ドイツ・ロマンチック街道の起点、ヴュルツブルクの楽しみ方
GOTRIP! / 2019年3月16日 6時30分
ドイツ観光のハイライトといえばロマンチック街道。中世の雰囲気が色濃く残る町ローテンブルクや隕石の衝突によってできたクレーター上に築かれたネルトリンゲン、白亜に輝く姿が美しいノイシュヴァンシュタイン城への玄関口であるフュッセンなど、ドイツの魅力が詰まった410kmの道のりです。
そんなロマンチック街道の北の起点となるのが、フランクフルトから電車で1時間ほどの所にあるヴュルツブルク。バイエルン州のフランケン地方に位置するこの町は中世から司教座として栄え、町の至るところに見られる教会や大聖堂からは当時の面影をいまでも伺い知ることができます。
その美しさは、文豪ゲーテがドイツで最も美しい町のひとつと評したほど。
世界遺産に登録されているレジデンツ(司教座)や地元で生産されるフランケンワイン、風光明媚な町並みなど、小さな町に魅力が沢山詰まったヴュルツブルク。今回はそんなヴュルツブルクの楽しみ方を紹介します。
ヴュルツブルクに着くと、町の中をトラムが走るヨーロッパらしい町並みが目の前に広がります。大学や音大もあることから学生が多く、町全体が活気に溢れていると感じる方も多いかもしれません。
この町でまず訪れたいのが、さきほども触れた世界遺産のレジレンツ。ドイツのバロック建築を代表する贅をつくした宮殿は、この地を治めていた大司教の居城として1744年に完成しました。
入ってすぐの場所にある「階段の間」と名付けられた大きな吹き抜けは、レジデンツにおけるハイライト。長さ18m、幅33mの天井には、イタリアの画家ティエポロ作の巨大なフレスコ画が描かれており、そのスケールの大きさには圧倒されるばかり。
館内にはほかにも豪華絢爛な部屋の数々がならび、当時の大司教が過ごした優雅な日々を垣間見ることができます。
レジデンツ内を見学し終えたら、建物の裏にあるホーフガルテンへ足をのばしてみましょう。手入れの行き届いた庭園では5月初旬頃に八重桜が満開を迎えるほか、初夏から色とりどりの花が咲き始め、レジデンツを一層華やかに演出します。
入場無料の庭園には地元の人々が、読書や散歩をしながら思い思いに過ごす様子もみられます。
さて司教の居城として建設されたレジデンツですが、それ以前に司教が住んでいた場所となるのが、マイン川沿いの丘の上にそびえ立つマリエンベルク要塞です。30年戦争の戦乱が収まりドイツが安定期を迎える18世紀まで、司教は屈強な守りを固めたこの建物に住んでいました。
要塞内は現在博物館として使用されており、要塞や町の歴史、領主の部屋や実際に使用されていた祭服などが展示されています。
望む斜面の上に広がる「領主の庭園」は、ヴュルツブルクの街並みが一望できるスポット。かつてはモーツァルトやゲーテを唸らせた眺めが一面に広がる、ヴュルツブルクで最も美し景色が楽しめる場所です。
オレンジ色の屋根に敷き詰められた街並みの所々からいくつもの教会や大聖堂の塔が顔を出す様子は、司教座として発展したこの町ならではの眺めといえるでしょう。
町の絶景を楽しんだら、ふもとまで下りてきてマイン川に架かるアルテ・マイン橋の上でこの地名産のフランケンワイン味わってみてはいかがでしょうか。
12体の聖人像が並ぶ橋の上から、先ほど訪れたマリエンベルク要塞を眺めながら力強い味わいのフランケンワインを味わう。ほろ酔い気分も手伝い、まさに至福のひと時です。
また、町のレストランには豊富な種類のワインほか、ワインに合う郷土料理も充実。美味しいワインと料理に舌鼓を打ちながら、旅の思い出を振り返ってみるのも良いでしょう。
ヴュルツブルクへはフランクフルトから電車で1時間、ミュンヘンから2時間ほどなので、これらの都市から日帰りでの訪問も可能。またここを拠点にローテンブルクをはじめとする町を訪れるのもおすすめです。
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