イスタンブールの歴史を象徴する建造物「アヤソフィア博物館」が辿った歴史と見どころのモザイク画
GOTRIP! / 2018年11月1日 6時30分
トルコ最大の都市イスタンブールは、その首都がアンカラに移るまで、ビザンツ帝国とオスマン帝国という二大帝国の帝都として栄えました。
キリスト教文化、イスラム文化という異なる宗教の祈りの場であったアヤソフィアは、現在は博物館として一般公開されています。
アヤソフィアが辿った歴史、そして一番の見どころとされるモザイク画をご紹介します。
アヤソフィアが辿った歴史
アヤソフィアはイスタンブールの旧市街、スルタンアフメットにある博物館です。現在は博物館になっていますが、その歴史は西暦325年にまで遡ります。
コンスタンティヌス1世の時代に、いまのアヤソフィアのもととなる教会の建築が始まりました。
その後何度か焼失を繰り返し、537年、ユスティニアヌス皇帝の時代にビザンツ様式の大聖堂が完成しました。
それ以来、ギリシア正教の大本山として人々の信仰を集める場となりました。
1453年にメフメト2世がコンスタンティノープルを攻略してオスマン帝国の統治が始まると、アヤソフィアはモスクに改修され、ムスリム(イスラム教徒)の祈りの場となりました。
そしてトルコ共和国初代大統領のアタテュルクによって、アヤソフィアは博物館へと転じられ、現在に至ります。
キリスト教とイスラム教が融合する不思議な空間
長い歴史を持ち、異なる宗教の祈りの場であり続けたアヤソフィアの内部は、いまもその変遷の面影を残しています。聖母子像が描かれた天井のすぐ下には、アッラーやムハンマドの名が描かれた大きな円盤があります。
メッカの方向を表すミフラーブや説教壇のミンバルはオスマン帝国時代に新たに設置されたものです。
偶像崇拝を禁止するイスラムのモスクには絵画などは一切ありませんが、アヤソフィアは稀に見ぬ例外なのです。
オスマン帝国時代に壁に描かれたカアバ神殿を表す装飾タイル、また中庭にある礼拝の前にムスリムが身を清めるための泉亭も、モスクに改修されてからの作品です。
「聖母マリアの手形」や「すすり泣く柱」として有名なこの柱には言い伝えがあります。
親指を穴の中に入れて、残り4本の指を柱から離さずにぐるりと回すことが出来たら願いがかなう、といいます。
長い歴史を歩んだというだけあり、アヤソフィアには宗教的意味を持つ様々な遺構が残されています。
ビザンツ美術の最高傑作といわれるモザイク画
そんな中でもひときわ目を引くのがビザンツ帝国時代の黄金のモザイク画。
中でも、もっとも有名なものが13世紀の作品『デイシス』で、中央のキリストの右にヨハネ、左にマリアが画かれています。
また、12世紀に画かれた、コンスタンティノープルに残る唯一のモザイク画もここには存在しています。
そして12世紀に画かれたモザイク画の隣には、11世紀の作品があり、そこには皇帝コンスタンティヌス9世と皇后ゾエがキリストに捧げ物をしている情景が画かれています。
時代はさらに遡り、10世紀のモザイク画も残されています。そこには中央の聖母子の左にはアヤソフィアを捧げるユスティニアヌス、右にはコンスタンティノープルの街を捧げるコンスタンティヌスが画かれています。
キリストに礼拝する皇帝を画いたモザイク画も、アヤソフィアの入口上部に残されています。
アヤソフィアは、イスタンブールが何世紀も前から今日に至るまで辿って来た歴史を象徴しています。
時代ごとに画かれてきた煌びやかなモザイク画には、画かれた当時の複雑な歴史があり、そんな歴史を感じられるタイムマシーンのような体験ができる場所、そんな場所が、アヤソフィアなのです。
もしトルコに行くのであれば、そんな時代の変遷を感じられる場所を訪れてみてはいかがでしょうか?
きっとそこには、日本では絶対に味わう事のできない空間があるに違いないのです。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
名前 アヤソフィア(Ayasofya)
住所 Sultan Ahmet Mahallesi, Ayasofya Meydanı, 34122 Fatih/İstanbul
Tel +90 (212) 522 17 50
Tel +90 (212) 522 09 89
Fax +90 (212) 512 54 74
公式ホームページ http://ayasofyamuzesi.gov.tr/en
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