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マグナ・カルタからビートルズまで。無料ギャラリーはまさに『知の宝物庫』、ロンドンの大英図書館

GOTRIP! / 2018年11月9日 11時30分

ロンドン中心部の巨大なターミナル駅、「ユーストン(Euston)」と「セント・パンクラス(St.Pancras)」駅の間という喧騒に建つ「大英図書館(British Library)」。

イギリス及びアイルランドで出版されたすべての文献のコピーが送られる法定納本図書館であり、これらの記憶を管理・保管するという重要な役割を担っているだけでなく、世界中の重要な文献を購入しコレクションしています。

一般の公共図書館とは大きく異なり、基本的に本の貸し出しは行っていません。本を閲覧できる読書室に入室することができるのは、「読者パス(Reading Pass)」の保持者のみ。読書室の開放された本棚に置かれているのは、一般的な参考資料や最新の科学およびビジネス書のみで、コレクションのほとんどは保管場所にあり、別途閲覧の申し込みが必要となっています。

読者パスは誰でも申請することができますが、署名入りの身分証明書と住所を証明する書類の原本が必要で、パスの有効期間も申請者のニーズによって1ヶ月から3年間と異なり、個人的なリサーチの場合は有効期限は1ヶ月のみとなっています。

一般の旅行者が読書室を利用する機会はまずないと思いますが、それでも大英図書館への訪問をおすすめしたいいくつかの理由があります。

入り口を入ると、明るく開放的な吹き抜けのホールが広がり、パブリック・スペースの至る所にベンチやソファが設置され、多くの人が休んだり、ノートパソコンを広げたりしています。コンセント付きのデスクでは皆一様にイヤフォンを装着し、集中した様子で調べ物などに勤しんでいます。もちろん館内は無料wifi完備。

中央には英国王キング・ジョージ3世の蔵書を納めた「キングズ・ライブラリー・タワー(The King’s Library Tower)」があり、その迫力と古書の美しさに圧倒されます。

そして何より見逃してはならないのは、無料ギャラリーの規模を遥かに超えた見応えの「ジョン・リトブラット卿ギャラリー:大英図書館の宝物(Sir John Ritblat Gallery:Treasures of the British Library)」です。

国宝級、もしくはそれ以上の世界的宝物級の文献や古書などを惜しげもなく公開するギャラリーは、展示品の劣化を防ぐために暗く保たれ、撮影は禁止。

音楽がテーマの展示コーナーでは、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンによる手書きの楽譜やスケッチから、ビートルズのジョン・レノン直筆の手紙や歌詞の草稿が、文学コーナーではジェーン・オースティン、エミリー・ブロンテ、チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルドをはじめとする作家たちの貴重な文献が展示されています。また、イギリスが生んだ歴史的劇作家ウィリアム・シェイクスピアの特設コーナーも。

ほかにも豪華な装丁の古書や古地図、日本の掛け軸、アジアの宗教やイスラム世界の聖典をはじめとする世界の文献、「歴史的文献(Historical Documents)」コーナーには、インド独立の父マハトマ・ガンジーがイギリス人インド総督へ送った手紙など、世界を動かした歴史的に重要な文書が展示されており、これらの歴史に興味がある人にとっては鳥肌ものの文書がずらりと並んでいます。

さらに奥には、イギリス史上最も重要な文献のひとつである「マグナ・カルタ(Magna Carta=大憲章)」の特別展示室があります。マグナ・カルタとは、「1215年、イングランド王ジョンが封建貴族たちに強制されて承認、調印した文書。前文と63条からなり、国王の徴税権の制限、法による支配などを明文化し、王権を制限、封建貴族の特権を再確認したもの。権利請願・権利章典とともに英国立憲制の発展に重要な役割を果たした。大憲章。」(デジタル大辞泉より)。

『自由の出生証明書』とも称されるマグナ・カルタは、「王といえども、法の下にあり、法を守る義務があり、権限を制限される」「イングランドの民は国法か裁判以外によって、自由・生命・財産をおかされてはならない」といった内容が書かれ、世界で初めて国王に制限を加え、今日の世界の在り方を支える立憲主義、自由主義の原型とされています。大英図書館には現存する4点のマグナ・カルタのうちの1点が展示されています。

小さなお子さんは退屈してしまうかもしれませんが、誰もがその名を耳にしたことのあるような偉人たちの手に触れた重要な文献を目の当たりにできる、貴重なギャラリーはまさに必見です。

また、同図書館では様々な有料エキシビジョンも開催されており、過去には「不思議の国のアリス」や「ハリー・ポッター」などをテーマにしたエキシビジョンが人気を呼びました。
ギャラリーを見学した後は、洒落た小物からファッション・グッズ、もちろん書籍も取り揃えるショップに立ち寄るのをお忘れなく。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

大英図書館
The British Library

住所:96 Euston Road, London, NW1 2DB
エキシビジョン、ギャラリー、ショップの営業時間:
月、09:30 – 18:00
火、09:30 – 20:00
水~金、09:30 – 18:00
土、09:30 – 17:00
日、11:00 – 17:00

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