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【比較試乗】どっちを選ぶ?ソフトトップ対RF、マツダ「ロードスター」同門対決

&GP / 2017年5月13日 11時0分

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【比較試乗】どっちを選ぶ?ソフトトップ対RF、マツダ「ロードスター」同門対決

1989年にユーノス「ロードスター」として誕生。昨2016年に4世代目となるND型で累計生産台数100万台を達成したマツダ「ロードスター」。

日本国内はもちろん、世界各国のファンから支持を集めるオープン2シータースポーツであることは周知の事実ですが、はてさて気がついてみれば、ND型はオリジナルのソフトトップ仕様「ロードスター」に加え、電動リトラクタブルハードトップを備えた「ロードスターRF」、そしてフィアット版/アバルト版の「124スパイダー」といった具合に、今では(ちょっとした)一大ファミリーを形成しています。

さらに、装備や内外装トリムといったグレード展開まで考えると、相当なバリエーションが用意されているではありませんか。ご自身の趣味や用途に合わせ、ベストなロードスターが選べるという、なんともうれしい状況ではありますが「実際、モデルごとにどんな違いがあるの?」という疑問を感じている方も多いのではないかと思います。

かくいう私もそのひとり。今回は、マツダのロードスター2モデルで伊豆半島をぐるっと長距離ドライブするチャンスに恵まれましたので、その時の印象をレポートしたいと思います。

2日間にわたった今回のテストドライブですが、往路はソフトトップ仕様のロードスター RS、復路はロードスター RF(以下、RF)のRSをドライブしました。

つまり両車とも、それぞれのモデルを象徴する最もスポーティなグレードだったのですが、そもそも現在のラインナップは? という疑問を整理すべく、まずはソフトトップ仕様とRFのグレード展開について、簡単に紹介しましょう。

◎ロードスター(ソフトトップ仕様)
☆エンジン:1.5リッター DOHC(SKYACTIV-G 1.5)
S:6速MT
Sスペシャルパッケージ:6速MT/6速AT
Sレザーパッケージ:6速MT/6速AT
RS:6速MT

◎ロードスター RF
☆エンジン:2リッター DOHC(SKYACTIV-G 2.0)
S:6速MT/6速AT
VS:6速MT/6速AT
RS:6速MT

両モデルとも、スポーティさを前面に押し出したグレード=RSを筆頭に、レザーシートなどで快適さと上質さにこだわったラグジュアリーグレード(Sレザーパッケージ/VS)、そして、ベースグレードという、大きく分けて3つのキャラクターが用意されています。

中でも今回は、ロードスター、RFともにRSグレードをセレクトしましたが、両モデルにおける気になる違いはというと…。最高出力に27馬力の差があることと、車両重量がロードスター=1020kgに対し、RF=1100kgと80kgもRFの方が重くなっていること。そしてタイヤサイズは、ロードスターが195/50R16であるのに対し、RFは205/45R17と1サイズ大きくなっていること、くらいでしょうか。

その辺りを気にしつつ、まずはソフトトップ仕様のロードスター RSで、横浜の市街地をスタート。高速道路を経由して箱根へと向かいます。

車重約1トンとはいえ、131馬力では物足りないかなとも思いましたが、7000回転まで軽く回るエンジン、短いストロークと滑らかな感触の6速ギヤボックスの組み合わせは、実に秀逸。信号からのスタート、街中のちょっとしたコーナー、高速道路での追い越しなどあらゆるシーンで「あぁ、クルマを操るってこういうことだよね!」と実感させてくれる、爽快さや軽やかさが備わっているのです。

もちろん、そうした感覚を最も堪能できるのは、ワインディングロードでしょう。シャーシ関連の装備はグレードにより異なりますが、RSではビルシュタイン製のショックアブソーバー、トルセン式LSD、前後スタビライザー、フロントサスタワーバーが標準装備となる辛口仕立て。とはいえ、サーキット志向のスポーツカーとは異なり、「スポーツカーは初めて」という方でも、十分にドライビングの楽しさを感じることができる、懐の深さを備えています。

