浅野 智恵美)


あさのちえみ/ライター

ウェブ制作会社にて、ディレクター及びライターを経験後、フリーランスに。コンテンツ企画を得意としています。趣味はフェス・ライブ参戦とヘアカラー。知らない道を歩くのが大好きです。

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