例えば、山道を軽く流すといったシチュエーションであっても、スピードに関係なく、シフトダウンひとつにしても、ステアリング操作ひとつにしても、ドライバーのアクションをリニアに反映するRSは、高い満足感を得られます。

また、RSには吸気音を増幅し、コクピット内に伝える“インダクションサウンドエンハンサー”が備わりますが、これもクルマとの対話を楽しむ上で、想像以上の効果を発揮しています。

オープン走行では、どうしても周囲の騒音や風切り音がコクピットに侵入しますが、アクセル操作にシンクロする、歯切れ良く心地よい吸気音によって、車外からの雑音もさほど気にならず「これぞスポーツカー!」という一体感を味わうことができました。

さて、翌日の復路は、RFで伊豆の山道、高速道路を経由して横浜を目指します。

RFのシートに収まって真っ先に感じたのは、ボディのガッシリ感。これは、ハードトップを閉じた状態でしたから、心理的な安心感もその理由のひとつかと思いますが、オープンの開放感を望むユーザーがいる一方、クローズドボディの包まれ感を好む方も少なからずいらっしゃるのではないか、と思います。

実際、ルーフを閉じた状態では、高い耐候性や実用性を実現していますし、車外の騒音もしっかり遮断されており、2ドアクーペとして十分な快適性を備えています。

また、ルーフを開けた状態ではコクピットに程よく風を導きつつ、風切り音を低減するようリアピラーの設計を工夫するなど、細部にわたり実に入念な開発を行ったそうです。

では、RFならではの個性や美点は、この電動開閉式ルーフだけなのでしょうか?

もちろん、答えはノーです。排気量プラス500cc、最高出力プラス27馬力という、パワーユニットのアドバンテージもさることながら、RFの走りはソフトトップ仕様とはやや性格が異なります。

例えば、アップダウンが続く山道や高速道路でも、2リッターエンジンのゆとりあるトルクを生かし、アクセル操作だけで通過できる、といったシチュエーションが少なからずありました。「エンジンをレッドゾーン手前までブン回してシフトチェンジ!」というのもスポーツカーらしい楽しさではありますが、じわりと右足に力を込め、ゆとりあるトルクを生かした加速感を味わうというのも、このRFならではの楽しみ方なのでは? と思います。

とはいえ、RFは活発じゃないのか? といえば、トップエンドの伸びこそ1.5リッターエンジンに譲りますが、5000回転辺りまでの反応は十分すぎるほど俊敏ですから、積極的にシフトレバーを操ってワインディングを楽しみたいという向きもご安心を。

一方、フットワークについては、軽やかなソフトトップ仕様に対し、RFは重厚とまではいわずとも、しっとりとした感触です。80kgの重量増は乗り心地においてプラスに作用しており、高速道路での長距離クルーズにおける快適性は、一枚上手といえるでしょう。

さて、2日間で合計500km強を共にしたロードスターとRFですが、よくぞここまでクルマのキャラクターを作り分けたな! というのが正直な感想です。ドライビングの楽しさを純粋に追い求めたロードスター、スポーツカーとグランツーリズモを巧みに両立したRF。ひと目ぼれ&指名買いもアリだとは思いますが、いずれかのモデルを購入検討中なら、乗り比べは必至だと思います。

<SPECIFICATIONS>
☆ロードスター RS
ボディサイズ:L3915×W1735×H1235mm
車両重量:1020kg
駆動方式:FR
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:131馬力/7000回転
最大トルク:15.3kg-m/4800回転
価格:319万6800円

<SPECIFICATIONS>
☆ロードスター RF RS
ボディサイズ:L3915×W1735×H1245mm
車両重量:1100kg
駆動方式:FR
エンジン:1997cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ
トランスミッション:6速MT
最高出力:158馬力/6000回転
最大トルク:20.4kg-m/4600回転
価格:373万6800円

(文&写真/村田尚之)

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